Illustratorでパターンの色・大きさを変える超簡単な方法!スウォッチを使いこなそう

Illustratorでパターンの色や大きさ、角度を変える方法は1つではありません。この記事では超簡単に色や大きさを変更する方法を解説します。

さらにパターンの使用や編集に役立つスウォッチの基本的な使い方も解説します。

スウォッチの基本を理解すると色々な場面で役立ちますので、使いこなしてイラレ作業を効率化しましょう!

Illustratorでパターンの色を変える方法!

パターンの色を変える方法を解説します。Illustratorでは「パターン編集モード」「オブジェクトの再配色」の2通りのやり方があります。

パターン編集モードで配色変更

オブジェクトを選択している状態で、スウォッチパネル内の編集対象パターンをダブルクリックするか、パネル下部にある「パターンを編集」ボタンをクリックします。

画面がパターン編集モードに切り替わります。

STEP.1
パターンを全選択

以下のとおりショートカットでパターンを全選択します。

全選択ショートカット

・Windows: Ctrl + A

・Mac  :⌘(Command) + A

STEP.2
線カラーの変更

プロパティパネル内の線カラーをクリックすると、カラー選択パネルが表示されます。変更したい色を選択すると、パターン全体の色が変わります。

STEP.3
「〇完了」をクリック

変更が完了したら、画面左上の「〇完了」ボタンをクリックしましょう。画面が通常モードに戻ります。

パターン編集モードではパターン全体だけではなく、パーツごとに色を変えることもできます。選択ツールで変更したいパーツを選択し、プロパティパネル内の線カラーをクリックし色を変更します。

オブジェクトの再配色で素早くカラー変更

Illustratorでは「オブジェクトの再配色」を使用してもカラー変更できます。いちいちパターン編集モードに切り替えなくてよいので素早くカラー変更できます。

オブジェクトを選択した状態で、プロパティパネル内のクイック操作欄の「オブジェクトを再配色」ボタンをクリックします。

カラー変更パネルが表示されます。円形のカラーホイール内のマーカーを回すことで色を自由に変更できます。

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「オブジェクトの再配色」では、パターン全体の色を変更できますが、パーツごとに色を変更することはできません。

オブジェクトの再配色でカラバリを大量に作成!

デザイナーの方は特に、カラーバリエーションを大量に求められることも多いのではないでしょうか。

Illustratorでカラーバリエーションをたくさん作りたい場合も、「オブジェクトを再配色」が役立ちます。

先ほど解説したパターン編集モードでパーツごとに着色した後、「オブジェクトを再配色」で円形のカラーホイール内のマーカーをグルグルと回すことで、パーツそれぞれで色が変わり無限のカラーバリエーションを作成できます。

Illustratorでパターンの大きさや角度を変える方法!

オブジェクトの大きさはそのままで、パターンの大きさや角度を変えたい場面も多々ありますよね。Illustratorでパターンの大きさや角度を変える方法も、2通りの方法があります。

Illustratorの拡大縮小ツールでパターンの大きさ変更

オブジェクトを選択した状態で、拡大縮小ツールをダブルクリックします。拡大・縮小パネルが開きますので、拡大・縮小率を設定します。

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ここで、「オブジェクトの変形」のチェックボックスからチェックを外しましょう。チェックが入っていると、オブジェクト自体の大きさも変わってしまいます。

以下の例では、オブジェクトのサイズはそのままで、パターンの大きさを2倍に拡大しています。

Illustratorの回転ツールでパターンを回転

オブジェクトを選択した状態で、回転ツールをダブルクリックし、パターンの回転角度を設定します。

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ここで、「オブジェクトの変形」のチェックボックスからチェックを外しましょう。チェックが入っていると、オブジェクト自体も回転してしまいます。

以下の例では、パターンを45°回転しています。

アピアランスでパターンの大きさ変更と回転

アピアランスでもパターンの大きさ変更と回転ができます。オブジェクトを選択した状態で、アピアランスパネル下の「新規効果を追加」ボタンをクリックし、パスの変形>変形を選択します。

変形効果パネルにて、水平方向・垂直方向の拡大縮小率を設定します。回転させたい場合は回転角度を設定します。

オプション内の「オブジェクトの変形」のチェックボックスからチェックを外しましょう。このチェックを外すことで、オブジェクトの大きさや回転角度はそのままで、パターンのみ拡大縮小、回転できます。

設定完了するとパターンの大きさが変わり、回転されました。アピアランスパネル内に「変形」のアピアランスが追加されます。この「変形」をクリックすれば、いつでも値を再設定できます。

アピアランスを使うと再編集・取り消しが簡単!

IllustratorにはPhotoshopのようにヒストリー機能がないため、拡大縮小ツールや回転ツールでの編集を取り消す場合、「Ctrl(Command)+Z」で1つずつ編集履歴を戻らなければいけません。

しかしアピアランスでは、パネル内の「変形」をクリックすることで再編集ができ、非表示にしたり、削除したりして効果を取り消すこともできます。

編集直後ではなく好きなタイミングで再編集・取り消しができるので、Illustratorで拡大縮小率や回転角度を何度も微調整する場合はアピアランスを使うことをお勧めします。

【おまけ】Illustratorのスウォッチの使いこなし方!

スウォッチの基本的な操作を解説します。スウォッチを使いこなすことでIllustratorでカラーやグラデーション、パターンを使用する作業効率がぐんとアップします。

スウォッチライブラリの使用

Illustratorのスウォッチライブラリ内にはカラーやグラデーション、パターンがたくさん格納されており、自分で一から作らなくても一瞬で質の高いパターンを使用できます。

スウォッチパネル下の「スウォッチライブラリ」ボタンをクリックすると、カラーやグラデーション、パターンの種類ごとに選択メニューが表示されます。

水玉模様、斜線、アニマル柄(ゼブラ柄、ヒョウ柄)、ボタニカル柄、装飾柄など、汎用性が高く面白いパターンがたくさん搭載されています。デザインのアイディアが湧くようなクオリティーのパターンもありますので、イラストのパーツとして使えるものがないか探してみましょう。

スウォッチでパターンの登録、削除

Illustratorでは、自分でカラーやグラデーション、パターンを作成してスウォッチとして登録することもできます。

以下の例ではダイヤマークをパターンとして登録しています。作成したパターンをスウォッチ内にドラッグするだけでパターンとして登録できます。

使用する際には、適用したいオブジェクトを選択した状態でスウォッチパネル内のパターンをクリックすればパターンを適用できます。

スウォッチを削除する場合は、スウォッチパネル下部のゴミ箱ボタンをクリックすれば削除できます。

スウォッチでパターンの編集【パーツ】

Illustratorのスウォッチパネルでは、パターンの編集も簡単にできます。パネル内で編集対象のパターンをダブルクリックするか、パネル下部の「パターンを編集」ボタンをクリックします。すると、画面がパターン編集モードに切り替わります。

パターン編集モードでは、先ほど解説したとおりパーツごとに色を変えることができますし、パーツごとに変形することもできます。

選択ツールで編集したいパーツを選択し、アピアランスなどで変形しましょう。以下の例では線を一本だけジグザグに変形しています。

スウォッチでパターンの編集【タイル】

パターン編集モードではパターンオプションパネルが表示されます。パターンはタイルを並べることで構成していますが、パターンオプションでは以下の通りタイルの詳細な変更ができます。

  • パターンタイルツールボタン:バウンディングボックスによるタイルサイズ変更
  • タイルの幅、高さ:タイルサイズの変更
  • タイルの種類:タイルの並び方の変更
  • コピー数:パターン内のタイル数の変更

パターン内でタイル同士の間隔を変えたい、斜めに並べたいといった場合に一瞬で簡単に変更できるので便利です。

Illustratorのパターンの色やサイズを変えてみよう!

Illustratorでパターンの色やサイズを簡単に変える方法や、スウォッチライブラリの使い方を解説しました。

パターンの色やサイズを素早く変えることができれば、大量のバリエーションを短時間で作ることができるようになります。

また、スウォッチライブラリの機能を活用するとカラーやグラデーション、パターンを簡単に使用、編集できるようになるので、使いこなして効率的で質の高いイラストレーター作業を行いましょう!