Illustratorの【クリッピングマスク】を5分でマスター!作成・編集・解除etc

Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)を使ってデザインをするうえで、欠かすことのできないクリッピングマスクのやり方をわかりやすく説明します!
イラレを使ってデザインをする際には必ずと言っていいほど使われる機能なので、しっかりマスターしましょう!

Illustratorの「クリッピングマスク」とは?

そもそも「クリッピングマスク」とはどのような機能なのでしょうか?

Illustratorのクリッピングマスクとは?|切り抜き機能

クリッピングマスクとは、簡単に言うと「Illustratorの切り抜き機能」ですが、正しくはPhotoshopの切り抜きのように実際に切り抜いているのではなく、“見せたい部分以外にマスクをかけて隠している”といった方が正しい理解です。

Illustratorのクリッピングマスクとは?|後で編集も可能

クリッピングマスクはいらない部分を切り取っているのではなく、見せたくない部分を隠しているだけなので、元画像の全体はマスクの後ろに隠されているだけです。

そのためグラフィックの制作を進めていく中で、切り取った部分を広げたり、切り取る形を変更したりすることも可能です。

Illustratorのクリッピングマスクとは?|図形以外でも可能

Illustratorのクリッピングマスクは、四角や丸などの図形だけでなく、文字など図形以外のオブジェクトでもマスクをかけることができます。

Illustratorのクリッピングマスクの作成方法

それでは具体的に、クリッピングマスクの作成方法について解説します。

クリッピングマスクの作成方法①|図形でクリッピングマスク

まずはマスクをかけたい画像を用意します。この際、マスクをかけるのは、一枚の画像でなくても、レイヤーになっているアートワークでも問題ありません。

次に切り抜きたい形の図形を用意します。

point
クリッピングマスクを作成する際には、塗りや線の色は関係ありませんので、特に何色で作っても問題ありませんが、塗りをなしにしておくと、下の切り抜く画像を確認できるので便利です。

(サンプルの画像は塗りを白にしてあります)

切り抜きたい図形を、切り抜きたい元画像の切り抜きたい部分に配置したら、図形と画像両方を選択します。(一つを選択した後に、Shiftキーを押しながら、もう一つのオブジェクトを選択すると同時に複数のオブジェクトを選択できます)

選択出来たら、メニューバーの「オブジェクト」→「クリッピングマスク」→「作成」もしくは、右クリック→「クリッピングマスクを作成」でクリッピングマスクを作成し、図形の外側の部分を切り抜くことができます。

ショートカットキーは、WindowsはCtrl+7、MacはCommand+7で行うことも可能です。

以下のように円形で写真を切り抜くことができました。

クリッピングマスクの作成方法②|パスでクリッピングマスク

図形だけでなく、ペンツールなどで描いたパスでもマスクをかけることが可能です。

今回はペンツールで肉球のようなパスを描いてみました。

この場合、肉球のパスは、5つのオブジェクトに別れてしまっているので、5つすべてのパーツを選択した状態で、「オブジェクト」→「複合パス」→「作成」もしくは、右クリック→「複合パスを作成」で一つのオフジェクトとしてまとめます。

ショートカットキーを使う場合、WindowsはCtrl+8、MacはCommand+8です。

あとは上記の図形と同じように、クリッピングマスクを作成することで、ペンツールで描いたパスの形にマスクをかけることができます。

クリッピングマスクの作成方法③|文字でクリッピングマスク

文字でのクリッピングマスクの作成はとても簡単です。

上記と同じように画像の上に切り抜きたい文字を置きます。

そして同じように画像と文字両方を選択した状態で、クリッピングマスクの作成をすると、文字の形に画像を切り抜くことができます。

以前は、Illustratorで文字の形にマスクをかける場合、アウトライン化をして、さらに複合パス化をしてから、クリッピングマスクを作成するという手順が必要でしたが、イラストレーターのアップデートにより現在は文字のままクリッピングマスクを作成することができるようになりました。

これにより、クリッピングマスクを作成した後で文字を打ち換えることも可能になり、とても便利になりました。

クリッピングマスクで周囲にぼかしを入れる方法

クリッピングマスクをしたオブジェクトの周囲をぼかしたい場合は、マスクをかけたクリッピングマスクを選択し、「効果」→「スタイライズ」→「ぼかし」を選択します。

あとは、ぼかしの半径の数値をお好みのぼかし具合に調整してください。プレビューにチェックを入れることで、ぼかし具合を確認しながら調整することができます。

クリッピングマスクができないときの原因と対処法①|画像が消える

上記の方法で、「クリッピングマスクができない!」という時の原因と対処法をご紹介します。

まず考えられる原因としては、切り抜きたい元画像が切り抜く形の図形(クリッピングパス)の上にある場合です。クリッピングマスクは、切り抜きたい元画像を下に、クリッピングパスを上に配置して作成する必要があります。これが逆の場合、図形を元画像の形でマスクしてしまう形となり、画像が消えてしまうという事象が発生します。

クリッピングマスクを作成する前にレイヤーパネルを確認し、必ず、クリッピングパスが元画像の上に配置されていることを確認しましょう。

クリッピングマスクができないときの原因と対処法②|複合パス

次に考えられるのは、上記の「パスでクリッピングマスク」を作成する場合に、「複合パス化」ができていない場合です。

基本的にクリッピングマスクは一番上にある画像のかたちにマスクをされるため、複数のオブジェクトで生成されたパスの形にくり抜きたい場合には、必ず先に「複合パス」を作成してからクリッピングマスクを作成するようにしてください。

Illustratorのクリッピングマスクの編集方法

クリッピングマスクの良いところは、切り抜いた後も、編集をして切り抜き方を変えられることです。クリッピングマスク作成後に編集する方法をご紹介します。

レイヤーパネルのクリッピンググループを選択

クリッピングマスクを作成すると、レイヤーパネルには自動で「クリップグループ」が作成され、元画像とくり抜いた図形がグルーピングされます。

編集する場合には、アートボード上で編集したいクリップグループをダブルクリックします。すると、クリップグループ内のアイテムを編集できるようになります。(左上にクリッピンググループの名前が表示されていれば、クリッピンググループが選択されている状態です。)

オブジェクトを編集

編集したいクリッピンググループを選択した状態で、元画像の移動や切り抜く図形の変形などを行うことでクリッピングマスクを編集することができます。

メニューバーから編集

上記とは別の方法として、メニューバーから「オブジェクト」→「クリッピングマスク」→「オブジェクトの編集」からも編集することが可能です。この場合、元画像が選択された状態になるので、元画像の大きさや位置を編集することで、クリッピングマスクで見える範囲の調整をすることができます。

Illustratorのクリッピングマスクの解除方法

最後にIllustratorのクリッピングマスクを解除する方法をご紹介します。

クリッピングマスクの解除方法|クリッピングマスクの解除

クリッピングマスクを解除する方法はとても簡単です。解除したいクリップグループを選択し、メニューバーから「オブジェクト」→「クリッピングマスク」→「解除」もしくは、右クリック→「クリッピングマスクの解除」でクリッピングマスクを作成する前の状態(元画像と図形が分かれた状態)に戻すことができます。

クリッピングマスクの解除方法|レイヤーパネルで操作

レイヤーパネルからクリッピングマスクを操作することも可能です。クリップグループないの元画像を、クリップグループ外へドラッグアンドドロップすることで、クリッピングマスクを解除することができます。

Illustratorのクリッピングマスクまとめ

Illustratorのクリッピングマスクの使い方習得はイラレマスターへの第一歩です。クリッピングマスクはIllustratorを使ったグラフィック制作ではほぼ100%使われる機能です。

様々な方法でクリッピングマスクができるようになれば、どんな形にでも画像をくり抜くことができるようになります。操作方法も一度覚えてしまえばそれほど難しくないので、クリッピングマスクを使ってどんどん表現の幅を広げていきましょう!