InDesign | 正規表現の使い道は?よくある使い方も紹介します!

InDesignには正規表現と呼ばれる機能が搭載されており、様々な作業で役に立ちます。

一見難しく感じてしまうかもしれませんが、おおよその使い方は決まっていたり、細かい指定もできたりするので非常に便利な機能です。

  

本記事を参考にしていただき、正規表現を使いこなせるようになりましょう。

InDesignの正規表現はいつ使う?

  

一口に正規表現と言っても、InDesignではできることが多いのでどういった場面で使われるのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。

今回は特に使用頻度の高い場面に集中して正規表現について説明していきます。

  

InDesignの正規表現はいつ使う?ー正規表現とは

  

正規表現を端的に言うと「InDesignで行う手作業を楽にする、負担を減らすためのコマンド」です。

  

例えば文字の修正をしたいと思ったとき、その数が少ないなら手作業でもそこまでの負担にならないでしょう。しかし、長文の中から1つ1つ探して直していく、しかもその数も大量となると非常に時間がかかってしまいます。

  

そこでInDesignでは、正規表現を使うことで文章中の文字を一括で修正できるようになり、手作業の時間を減らすことができるようになっています。

  

それでは実際にどういった場面で使えるのかを見ていきましょう。

  

InDesignの正規表現はいつ使う?ー文章中の表記ゆれを修正する

  

まず一例としては、文章中の表記揺れの修正に使います。

  

ここでは「コンピュータ」「コンピューター」という単語が下図のように文章中に混在しており、これらを全て「コンピューター」に統一したいとします。

  

  

具体的な使い方や操作方法は後述しますが、このテキストボックスに正規表現を使うことで「コンピューター」一括で統一することができます。

  

  

InDesignの正規表現はいつ使う?ー文章中のフォントを統一する

  

他にも正規表現スタイルを使うことで、文章中の文字にそれぞれフォントなどを個別に適用することもできます。

  

  

この正規表現スタイルを適用したテキストでは、新たに「コンピュータ」「コンピューター」などの文字を入力した場合でも、自動で設定しておいたスタイルが適用されます。この点が非常に便利な仕様になっています。

  

InDesignの正規表現の使い方

  

続いては、実際にInDesignで正規表現を使っていく方法について解説してきます。

  

正規表現スタイルの使い方①-1|文字の検索と置換

  

まずは、InDesignで正規表現スタイルを使って文章中の文字を別の文字に置き換える方法について説明します。

  

メニューバーの「編集」から「検索と置換」をクリックするとパネルが表示されます。そのパネル中のタブにある「正規表現」をクリックすると正規表現を利用するためのパネルが表示されます。

  

  

正規表現スタイルの使い方①-2|文字を置換する

  

正規表現スタイルのパネルが表示されたら、「検索文字列」に修正したい文字を入力します。今回は「コンピュータ」「コンピューター」に置換したいので、検索文字列には「コンピュータ」を入力します。

  

続いて「置換文字列」に置換したい文字を入力します。ここでは、「コンピューター」が該当します。

  

入力ができたら「次を検索」を押してから「すべてを置換」をクリックすると、文章中の「コンピュータ」がすべて「コンピューター」に置き換わってくれます。

  

  

ただし、上記の方法で文字の置換を行った場合には検索文字列の対象に「コンピューター」も含まれてしまい、もともと「コンピューター」であったものが「コンピューターー」とハイフンが余分に多くなってしまいます。

  

これを回避するには別途で正規表現スタイルを用意するか、検索文字列の段階で「コンピューター」を含まないようにコマンドを指定してあげる必要があります。

  

その際に使えるコマンドを一部後述してご紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。

  

正規表現スタイルの使い方②-1|段落スタイルを揃える

  

次に、InDesignの正規表現スタイルを使って文章中の特定の文字だけフォントなどを変える方法について説明していきます。

  

ここでは、正規表現スタイルに加えて「段落スタイル」「文字スタイル」というものが出てきます。これらの大まかな関係としては、「文字スタイル」はフォントや文字の大きさを具体的に決める枠組みで、「正規表現スタイル」自分で作った文字スタイルを実際にどんな文字列に適用するのかを指定する役割を持っています。

  

そして設定した正規表現スタイルを含めて他の設定も保存および適用しておく大きな箱としての役割が「段落スタイル」になっています。

  

それでは具体的な操作について説明していきます。

テキストをクリックした状態で、画面右側のテキストスタイルパネルから「段落スタイル」→「スタイルの編集」をクリックします。

  

  

段落スタイルのパネルが表示されたら、「正規表現スタイル」→「新規表現スタイル」とクリックすることで文章全体に正規表現スタイルを適用することができます。

  

  

正規表現スタイルの使い方②-2|文字のフォントや色を統一する

  

続いて、正規表現スタイルと文字スタイルの編集を行っていきます。

  

「スタイルを適用」「なし」となっているところをクリックして、「新規文字スタイル」を選択すると文字スタイルのパネルが表示されるので、適用したい設定を組み込んでいきます。

ここでは例として、「コンピューター」を赤字にするように設定していきます。

  

まずは文字スタイルパネルから基本文字形式を設定したら、「文字カラー」→「マゼンタ」を選択して「OK」を押します。

  

  

次に、設定した文字スタイルを「コンピューター」という文字列だけに設定するように「テキスト」「コンピューター」を入力して「OK」を押します。

  

  

すると、「コンピュータ」の文字列に変化はありませんが、「コンピューター」だけがマゼンタになります。

  

  

これを少し応用して「コンピュータ」「コンピューター」で異なる色やフォントにするなど、段落スタイルを使うことでより自由に設定できます。

  

【例文あり】よくあるInDesignの正規表現スタイル8選

  

最後に、InDesignで正規表現を使う際に良く用いるコマンドを厳選してご紹介します。

  

よく使うInDesignの正規表現スタイル|特定の文字列を指定する

  

ここまでカタカナだけを取り扱ってきましたが、InDesignの正規表現スタイルでは数字や漢字など各種文字列について指定して適用することもできます。例えば特定の単語だけでなく数字全てに適用という使い方も可能です。

  

そんなときに使えるコマンド集をここではご紹介します。

  

  • .(ドット):任意の1文字
  • \d:数字1文字
  • ~K:漢字

  

漢字だけを他の文字よりも大きくしたい場合には、フォントサイズを大きくした文字スタイルで正規表現スタイルのテキストに「~K」と入力すれば文章中の漢字のサイズが大きくなります。

  

  

よく使うInDesignの正規表現スタイル|文字列の範囲を指定する

  

次に、正規表現スタイルを適用する際に、同じ文字列でも適用するものとしないものを区別するためのコマンドをご紹介します。

  

  • [ ]:[ ]内のコマンドに該当する文字に正規表現スタイルを適用する
  • +:+の前後の組み合わせのみに正規表現スタイルを適用する

  

  

例えば、¥d+~Kと正規表現スタイルを入力した際は、数字の次に漢字が来る並びの文字列に対してのみ正規表現スタイルが適用されます。

先ほどの画像中の文章でいえば、「3000字」という組み合わせだけがそれに該当します。

  

よく使うInDesignの正規表現スタイル|オプション

  

最後に、検索と置換でも使える正規表現スタイルのオプションコマンドをご紹介します。

  

  • (?!ー):「ー」を含む文字列には文字スタイルを適用しない                     これは「コンピュータ」と「コンピューター」の区別をするときに使ったコマンドです。
  • ^:^の後ろに入力したコマンドあるいは文字には文字スタイルを適用しない
  • ( )と$1:検索文字列に入力した( )内のコマンドや文字列を置換文字列に入力した($1)と対応させる

  

  

例えば会社名につけてしまった「様」を限定して「御中」に変えたいときは、検索文字列に「(会社)様」、置換文字列に「($1)御中」とすれば先述の通り正規表現スタイルが適用されます。

  

( )の数が増えてきたら順番に合わせて$2、$3と使えばそれぞれ適用されます。

  

InDesignで正規表現を効果的に使おう!

  

今回はInDesign(インデザイン)での正規表現スタイルの使い方について解説しました。

  

今回ご紹介した使い方やコマンド例はごく一部で、使い慣れていけばより幅広い使い方ができ、こだわった見栄えの書面などがInDesignで簡単に作れるようになっていきます。

  

ぜひInDesignと正規表現を使いこなせるようになりましょう。