Photoshopは基本的にサブスクで利用するものですが、毎月課金するのはお財布への負担も大きいもの。買い切り版のPhotoshopを探している人も多いでしょう。そこで今回は、Photoshopの買い切り版、永久ライセンスについてご紹介します。
Photoshopの買い切り版は2種類ある
Photoshopの買い切り版には、「Photoshop CS6」と「Photoshop Elements」の2種類があります。それぞれの販売状況や購入方法についてチェックしていきましょう。
永久ライセンスのPhotoshop CS6はすでに購入できない
Photoshop CS6は2012年に発売された買い切り版のPhotoshopですが、現在はすでに販売終了しており、Adobe公式からの購入は不可能です。Adobeからのサポートやアップデートがすでに終了しているので、生成AI機能などの最新機能を使うこともできません。
一部ECサイトやオークションサイトでは、中古のPhotoshop CS6が出回っていることもあります。しかし、中古のAdobeソフトの使用はライセンス違反であり、インストールできても、急に使用できなくなる可能性があります。中古品に手を出すのはやめたほうがよいでしょう。
Photoshop CS6は永久ライセンスなので、インストール済みのパソコンでは使用可能です。しかし、古いソフトのため、最新OSでは起動しなかったり、正常動作しなかったりというリスクもあります。そのため、いまPhotoshop CS6を使うことはおすすめできません。
Photoshop Elementsなら買い切り版を購入可能
もう一つの買い切り版Photoshopである「Photoshop Elements」なら、現在も購入可能です。Photoshop Elementsは、ライトユーザー向けに設計されているソフト。現在は、2024年最新版の「Photoshop Elements 2024」が販売されています。
Photoshop Elementsはライトユーザー向けなので、機能面はサブスクで提供されているPhotoshopには敵いません。しかし、写真編集初心者や、簡単な加工ができればOKという人にとっては、選択肢のひとつとなるでしょう。
Photoshop買い切り版の価格や機能は?
では、現在も利用できる買い切り版Photoshopである「Photoshop Elements 2024」の価格はいくらなのでしょうか。そして、ライトユーザー向けとして販売されているPhotoshop Elementsの機能はどれほどなのでしょうか。
Photoshop Elements 2024は買い切り19,580円で利用可能
通常版 | アップグレード版 | |
Photoshop Elements 2024 | 19,580円 | 12,980円 |
Photoshop Elements 2024+Premiere Elements 2024 | 27,280円 | 20,680円 |
上の表の通り、Adobe公式サイトではPhotoshop Elements 2024は19,580円で購入可能です。永久ライセンスなので、インストールすればずっと使い続けられます。新しいバージョンのPhotoshop Elementsが出た際に、最新版にアップグレードしたい場合は12,980円かかります。
またAdobe公式サイトでは、Photoshop Elements 2024と、ライトユーザー向け動画編集ソフトの「Premiere Elements 2024」が、27,280円でセット販売されています。1本ずつ買い切り版を買うより格安なので、動画編集もするならこちらを選んでもよいでしょう。
なお、AmazonではAdobe公式より安くPhotoshop Elements 2024が販売されており、2024年9月現在、16,073円で購入することができます。より安価な買い切り版Photoshopを狙うなら、Amazonもチェックしてみてくださいね。
Photoshop Elements 2024でも基本的な写真編集は行える
Photoshop Elements 2024はライトユーザー向けですが、基本的な写真編集機能は搭載されています。たとえば、写真の色調を調整してより鮮やかに見せたり、複数画像を組み合わせてコラージュを作成したりといったことは十分可能です。
「ガイド」機能はPhotoshop Elementsならでは。写真の補正前・補正後を見比べながら機能を選べるので、画像編集初心者でも理解しやすいですよ。
さらに、Photoshop Elements 2024には、アーティスティックエフェクトを用いて画像をおしゃれに見せたり、ワンクリックで肌をなめらかにしたりといった、手間なく画像の見栄えを向上できる機能が搭載されています。軽い画像編集用途なら問題なく使えるでしょう。
プロのような画像に仕上げたいならElementsでは物足りない
基本的な編集は十分できるPhotoshop Elements 2024ですが、高品質な画像に仕上げたい場合には物足りなく感じられることも。たとえば、Photoshop Elementsでも合成画像は作れますが、プロが作ったような違和感のない画像に仕上げるのはなかなか困難です。
これは、Photoshop Elementsは色調調整機能やぼかし機能などでできることがPhotoshopより少ないうえ、正確な選択範囲を作成するクイックマスクモードも使用できないため。緻密な画像編集を行いたい場合には、Photoshop Elementsは不向きです。
ぼかし機能を例に挙げてみましょう。Photoshopでは、画像左のように、ぼかす範囲やぼかし具合を調整し、一眼レフで撮った写真のような効果を得ることができます。しかし、Photoshop Elementsでは、全体をぼかすことしかできません。
Photoshop標準のPSDファイルが読み込めなかったり、印刷物向けのカラーモード「CMYK」に対応していなかったりといった点もPhotoshop Elementsの惜しいところ。普及率があまり高くなく、他の人とのデータのやりとりがしづらいのも難点です。
買い切り版と比較したPhotoshopのメリットとは
買い切り版のPhotoshop Elementsと比べ、Photoshopにはどんなメリットがあるのでしょうか。Photoshopならではの利点をチェックしてみましょう。
Photoshopのメリット①|高機能で用途が幅広い
Photoshopのメリットは、やはり高機能だということ。Photoshop Elementsではできない細やかな補正や正確な範囲選択により、高品質な画像編集・作成ができます。プロ御用達のソフトなので、自然な合成写真や美しい画像加工はお手の物です。
充実した文字入れ機能やペンツールによる自由自在な描画や切り抜きも利用可能。さらに、ブラシを自由に追加して、まるで手描きのような線を引くこともできます。画像編集のみならず、ロゴやアイコン、イラストの作成も、Photoshopだけで十分可能ですよ。
Photoshopのメリット②|常に最新版を利用できる
Photoshopは、常に最新版を利用できるのも強みです。買い切り版のPhotoshop Elementsの場合、アップグレードの際は新しいバージョンを買い直す必要がありますが、Photoshopならバージョンが上がっても新しく買い直す必要はありません。
最新のPhotoshopなら、背景を自然に伸ばしたり、写真に思い通りの被写体を追加したりといった、生成AIを使用した高度な編集も可能。今後も新しい機能がどんどん追加されていきます。追加料金なしで、こういった新機能をいつでも使えるのはうれしいですね。
また、Photoshopは最新版のほかに以前のバージョンをインストールしておくこともできます。最新版では動作が安定しないなどの場合でも、以前のバージョンを使って作業を進められますよ。
H3 Photoshopのメリット③|デザイン・印刷などの業界標準ソフト
デザインや印刷、出版などの業界において、標準として使われているソフトだというのもPhotoshopの強みです。つまり、Photoshopさえあれば、さまざまな印刷物やWebなどのデザインに対応可能。プロのデザイナーはぜひ持っておきたいソフトです。
Photoshopは印刷物向けのカラーモード「CMYK」にも対応。これにより、画面上での色と実際に印刷される色合いが近くなるため、より思い通りの印刷物向けデザインをすることができます。印刷業界でよく使われているのも納得ですね。
業界標準のソフトだけあり、データのやり取りや入稿も容易。なかには、Photoshop標準のPSD形式の入稿しか受け付けないという印刷業者もみられます。デザインや印刷に関わる仕事をするなら、Elementsではなく通常のPhotoshopを利用するのがマストだといえます。
Photoshopを最も安く利用する方法は?
サブスク方式のPhotoshopを使うなら、できるだけお得なプランを選びたいもの。ここでは、最も安くPhotoshopを利用する方法について説明します。
Adobe公式のプランではフォトプラン20GBが最安価格
Photoshopを利用できるプランの中では、「フォトプラン20GB」が最安価格。これは、Photoshopに加え、写真の処理や整理を行えるLightroomと、オンラインストレージ20GBが付帯するプランです。
価格は、年間プランの月々払いで月額1,180円。フォトプラン20GBなら、1年間契約し続けたとしても、永久ライセンスのPhotoshop Elements 2024を1年間使うより割安です。お得にPhotoshopを利用したいなら見逃せないプランだといえるでしょう。
ただし、フォトプラン20GBは現在Adobe公式サイトからの直接の契約は不可能。契約するためにはAdobeに電話かチャットで問い合わせ、契約したい旨をオペレーターに伝える必要があります。詳しい契約方法については、以下の記事も参照してくださいね。
参考記事▽
Photoshopの月額980円プランとは?最安の契約方法について紹介!Photoshopを無料で使用できる裏ワザも!
Photoshopの無料体験版を使えば、有料のプランを契約しなくても、7日間はPhotoshopのすべての機能を無料で使うことができます。Photoshopの使い心地を試したいなら、まずは無料体験版を使ってみるとよいでしょう。
また、無料体験期間終了後に一度解約手続きを行うという裏ワザを使えば、長期間無料でPhotoshopを使用し続けることもできます。詳しい方法については、以下の記事をチェックしてください。
参考記事▽
【2024年最新版】Photoshopを無料で使い続ける方法は?Photoshopは買い切り版とサブスクどっちにするべき?
買い切り版のPhotoshop Elementsは、画像編集がはじめてという人や、軽い写真加工しかしない人にとっては便利なソフト。しかし、凝った編集がしたい人や、汎用性が高い業界標準のソフトを使いたい人には、サブスクのPhotoshopのほうがおすすめです。
Photoshop Elements・Photoshop両方に無料体験版があり、Photoshop Elementsは30日間、Photoshopは7日間すべての機能を無料で試すことができます。まずは両方の使い心地を試して、自分に合ったほうを選ぶとよいでしょう。