After Effectsで映像作品をつくる場合は、レンダリングは必要不可欠です。
しかし、「After Effectsでレンダリングをしたいけど、どうすればいいかわからない」という人も多いのではないでしょうか。
After Effectsでレンダリングが必要な場面は?
そもそもレンダリングってなに?
動画制作において、レンダリングを行う場面は必ずあります。
レンダリングは、映像やテロップ、アニメーションや音声などの複数のデータをまとめ、一つの動画として見れるように出力することです。
動画を作成している段階では、一つ一つの要素を組み合わせているだけなので、映像作品として見ることができません。なので、これをまとめて書き出す必要があります。
メディアとして書き出しする
動画編集を行ったあと、一つの映像作品として誰かに見せたり、納品するためにレンダリングは行います。
動画編集が完了した最後に再生方法や納品方法に合った保存形式でレンダリングを実行していきます。
After Effects以外のソフトで再生するとき
動画を再生する場合、Windowsの人は「Windows Media Player」Macの人なら「Quicktime Player」のソフトで再生するのが一般的です。パソコンに慣れている人は、ブラウザのタブで再生する人もいるでしょう。
このようにAfter Effects以外のソフトで再生を行う場合や、YouTubeやVimeoなどのWEB媒体にアップロードするときには、レンダリングして書き出します。
ここまでレンダリングについて、解説してきました。次は実際にAfter Effectsでレンダリングをする方法について解説していきます。
After Effectsでレンダリングする方法
STEP①書き出すデータをチェックする
レンダリングをする前は必ずすべてのデータをチェックしましょう。レンダリングが完了してからミスが発覚すると、もう一度やり直さなければいけないため、大幅な時間ロスになります。
「必要な要素は入っているか」「非表示のままにしてしまっていないか」など、くまなくチェックしましょう。
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STEP②出力設定をする
画面上部にある「コンポジション」を開いて「レンダーキューに追加」をクリックしましょう。
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するとレンダーキューにレンダリング情報が追加されるので、ここで各種設定の確認や変更をしていきます。
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レンダリング設定は、コンプと同じで大丈夫なのでノータッチで大丈夫です。
After Effectsの初期設定だとAVIのアニメーションの設定になっています。
おすすめの形式は「QuickTime」です。さらにビデオコーデックは「Apple ProRes 4444」をおすすめします。
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ビデオコーデックを変更するには、ビデオ出力の中にある「形式オプション…」をクリックしましょう。
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ビデオコーデックの右にある選択タブをクリックするとコーデック一覧がでてくるので、ここで「Apple ProRes 4444」を選択します。
この設定がおすすめな理由は3つあります。
- ほとんどの編集ソフトに対応している
- ファイルサイズが小さく画質がきれい
- チャンネルを変更すればアルファつきの動画も書き出せる
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この設定が完了したら、あとは「出力先」と「名前」を決めていきます。
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ちなみにAfter Effectsを頻繁的に使用するならレンダリングのテンプレートを作成すると、いつも使う書き出し形式を簡単に設定できるので便利です。
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その場合は、テンプレートにしておきたい設定にした状態で、出力モジュールの下矢印を開いて「テンプレートを作成..」をクリックしましょう。
「設定名」のところにわかりやすい名前をつけて「OK」を押せば、保存されます。
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この設定をしておけば、次に同じ設定にしたいときは、出力モジュールの下矢印を押せばすぐに設定できます。
STEP③レンダリングを実行する
ここまでの設定が完了したら、「レンダリング」をクリックして書き出されるのを待つだけです。
After Effectsは、レンダリングを途中で止めて設定を変えることはできないため、レンダリング前に設定は確認するようにしましょう。
After Effectsのレンダリングを軽くする方法
レンダリングを軽くする方法①高性能なCPU搭載のPCを使う
レンダリングを軽くするための最も簡単な方法は、高性能なCPUが搭載されたPCを使うことです。
レンダリング速度はCPU性能によって左右されるため、高性能のCPUを使うことはレンダリングが軽くなることに直結します。
レンダリングが遅いと感じた人は、まずCPUを見直してみましょう。
レンダリングを軽くする方法②メモリが低いと遅い原因になる
After Effectsは、元々メモリの負荷が大きいソフトです。その状態で負荷の高いレンダリングを行うと、メモリがパンパンになり処理速度が遅い原因に繋がります。
メモリに余裕を持たせることで、レンダリングが軽くなるのでメモリの増設も検討してみましょう。
シンプルな動画や短時間の動画であれば、8GBや16GB程度のメモリでも気になりませんが、長時間の動画を扱う場合は、32GBや余裕を持って64GBのメモリがおすすめです。
レンダリングを軽くする方法③After Effectsの設定を変更
After Effectsでは、画面上部の「After Effects」→「環境設定」→「一般設定」の中にある「メモリとパフォーマンス」からメモリの割り当て量を調整することができます。
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良いPCを使っていても割り当て量が低ければAfter Effectsをサクサク編集することはできないので、After Effects以外に使用するソフトとのバランスを見て設定しましょう。
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After Effectsでレンダリングをしよう!
ここまでレンダリングについて解説してきました。今回ご紹介した内容をまとめます。
After Effectsでレンダリングが必要な場面
- メディアとして書き出しするとき
- After Effects以外のソフトで再生するとき
After Effectsでレンダリングする手順
- 書き出すデータをチェックする
- 出力設定をする(形式は「QuickTime」。ビデオコーデックは「Apple ProRes 4444」がおすすめ)
- レンダリングを実行する
After Effectsのレンダリングを軽くする方法
- 高性能CPUが搭載されたPCを使う
- 長時間の動画編集の場合は、32GB以上のメモリ
- After Effectsの設定でメモリの割り当て量を最適化する
レンダリングに関しては、学ぶのが後回しになりがちですが、作成した動画をきちんと出力するための大事な設定です。レンダリングについて理解して動画編集ライフに役立てましょう!