Lightroomで写真をフィルム風にレタッチする方法は?【誰でも簡単】

フィルムカメラで撮った写真にはデジタル写真にはない独特の味がありますが、フィルムカメラを準備して現像するには手間とお金がかかりますし、様々な撮影技術が必要になります。しかしAdobeのLightroomを使えば簡単にデジカメ写真をフィルム風にレタッチできます。

本記事では、Lightroomを使ってデジカメで撮ったRAW画像を簡単にフィルム風に現像する方法を解説します。フィルム風レタッチ例もいくつか紹介するので参考にしてみてください。

フィルム写真の特徴とLightroomでレタッチする際のコツ

フィルム風に加工する具体的な手順を解説する前に、そもそもフィルム写真の特徴や、Lightroomでフィルム風にレタッチする際のコツを整理します。

フィルム写真の特徴

フィルム写真の質感と色味は独特の哀愁があり、デジカメ写真にはない魅力がありますよね。

デジカメ写真とフィルム写真には、質感と色味の違いがあります。

デジタル写真の質感は滑らかですが、フィルム写真は粒子が大きく、ざらざらした質感です。

また、デジタル写真は目で見える色に近い現実的な色味ですが、フィルム写真ではコントラストが強く、フェードがかかった独特の色味が特徴です。

“point”
被写体や天気が全体の色味に影響するため、例えば緑の深い森林を撮ると全体が緑がかった色味になり、夕焼けを撮ると全体がオレンジがかった色味になります。

Lightroomでフィルム風にレタッチするコツ

フィルム写真はざらっとした素朴な質感と、暖かい色味が特徴なので、Lightroomフィルム風にレタッチする際には、以下のことを意識して加工しましょう。

“point”

【質感

粒子を加え、ザラツキを表現する

【色味

コントラストを上げる

・シャドウ部とハイライト部それぞれにうっすらと相対的な色を入れる

(シャドウ部に黄色、ハイライト部に青など)

彩度を下げ、色あせたような優しい色合いにする

Lightroomで写真をフィルム風にする具体的な手順

①ポイントカーブを操作

ライトパネル内にあるポイントカーブを操作します。

階調(トーン)変化をグラフにしたもので、明るさ、色味、コントラストを補正できます。感覚的にグラフの線を修正できるので、より繊細なレタッチが可能です。

ポイントカーブの線上をクリックし、コントロールポイントを5つ追加します。

コントロールポイントの位置を調整し、ポイントカーブの線がS字になるようにします。カーブをS字状にすることで、明暗の差が大きくなり、コントラストを上げることができます。

ライトパネル内にあるコントラストの項目でも、コントラストを調整することができます。

必要に応じてシャドウや白レベル、黒レベルも調整しましょう。白レベルを上げると全体の白味が強くなり、光が強調された写真になります。一方、黒レベルを上げると全体の黒味が強くなり、影が強調された深みのある写真になります。

②カラーグレーディングを操作

カラーパネル内にあるカラーグレーディングを調整しましょう。

“point”

カラーグレーディングにはシャドウ、ハイライト、中間調があります。

・シャドウ:暗い領域にカラー追加

・ハイライト:明るい領域にカラー追加

・中間調:暗い領域と明るい領域両方の画像領域にカラー追加

シャドウハイライトのポイントを操作し、暗い領域と明るい領域それぞれにうっすらと相対的な色をいれましょう。(シャドウに黄色、ハイライトに青など)

また、必要に応じて中間調のポイントを操作すると、全体的にフェードを入れて色あせ感を出すことができます。

③カラーミキサーで色補正

カラーパネル内にあるカラーミキサーを調整し、色補正します。

カラーミキサーでは、色ごとに彩度や照度を調整できます。今回は青と黄色の彩度を落とし、フィルム風に色補正します。

④粒子を加える

フィルムの質感を出すため、効果パネル内の粒子を値を上げてざらつきを表現します。

Lightroomで作成したフィルム風プリセットを保存しよう

プリセットとは、写真の色味や質感の調整がセットされた機能のことです。

プリセットを使うことで、フィルム風にレタッチするエフェクトを保存し、他の写真にも素早く反映することができるようになります。そのため写真ごとに重複するレタッチ作業をする必要がなくなり、作業を大幅に効率化できます。

Lightroomで作成したフィルム風プリセットを保存し、反映する手順を解説します。

プリセット保存|フィルム風レタッチのセットをプリセットとして保存

編集パネル内にある「プリセット」ボタンをクリックすると、プリセット一覧のボックスが表示されます。ボックス右上の「・・・」をクリックします。

プルダウンボックスが表示されますので、その中から「プリセットを作成」を選択し、任意のレタッチ名をつけて保存します。

すると、プリセット一覧に作成したプリセットが追加されます。今回は「フィルム風」というプリセット名で保存しました。

プリセット反映|プリセットが即時反映されフィルム風に現像

次に、新しいRAW画像にプリセットを反映させて画像に現像する方法を解説します。

新しいRAW画像を開いた状態で、編集パネルの「プリセット」ボタンをクリックし、プリセット一覧を表示します。

プリセット一覧の「ユーザープリセット」の欄から、先ほど保存したプリセット「フィルム風」を選択します。

作成した「フィルム風」のプリセットをクリックすると、即時反映されフィルム風に現像できます。

Lightroomのプリセット機能は簡単便利で作業効率のために不可欠な機能です。よく行うレタッチはプリセットとして保存して活用しましょう。

フィルム風レタッチ例紹介

Lightroomデジカメ写真をフィルム風にレタッチした写真を6つ紹介します。

Lightroomフィルム風レタッチ例①|秋の写真

紅葉や落ち葉などの秋の写真はフィルム風にする写真としてオススメです。黄色やオレンジのフェードをかけることで、秋独特の哀愁のあるフィルム風写真に仕上がります。

Lightroomフィルム風レタッチ例②|電車の写真

電車やバスなどの乗り物の写真もデジカメ写真よりもフィルム写真の方が味があります。Lightroomでレトロな味のあるフィルム風写真に現像できます。

Lightroomフィルム風レタッチ例③|室内の写真

室内の何気ない写真も、フィルム風にレタッチすることで、時代を感じる印象深い写真に仕上ります。

Lightroomフィルム風レタッチ例④|緑の写真

緑のある風景には緑色のフェードをかけることで、フィルム写真独特の色味を演出できます。

Lightroomフィルム風レタッチ例⑤|桜の風景

桜のある風景もフィルム風にすると味がでて目を引く美しさを演出できます。コントラストを上げ、桜以外の彩度を下げることで、桜の美しさが際立つフィルム風写真になります。

Lightroomフィルム風レタッチ例⑥|集合写真

集合写真もフィルム風にすることで、後で見返したときに味のある思い出を演出してくれます。

Lightroomで写真をフィルム風にレタッチしてみよう!

Lightroomを使えば、デジカメ写真を簡単にフィルム風に加工し、さらに自分なりの表現も加えることができるため、わざわざフィルムカメラを準備して現像する手間や、難しい撮影技術が不要になります。

ライトルームで色味やコントラスト、粒子の度合いなどを調整することでフィルム風の様々な表現が可能になりますので、自分なりの印象的で味のあるフィルム写真を作ってみましょう。

Lightroomを検討されている方は、単体プランよりもフォトプランをオススメします。

Lightroomの単体プランもありますが、同じ月額でPhotoshopとLightroomがセットになったフォトプランの方がお得です。