雑誌など複数ページを扱うことの多い業界ではディフェクトスタンダードとして、使われる「Adobe InDesign」
チラシやポスターなどのデザインにも優れた機能を持つインデザインですが、やはり注目すべきは、複数ページを扱う上で役立つ機能の数々です。
多くの優れた機能がありますが、その一つに「目次機能」があります。
複数ページを扱う際必要性が高まる目次ページを、見やすく簡単に作成することができる機能です。
InDesignを使った基本的な目次の作り方
InDesignで目次の作り方の基本は目次機能を使う
InDesignで目次ページを作る際び基本になるのが目次機能です。
通常のドキュメントページと同じように、手作業で目次ページをデザインすることも可能ですが、目次機能を使うことで、ドキュメント内にある章毎のタイトルなどを読み込み、各タイトルがレイアウトされているページのノンブルとセットで自動的に目次ページとして作成することができます。
また、校正などを重ねることで、タイトル名やページ順などが変わってしまった場合でも、簡単に変更部分を更新することができ、作業効率も大幅に良くなります。
ではまず目次機能の設定の前準備として、ドキュメント内に目次用のページを用意しましょう。
※あとでページを追加して目次ページを作成することも可能です。
InDesignで読み込む段落スタイルを設定する
はじめに、準備した目次用のページをアクティブにした状態で、メニューから「レイアウト」→「目次」を開きます。
このウィンドウで、目次のタイトルや項目として、ドキュメントのどの部分を読み込むかなどを設定します。
まず「タイトル」部分は、目次ページのタイトル部分にどのように表示したいかを入力します。「目次」「INDEX」など表示したい内容を入力します。
タイトル部分に何も表示しない場合は、ボックスを空欄にしておくとタイトルは表示されません。
次に、ドキュメント内のタイトルなど、目次の項目として読み込みたい段落スタイルを指定します。
InDesignの目次機能では、ドキュメント内に設定してある段落スタイルを目次の項目として自動で読み込むことができます。
今回は、ドキュメント中のタイトル部分に予め「見出し」という名称で段落スタイルが設定してあります。
目次に表示したい段落スタイル(今回は『見出し』)を選択し「追加」をクリックすると、段落スタイルが目次スタイルに読み込まれます。
目次内容を貼り付けて、目次ページを作る
段落スタイルの読み込みが完了したら、準備してあった目次用ページに貼り付けて目次ページを作成します。
あとで目次ページのデザインを調整していきますので、今回設定した内容を「スタイルを保存」で保存しておきましょう。
「OK」をクリックして、目次配置用のページのテキストボックス上でクリックすると、目次が配置されます。
ここまでが、InDesignで目次ページを作成する一連の作業ですが、出来上がった目次ページは、項目だけでノンブルの位置がバラバラであったり、タイトルや項目のバランスが悪かったりと、目次ページとしては不十分です。
InDesignで目次のデザインを調整してみよう
目次のデザインは目次用の段落スタイルを設定
InDesignの初期設定のまま作られた目次ページは、読み込んだ本文中の段落スタイルや、初期設定のスタイルが反映されるため、デザイン性が良いとは限りません。
目次ページのデザインの調整を行うには、目次ページ用の段落スタイルにて各項目を設定する必要があります。
目次用段落スタイルの設定は、目次パレット内「スタイル」で新規スタイルを作成するか、既存のスタイルを調整することでもできます。
目次タイトルの段落スタイルを設定
タイトル文字の書式を設定するためには、タイトル入力ボックスの右にある「スタイル」で段落スタイルを設定します。
矢印をクリックするとプルダウンメニューで現在選択できる段落スタイルが確認できます。
今回は新規で段落スタイルを設定します。
プルダウンメニューから「新規段落スタイル」を選択すると詳細設定のウィンドウが開きます。
「スタイル名」に任意のスタイル名を入力します。
基準となる段落スタイルがある場合は、ブルダウンメニューから基準となる段落スタイルを選択します。(今回は、既存の「目次タイトル」を選択します)
左側メニューの「基本文字形式」を選択します。
文字の設定メニューが開いたら、タイトルで表示したい文字設定を行います。
次にタイトルの位置を調整します。
「インデントとスペース」を選択して、「揃え」を確認すると中央揃えになっています。
プルダウンメニューで「左/上揃え」を選択します。
右下の「OK」をクリックして「目次タイトル01」の段落設定を保存します。
目次項目の段落スタイルを設定
次に目次項目の段落スタイル設定を行います。
目次のスタイルで読み込んだ段落スタイル「見出し」を選択します。
スタイルに「見出し」と表示されていることを確認します。
目次タイトルと同じように「項目スタイル」のプルダウンメニューから「新規段落スタイル」を選択します。
詳細設定ウィンドウの「スタイル名」に任意のスタイル名を入力します。
左側メニューの「基本文字形式」を選択し、項目で使用する文字の設定を行います。
次に「タブ」を選択します。
後で設定する項目とノンブルの間をつなぐ線の設定をします。
リーダー線には今回中黒「・」を入力します。
位置に「2mm」と入力し繰り返しをクリックします。
「OK」をクリックし目次段落スタイルの設定画面に戻ります。
次に「ページ番号」の設定を行います。
目次内のページ番号をどの位置に表示するかなどを設定できます。
ここでは、一般的な目次ページで使われることの多い、ノンブルが項目の後ろ側に表示される「項目後」を選択します。
「項目と番号間」の設定です。
これは目次項目とノンブルの間を設定します。
初期設定は「タブ」になっていますが、今回は項目の長さやノンブルの桁数に関係なく右揃えでノンブルの表示を揃えることができる「右インデントタブ」を使用します。
設定が完了したら「OK」をクリックします。
メニューページに設定内容が反映されたことを確認します。
目次内容の変更があった場合は「目次の更新」
設定後、ドキュメントの作成を進める中で、目次項目やタイトルの段落設定のほか、ページ数、タイトル名の変更などがあった場合、「目次の更新」機能を使うことで、簡単に変更部分をは実際の目次ページに反映できます。
更新の方法は、簡単です。
設定や項目など変更が完了したら「レイアウト」→「目次の更新」で変更内容が更新されます。
本文のレイアウトが変更になることの多い、複数ページのデザインではとても便利な機能です。
見やすい目次を作るポイントは?
ノンブルは文字スタイルの設定で見やすいデザインに
見やすい目次ページの作り方には、いくつかのコツがあります。
その一つに文字スタイルを使う方法です。
ノンブルのフォントは目次項目で設定した段落スタイルで表示されますが、文字スタイルを使うことで、更に見やすいフォントに変更することが可能です。
「レイアウト」→「目次」を開き、スタイルのページ番号左側の「スタイル」のプルダウンメニューで「新規文字スタイル」を選択します。
任意のスタイル名を入力し、左側のメニューから「基本文字設定」を選択します。
ノンブルに使いたい文字を設定し「OK」をクリックします。
目次段落設定ウィンドウで、ページ番号のスタイルが作成したものに置き換わっていることを確認し「OK」をクリックします。
リーダー線も文字スタイルを使う
タブ部分のリーダー線においても、文字スタイルを設定することで更に見やすくすることができます。
「レイアウト」→「目次」を開き、スタイルの項目と番号間の左側「スタイル」のプルダウンメニューで「新規文字スタイル」を選択します。
任意のスタイル名を入力し、左側のメニューから「基本文字設定」を選択します。
リーダー線に使いたい文字を設定し「OK」をクリックします。
目次段落設定ウィンドウで、項目と番号間のスタイルが作成したものに置き換わっていることを確認し「OK」をクリックします。
目次ページでノンブルやリーダー線が置き換わっていることを確認します。
項目を階層化することで目次をさらに見やすくできます
目次項目の段落スタイルは1つだけでなく、ドキュメントタイトルに合わせ階層化することができます。
ドキュメント内におけるタイトルに「大見出し」「中見出し」「少見出し」と3種類の段落スタイルが設定してる場合。
まず「レイアウト」→「目次」で目次段落スタイル設定のウィンドウを開きます。
目次のスタイルの右側「その他のスタイル」の中から「大見出し」を選択し「追加」をクリックします。
左側に「大見出し」の段落スタイルが追加されたことを確認し、次に「中見出し」を選択し「追加」します。
左側の「大見出し」の一つ下の階層として「中見出し」が追加されました。
更に右側の「少見出し」を選択し「追加」をクリックします。
左側を確認すると「中見出し」下の階層に「小見出し」が追加されていることが確認できます。
各段落スタイルに目次用の段落スタイルを設定し「OK」をクリックします。
目次ページの項目が、ドキュメントのタイトルに合わせ階層化され見やすくなったことが確認できます。
InDesignで目次を作ってみよう!
Adobe InDesignでの目次の作り方は、今回ご紹介した方法以外にもいくつかあります。
また、目次スタイルの設定は、ドキュメント内で設定するの段落スタイルと同じように詳細な設定が可能です。
設定内容も「レイアウト」→「目次の更新」で簡単に確認できます。
慣れるまでは、多少面倒に感じること多い機能ですが、一度覚えてしまうと作業効率向上と、仕上がりに大きな差が生まれます。インデザインでの目次ページの作成、今回ご紹介した以外にもいろいろな方法を試し、効率よく美しい目次ページ作りに挑戦してみてください。