【知らないと損】Illustratorでレイヤー構造を保持したままコピーする方法

Adobe Illustratorでグラフィックを制作する際、後々修正などがしやすいようレイヤーを細かく分けて制作する方も多いのではないでしょうか?せっかくレイヤーを分けて制作しても、あることをしていないと、別のドキュメントにコピー&ペーストしたときにレイヤーが統合されてしまいます。

今回は、Illustratorでレイヤー構造を保持したまま複製・移動できる方法を解説します。

Illustratorでレイヤー構造を保持したままコピーする方法

イラストレーターで何もせずオブジェクトをコピーし、別のドキュメントにペーストすると、レイヤー構造が統合されてしまいます。レイヤー構造を保持したままコピーするにはどうすればよいのでしょうか?

【Illustrator】そのままコピーすると?

まずIllustratorのデフォルト設定のまま何もせずにオブジェクトをコピー&ペーストするとどうなるでしょうか。

いくつかのレイヤーに分かれているグラフィックを選択ツールで全体を選択、もしくはCtrl+A(Macの場合はCommand+A)で全体を選択します。すべてのレイヤーのオブジェクトが選択された状態で編集→コピー、もしくはCtrl+C(Macの場合はCommand+C)でコピーをします。

コピー先のアートボードを開いて、編集→ペースト、もしくはCtrl+V(Macの場合はCommand+V)でペーストしてみると、レイヤーが一つにまとまってしまっていることが分かります。

【Illustrator】レイヤーを保持して複製&移動するには?

では、どうしたらIllustratorのレイヤー構造を保持したままコピーできるのでしょうか?方法は簡単です。

レイヤーパネルの右上にある三本線をクリックします。⬆︎

「コピー元のレイヤーにペースト」にチェックを入れます。⬆︎

※デフォルトではこのチェックが外れた状態になっています。

⬆︎あとは、そのままコピーをした時と同じように、全体を選択し、コピー、コピー先にペーストすることで、無事レイヤー構造を維持したまま複製&移動をすることができました。

【Illustrator】コピー&ペーストすると配置場所が移動する

上記のやり方でコピー&ペーストすると、元のドキュメントとは違う位置に配置されてしまいます。

アートボード上で同じ位置(同じ座標)に配置する場合には、ペーストする際に、編集→「同じ位置にペースト」、もしくはShift-Ctrl+V(Macの場合は、Shift+Command+V)で、元のデータと同じ位置に配置することが可能です。

【Illustrator】レイヤーをコピーする際に気を付けたいこと

レイヤー構造を維持したままコピーする際に注意いただきたいのが、各レイヤーの名前です。コピー先に同じ名前のレイヤーが存在すると、同じ名前同士で統合されてしまいます。

caution
すでにコピー先でいくつもレイヤーがある場合は、名前がかぶらないように変更してからペーストをするようにしてください。

【Illustrator】同じファイル内に複製する場合は?

同じファイルにレイヤーを複製する場合は、上記のやり方をすると同じ名前のレイヤーになってしまうため、レイヤーが統合されてしまいます。

同じファイルに別レイヤーとしてレイヤーを複製したい場合には、右上の三本線から「「レイヤー名」を複製」を選択すると同ファイル内に別レイヤーとして複製することが可能です。この時、「コピー元のレイヤーにペースト」のチェックは、あってもなくても大丈夫です。

【おまけ】Illustratorでレイヤーごとにコピーする方法は?

レイヤー構造を一気にコピーするのではなく、レイヤーごとにコピーする方法はあるのでしょうか?

【Illustrator】1レイヤーずつ選択する

レイヤーごとにコピーする場合も基本的にはやり方は先ほどと同じです。

一つのレイヤーのみを選択する場合は、レイヤーの右の部分(赤丸の部分)をクリックします。先ほどの「コピー元のレイヤーにペースト」のチェックは入ったままです。

あとは、一つのレイヤーのみが選択されている状態で、先ほどと同じようにコピー&ペーストの作業をすれば、そのレイヤーのみを複製&移動させることが可能です。

【Illustrator】「コピー元のレイヤー…」にはチェックを

レイヤーごとにコピーする場合も、上記の「コピー元のレイヤーにペースト」のチェックは入ったままにしてください。

チェックを入れていないと、コピー先でペーストをしたときに一つのレイヤーに統合されてしまいます。

コピーやペーストがうまくいかない時の原因と対処法は?

上記のやり方でもうまくコピー&ペーストができないことがあるようです。その原因と対処法はあるのでしょうか?

コピー&ペーストができなくなることは頻繁にある

調べてみるとillustratorを使用中にコピー&ペーストができなくなったという報告が多くあるようです。原因と解決方法は一概に「これ!」というものではないため、いろいろと試してみる必要がありそうです。

原因と解決策①|保存をして再起動

Illustratorを長い時間使っていると「戻る」ボタンの履歴がたまっていって多くのメモリを使用します。するとメモリ不足になって動作が遅くなったり、思ったような動きをしなくなったりすることがあります。「さっきまでできていたのに、できなくなった。」などの場合は、一度すべて保存して、Illustratorを起動しなおしてみましょう。

原因と解決策②|環境設定ファイルの再作成

上記で解決しない場合は環境設定ファイルが破損している場合があります。

ソフトが起動している場合は一度終了し、環境設定ファイルの名前を変更後、再度起動しなおしてください。自動的に新しい環境設定ファイルが作成されます。

 環境設定ファイルの場所はインストールの際、特別に指定していなければ以下の場所にあります。

  •  Windowsの場合

C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Adobe\Adobe Illustrator <バージョン> Settings\ja_JP\x64(最後の数字はインストールしているバージョンのビット数による)

  • Macの場合

Macintosh HD/ユーザ/<ユーザ名>/ライブラリ/Preferences

環境設定ファイルを再作成した場合はそれまでの環境設定は初期化されるのでご注意ください。

それでもだめなら?

以下のadobe公式に、上記の方法も含めて、いつもと違う動きをした時の対処法が詳しく書かれているので参考にしてください。

「おかしいなと思ったら(Windows版Illustrator CC)」https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/kb/cq03040007.html

「おかしいなと思ったら(MacOS版Illustrator CC)」https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/kb/cq03040008.html 

どうしても直らない場合は、無理をしていろいろいじってしまう前に、Adobeのサポートコミュニティやヘルプセンターに問い合わせるのが良いでしょう。

Illustratorでレイヤーをコピーする手順は完璧!

Illustratorでレイヤーをコピーするには、「コピー元のレイヤーにペースト」のチェックを入れるだけ!ととても簡単です。

レイヤーを分けておくと、後々の作業がしやすくなり、ほかの人と共同で作業する際もとてもスムーズになるので、ぜひグラフィックを「レイヤー」で管理する習慣をつけてみてください。イラレライフがより一層快適なものになるはずです。