Illustrator【ブラシツールの設定のすべて】あなた好みの筆の作り方

Illustrator(イラストレーター)のブラシ設定方法を紹介します。

Photoshopのブラシ機能と比べると設定できる項目は少ないですが、Illustratorにも十分な数のブラシが用意されています。また、オリジナルのブラシを作成する方法についても解説するので、ぜひ参考にしてみて下さい。

Illustratorのブラシツールの設定方法

まず、Illustratorでのブラシ設定方法について確認しましょう。

Illustratorブラシツールの設定手順①|ブラシ設定パネルを開く

まず、ブラシツールの設定をするための設定パネルを開きましょう。

Illustrator画面上のメニューバーより「ウィンドウ」→「ブラシ」と進み、ブラシパネルを表示させます。

Illustratorブラシツールの設定手順②|ブラシタイプを選択

ブラシパネルを表示出来たら「ブラシ」タブを選択した状態で、一番下にある「ブラシライブラリメニュー」をクリックしましょう。すると「アート」「ベクトルパック」といったブラシの種類を選択できます。

「アート」を開くと「アートインク」「アートカリブラフィ」といったように、各種類には更に細かい項目が用意されており、更にその中に複数のブラシが含まれているような、いわゆるフォルダのような構成になっています。

ブラシの種類をひとつ選択すると、ブラシを選択できる専用のパネルが追加で表示されるので、ここから実際のデザインを確認しながら具体的なブラシを選択します。

ブラシをデフォルトの設定でそのまま使用する場合は、画面左のツールバーから「ブラシツール」が選択されていることを確認して、アートボード上をドラッグして線を引くことで選択したブラシが適用された線を引くことができます。

Illustratorブラシツールの設定手順③|ブラシオプションを設定

上の手順でお好みのブラシを選択すると、Illustrator画面上のオプションバーが専用の項目へ変わります。

このオプションバーから「ブラシのカラー」「ブラシの太さ」「不透明度」といった細かい設定を行うことができます。

Illustratorのブラシツールの設定でできること

次に、Illustratorのブラシツールの設定でできることについて見ていきましょう。

Illustratorブラシツールの筆設定①|ブラシの色を設定

画面上のオプションバーから「ブラシの色」を設定することができます。

オプションバー左寄りに「線の色」を選択できるダウンドロップメニューがあるので、そこから線のカラーを選択するとブラシのカラーも変更されます。

これからブラシを引く場合は変更したカラーが反映され、すでにブラシを引いている場合は「選択ツール」でブラシを選択後にカラーを変更することで反映されます。

Illustratorブラシツールの筆設定②|ブラシの太さを設定

画面上のオプションバーから「ブラシの太さ」を変更することができます。

オプションバー左寄りに太さを設定できるダウンドロップメニューがあるので、ダウンドロップを開いてお好みの太さを選択しましょう。

用意されたメニュー内の数値から選択する他に、数値を直接入力して指定する方法もあります。方法は数値の部分をクリックすると入力できる状態となり、小数点まで含めた細かな数値を指定することができます。

Illustratorブラシツールの筆設定③|ブラシの可変線幅を設定

オプションバーからブラシの「可変線幅」という項目を設定できます。

この設定は言葉で説明するより、実際に見て確認したほうがイメージが掴みやすいと思います。

このように、ブラシの種類自体は変わらずブラシの全体的な形状に特徴を付けることができるようになります。

方法は、Illustrator画面上のオプションバーの左寄りにある「可変線幅プロファイル」のダウンドロップからお好みの形状を選択しましょう。

可変線幅プロファイルは、デフォルトの状態では「均等」となっています。

お好みの可変線幅を選択したら、「ブラシツール」の状態でアートボード上をドラッグして線を引くと適用された線を引くことができます。

Shiftを押しながらまっすぐ引くことで、直線を引くことも可能です。

Illustratorブラシツールの筆設定④|ブラシの不透明度を設定

オプションバーから「ブラシの不透明度」を設定することができます。

不透明度はデフォルトで100%、この数値を下げることで透明に近づけることができ、0%に設定すると完全に見えなくなります。

設定方法は、Illustrator画面上のオプションバーにある「不透明度」の数値(%)が表示されている部分からスライドバーを表示して設定します。こちらも数値を直接入力して設定することも可能です。

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スライド時にクリックを離して一旦確定させることで、プレビューのように実際にどの程度透明になるか確認することができます。

Illustratorブラシツールの筆設定⑤|ブラシデザインをオリジナル化

ブラシ設定から少し逸れますが、アウトライン化(図形化)機能をブラシに適用することでブラシの外観を自由自在に変更することができます。

まずお好みのブラシを選択して線を引きましょう。その後、作成したブラシを選択した状態でIllustrator画面上のメニューバーより「オブジェクト」→「パス」→「パスのアウトライン」と進みましょう。

これでブラシ情報が失われて画像情報へと変わるので、「ダイレクト選択ツール」などを使用してパスを動かすことで、ブラシのデザインを自由自在に変更することができます。

ダイレクト選択ツールでパスを動かす手順は以下になります。

Illustrator画面左のツールバーより「ダイレクト選択ツール」を選択しましょう。

その状態でアウトライン化したブラシをクリックすると、存在するパスがすべて表示されます。任意のパスを一度クリックし、ドラッグすることで自由にパスを動かすことができ、結果的に図形の形を変えることができます。

ペンツールの拡張メニューから選択できる「アンカーポイントの追加ツール」などでアンカーポイントを増減させることで、更に自由なカスタマイズが可能となります。

Illustrator版|カスタムブラシの作り方

最後に、オリジナルのブラシを作る方法について紹介します。

全体像として、まずブラシを直線・角・始点・終点の4パーツに分けて考えて、それぞれのパーツを作成します。最後にそれらのパーツを繋げて新規ブラシとして登録していきます。

Illustratorカスタムブラシの作り方の手順①|ブラシのパーツを作成

繰り返しになりますが、ブラシを作成するためには「直線」「角」「始点」「終点」の4つのパーツを作成する必要があります。

今回は簡単に既存のブラシを使用して各パーツを作成していきますが、自身で1からブラシパーツのデザインを作成することももちろん可能です。

まず、パーツを同じ比率で作成するために、各パーツの土台とする四角形を4つ作成します。四角形のサイズはお好みで構いませんが、分かりやすくするために線や色を付けておきましょう。

この四角形は便宜上で使用しているわけではなく、パーツ登録の際にこの四角形は重要な要素となります。今回は、既存のブラシパーツであるネコの足跡を少し改変して、四角形の上にブラシデザインを作成していきます。

終点のみフリー素材の画像を一部使用し、残りのパーツは既存ブラシを使用して以下のパーツを作成しました。

caution
四角形に色を付けたままにしてしまうと、登録したパーツにも背景色が付いてしまうので、四角形の塗りは透明・線はなしに設定しておきましょう。(下図は分かりやすくするために破線を付けています)

ネコの足跡の横軸の高さを合わせているように、位置関係も重要なので他の四角形と位置を合わせるように調節するようにして下さい。

Illustratorカスタムブラシの作り方の手順②|ブラシパーツを登録

作成した各パーツをスウォッチへ登録していきます。

ブラシパネル内から「スウォッチ」タブへ切り替え、パネル最下部から「すべてのスウォッチを表示」を選択しましょう。

その後、作成したパーツを四角形ごとスウォッチへドラッグすると登録されます。四角形を含めなくても登録はできますが、四角形ごと登録することでブラシの比率(大きさ)や位置関係などの情報を含めることができます。

Illustratorカスタムブラシの作り方の手順③|ブラシを作成

これまでに作成したパーツを組み合わせてブラシを作成しましょう。

スウォッチタブから「ブラシ」タブへ切り替え、ブラシパネル内の最下部から「新規ブラシ」→「パターンブラシ」→「OK」と進んでパターンブラシオプションを開きます。

パネル内に各パーツを選択できるダウンドロップがあるので、ここで先ほど作成したパーツを適切な箇所で選択します。次に、パネル右下の「方式」から「採色」を選択して「OK」と進みましょう。

「彩色」を選択することでブラシの色が変えられるようになります。

パネル内にホワイトバックの大きな図がありますが、選択したパーツがここに反映されるので視覚的に確認することも可能です。

これでオリジナルブラシの完成です。

もし「ブラシは引けるが表示されない」といった場合は、ブラシのカラー(線の色)が白になっていないか確認してみて下さい。白になっている場合は黒へ変えて再度試してみましょう。

Illustratorであなただけの筆・ブラシを作ってみよう!

今回はイラストレーター(イラレ)でのブラシ設定・カスタムブラシの作り方について紹介しました。

文章で見ると少し複雑に見えがちですが、実際やってみるとそこまで難しくありません。

また、Illustratorにデフォルトで登録されているブラシの他にも、ネット上で無料でダウンロードできる高品質なブラシがあるのでぜひ色々と探してみて下さい。