Adobe Photoshopは、2024年現在、サブスクでの使用が一般的なソフトウェアです。似たような形態で販売されている他のソフトと比べると、値段が高いとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、Photoshopを使うことを値段のせいで躊躇してしまうのは、あまりにももったいないです。
この記事では、Photoshopの複雑な料金プランを分かりやすく噛み砕き、どんな方にどのプランが向いているのかを解説します。損をせずにPhotoshopを利用したい方の、お手伝いが出来れば幸いです。
Photoshopの値段はプランごとに異なる
Adobeのサブスクリプションプランのうち、Photoshopが利用できるものは3つあります。さらにプランによっては、月払いのみならず、支払いの方法が複数用意されていることもあります。
また、実はAdobe公式サイト以外にも実店舗豊富な購入手段が用意されているのですが、今回はまず、Adobe公式のプランとその料金について見てみましょう。
Photoshopのサブスクプラン①|フォトプラン
20GB | 1TB | |
年間プラン(月々払い) | 1,180円 / 月 | 2,380円 / 月 |
年間プラン(一括払い) | 14,080円 / 年 | 28,480円 / 年 |
フォトプランは、Photoshopを利用できるプランのうち、月ごとの価格が最も安価になるプランです。
Photoshopに加えて、写真現像・管理ソフトのAdobe Lightroomを使用できます。Lightroomはオンラインで使用できるCC版と、オフラインに対応したClassic版の両バージョンが含まれており、フォトレタッチ用途を求めるユーザーに最適と言えるでしょう。
また、Creative Cloudのオンラインストレージも利用可能です。20GBと1TBの容量が用意されていて、用途や利用する環境に対応するプランを選択できます。
非常にお得なプランですが、気軽に利用しやすい月々プランは存在せず、一年単位での契約が必要な点には注意が必要です。
Photoshopのサブスクプラン②|単体プラン
月々プラン | 4,980円 / 月 |
年間プラン(月々払い) | 3,280円 / 月 |
年間プラン(一括払い) | 34,680円 / 年 |
単体プランは、Photoshopを利用できるプランのうち、付属ソフトに魅力を感じるのなら選択肢に入るプランです。
Photoshopが使用できるのはもちろん、100GBのオンラインストレージに、Adobe Fresco、Adobe Expressという2つのソフトのプレミアム機能がついてきます。
様々なブラシを用いたペインティング用途を求めるならFresco、テンプレートなどを用いた簡単な画像編集をしたいならExpressが、それぞれ非常に有用です。
ただしFresco、Expressともに、基本的な機能は無料で使用できるソフトであることから、有料の追加機能部分に魅力を感じない場合、比較して高い値段のプランであると言わざるを得ません。
Photoshopのサブスクプラン③|コンプリートプラン
月々プラン | 12,380円 / 月 |
年間プラン(月々払い) | 7,780円 / 月 |
年間プラン(一括払い) | 86,880円 / 年 |
コンプリートプランは、その名の通りAdobeアプリ・サービスの全部入りと言って差し支えないプランです。
このプランを契約することで、Photoshop、Illustratorなどの画像編集アプリをはじめとして、映像、組版、オーディオ、pdf編集など、様々な制作に困ることはなくなるでしょう。分野を横断するクリエイターには不可欠と言っても過言ではありません。
その分、コンプリートプランはどうしても値段が高くなります。不要なアプリ・サービスが含まれる場合は、予算を鑑みて他のプランを検討すべきかもしれません。
AdobeCCのプランと支払い方法
Photoshopのプランの解説中に、「月々プラン 」「年間プラン(月々払い)」「年間プラン(一括払い)」という項目を挙げてきました。これらはどう違うのでしょうか。
・月々プラン :毎月契約を更新し、その都度料金を支払う
・年間プラン(月々払い):一年間まとめて契約し、その料金を月額に分割して支払う
・年間プラン(一括払い):一年間まとめて契約し、その料金を一括で支払う
最も手軽に短期で利用できるのが、月々プランです。短期で契約を切っても、一ヶ月分の支払いは済んでいるので途中キャンセルの料金を支払う必要がありません。
ただし、その分他の二つの契約方法に比べて、長く使う場合は割高になります。
年間プラン(月々払い)は、一年分の契約を結んだ上でその料金を分割し、月額支払いを行う方法です。一度の支払い金額は安くなるため、契約時の負担を減らすことができます。
このプランと支払い方法の組み合わせを利用する場合、途中解約に注意しましょう。解約時点での残りの契約期間の半分の料金を支払う必要があります。
年間プラン(一括払い)は、一年分の契約を結び、その時点で料金の全額を支払う方法です。
一度の負担が大きい分、総額は最も安くなります。年間プラン(月々払い)と比較するとその差は小さいと思われがちですが、コンプリートプランなどの高額プランだと、無視することが難しい金額になってきます。
アプリの販売方式として、サブスクではなく買い切りを魅力的に思われる方も多いかと思います。現在公式で販売されているPhotoshopの買い切り版は、PhotoshopElementsという廉価版のみです。
Photoshop CCはプロや業務向け、Elementsはもう少し軽い用途向けと、明確に公式でも言及されています。また、やりたいことに対するガイドが充実していて、要求されるPCスペックも比較的低く、初心者の方にとても優しいアプリです。
価格は定価19,580円。サブスクでずっと料金を支払い続けることを考えれば、安いと思われるかもしれません。
しかし、Elementsはあくまで廉価版。CCと比較して、できないこともたくさんあります。
明るさやコントラストを繊細に調整するためのトーンカーブ、特定色域の選択などの機能はついておらず、印刷データでよく使われるCMYKにも対応していません。そして、一番大きいのはアップグレードの有無です。AdobeのCCアプリは、契約している限り常に最新版を使うことができますが、Elementsは別途アップグレード版を購入しなければなりません。
シンプルな操作で写真を綺麗にしたい場合はElements、業務での使用を少しでも考える場合はCCなど、用途に合わせて慎重に選ぶとよいでしょう。
Photoshopの値段が高い理由は?
さて、ここまででご覧いただいた通り、Photoshopはどうしても安価とは呼べないアプリです。
Photoshopは、やはり類似の画像編集ソフトと比較しても機能やサポートが圧倒的に充実しており、その分研究開発費やサービスの運営費も高くなります。
しかしそれでも、Photoshopは非常に高いシェアを誇り、業界では誰もが使う標準ソフトとなっています。
ではなぜ、「フォトショップは高い」というイメージがありながら多くの人が使用するのでしょうか。
高い値段でもPhotoshopの理由①|高機能
Photoshopは、画像編集ソフトとして必要な機能を網羅しており、不足を感じることはほとんどありません。
また、新しい機能の開発にも非常に意欲的で、特に近年ではAIを使用した新機能の発展も目覚ましい成果を挙げています。邪魔なオブジェクトを消去したあとの背景を埋める、キャンバスを拡大したあとのなにもない部分に画像を自動生成するなどの機能は、その最たるものです。
ユーザーが求める結果にたどり着くまでの時間と手間を、Photoshopが大きく削減します。その優秀さで、一度使うと手放せなくなってしまうのです。
高い値段でもPhotoshopの理由②|情報が充実
通常アプリの機能が充実すればするほど、複雑になってしまうので「どうやって使ったらいいのか」を思い悩むことになりがちです。しかし、PhotoshopをはじめとしたAdobeのアプリは、公式のチュートリアルが充実していて、使用方法の導線がはっきりしているため、その点を大きく緩和されています。
また、長くユーザーを多く抱えている老舗のアプリでもあるため、非常に大きなコミュニティがあります。その結果、有志のTipsがインターネット上にたくさんある点も、より人気を集める要因と言えます。各出版社もこぞってハウツー本を出版しており、使用中の不明点を調べるハードルはかなり低いです。
高い値段でもPhotoshopの理由③|多くの現場で使われている
現在Photoshopは、最前線の現場から個人ユーザーまで、たくさんの場所で使用されています。
その結果、Photoshopで使用しやすい形で、完成した制作物や共同作業データが行き交うことになりました。
もちろんアプリが非常に優秀であることは前提としてですが、「みんなが使っているから」という部分も、市場の拡大に一役買っているのです。
【損しない!】Photoshopの値段を抑える方法
Photoshopが優秀で、それに応じた値段を出しても使いたいアプリであることは間違いありません。しかしそれでも、安く使えるに越したことはないのもまた、当然と言えます。
では、そのためにはどんな点に注意すればいいのでしょうか。
Photoshopの料金削減①|用途に合ったプランを選ぶ
まずは、Photoshopをどんな用途に使用するのかを考えます。
動画作成のために画像加工する、ウェブサイトのパーツを作成する、印刷物に入れ込む写真を作る、など、幅広い制作に手を出すのであれば、最も高価なコンプリートプランを契約することをおすすめします。CCのアプリをそれぞれ単体プランで使うより、おおよその場合安く使えるためです。
逆に、写真のレタッチのみに使い、他のAdobeCCのアプリを使う予定がないのであれば、コンプリートプランは不要です。フォトプランで安価に使う方がよいでしょう。
自分の用途を過不足なく満たせる最安値のプランはどれか、検討は非常に大事です。
Photoshopの料金削減②|基本は月額よりも年単位
だいたいのサブスクの例に漏れず、Adobe CCも、月額払いより年額で払う方がいくらか安くなります。まとまった支払いが難しいなどの事情がないならば、まとめて払ってしまうほうが損なくPhotoshopを使うことができます。
ただし、これにも例外があります。契約後短い期間しか使用する予定がない場合、必要な月だけ月額で払うほうが、無駄なく使用できるでしょう。
Photoshopの料金削減③|Adobeの無料体験版をフル活用する
Photoshopには、無料で使える体験版があります。もちろん期間が限られていますが、ある裏ワザを使えば、無料の期間を延ばすことができるのです。
詳しくは、ぜひ以下の記事をご覧ください。
【2024年最新版】Photoshopを無料で使い続ける方法は?【まとめ】Photoshopをなるべく安く使う方法
Adobe Photoshopは、とても優れた画像加工アプリです。しかしその分、どうしても値段は高くなってしまいます。また、サブスクで使用するプランも複雑です。
自分に合ったプランと支払い方法がどれなのか、しっかり検討して、お得にPhotoshopを使いこなしましょう!