InDesignの基本|冊子の作り方は?初心者でも超簡単に印刷!

Adobe InDesignは、実際の冊子に近い状態を画面上で確認したり、ページのつながりを管理したり、他にも様々な冊子の作成で綺麗なレイアウトを実現するのに最適なソフトです。

この記事では、InDesignでの冊子の作り方の基本を画像付きでわかりやすく解説いたします。

InDesignでの冊子の作り方【基本のレイアウト設定】

InDesignには冊子など複数ページのレイアウトに便利な機能が多く搭載されています。しかしIllustratorなどと比べ単位表記など分かりづらい部分があります。

ここでは「InDesignでの冊子の作り方」における基本レイアウト設定について初心者でもわかりやすいように解説いたします。

InDesignで冊子作るための新規ドキュメント設定

InDesignで冊子を作るため初めのステップとして「新規ドキュメント設定」を行います。

「ファイル」→「新規」→「ドキュメント」を選択し「新規ドキュメントダイアログ」を開きます。

今回はA4サイズの冊子レイアウトを行うので「印刷」を指定しドキュメントサイズから「A4」を選択します。

次に「綴じ方」を選択します。綴じ方は基本的に横書きの場合は左綴じ、縦書きの場合は右綴じに設定します。今回は横書きの冊子を作成するので「左綴じ」を選択します。

ページ数を入力し、横にある見開きにチェックが入っていない場合はチェックを入れます。チェックを入れることにより、作業中のレイアウトが見開きで表示されるようになります。

レイアウトグリッドとマージン・段組

次にレイアウトグリッドかマージン・段組を選択します。冊子だけではなくインデザインで新規ドキュメントを作る際、初心者の多くがここで迷います。

基本的に「レイアウトグリッド」は文芸書など文字主体のレイアウトをする場合、文字数が決まっているページに多くのテキストを流し込むといったようなレイアウトに向いています。

「マージン・段組」は雑誌や会報誌などのように文字の他にも写真やイラストなど、自由度の高いレイアウトを行う場合に使用します。

今回は「マージン・段組」を選択します。

新規のドキュメントが作成され、これで新しく冊子のレイアウトを始める準備ができました。

InDesignでの冊子作りは単位に注意

InDesignでは冊子だけではなくチラシやパンフレットなど、ドキュメントを作る際に見慣れない単位に注意する必要があります。特にIllustratorなどでのデザインに慣れていると、見慣れない単位に戸惑います。

例えば、文字サイズは「Q(級)」文字間は「H(歯)」など普段あまり使わない単位が並びます。実はこの表記は、印刷業界で昔から使われている単位で業界内では今でも当たり前に使われています。

出版物など仕様が決まっていて基準に「Q」「H」などが使われている場合はこうした単位で進める必要もありますが、単位の指定がない場合は普段から使い慣れた「ポイント」や「mm」に変更することも可能です。

「InDesign」→「環境設定」→「単位と増減値」で変更することができます。

InDesignでの冊子の作り方【文字や写真・イラストの挿入】

InDesignではテキストや写真を配置する際、フレームを使用します。

始めのうちは戸惑うこともあリますが、慣れてしまうとllustratorなどより安定して配置ができるようになります。

ここからは、InDesignでの冊子の作り方の文字や写真の挿入について解説いたします。

文字や写真などを挿入するためのフレームをレイアウト 

InDesignで新規で作成したドキュメントに文字を挿入するためのフレームをレイアウトしていきます。

ツールパレットから「文字ツール」を選択しドキュメント上の任意の場所にテキスト用のフレームを作ります。

次に写真用のフレームを作ります。

ツールパレットから「長方形ツール」を選択し、ドキュメント上の任意の場所に写真用のフレームを作ります。

それぞれのサイズや位置などを調整して、文字や写真を挿入するための準備ができました。

ドキュメントのフレームに文字と写真を挿入

次にドキュメント上にレイアウトしたフレームにそれぞれ文字と写真を挿入していきます。

まずテキスト用のフレームをアクティブにした状態で「ファイル」→「配置」を選択します。

あらかじめ準備した配置用テキストを選び「OK」をクリックするとフレーム内にテキストが挿入されます。

次は写真の挿入です。写真や画像の挿入もテキストの場合と同じように、フレームをアクティブにした状態で「ファイル」→「配置」を選択します。

挿入用に準備した写真を選び「OK」をクリックするとフレーム内に写真が挿入されます。

InDesignでの冊子の作り方【冊子を作る際のコツ】

InDesignは複数ページに渡る冊子のデザインをする際にとても便利なソフトですが、InDesignの機能を使いきれいなレイアウトを行うにはいくつかのコツがあります。

ここでは冊子を作る際にせっかくのInDesignの機能を無駄にしないためのコツについて解説いたします。

また、InDesignには複数ページを何人かでデザインするなど、基準となるレイアウトを管理することができる「マスターページ」といった機能があります。マスターページの設定方法など内容については、別の記事で詳しく解説いておりますのでこちら(https://creators-plus.jp/indesign-masterpage/)をご参照ください。

デザインに入る前にレイアウト計画を建てる

Illustratorでチラシなどをデザインする場合は始めからPCの画面上でデザインを始める方も多いと思います。しかし複数ページの場合はデザインに入る前に準備が必要です。

準備なしにレイアウトに入ると、後でページの入れ替えや時には始めからレイアウトのやり直しといった自体の可能性も多くなります。

こういったトラブルを防ぐためInDesign上でデザインを始める前にページの台割など冊子の設計図をつくる必要があります。

point

慣れないうちは、コピー用紙等を使いアナログで最終的な仕上がりイメージを作ることも、トラブル防止対策になります。

InDesignの冊子用無料テンプレートを使用する

冊子を一度も作ったことないといった初心者の方には、ネット印刷の会社などが公開している無料のテンプレートを利用することもおすすめです。

「中綴じ」「無線綴じ」といった最終的な綴じ方に加え、ページ数毎の無料テンプレートが用意されており作りたい冊子の仕様に合わせ選ぶことができます。

データを作成後印刷を依頼する場合などは、依頼する印刷会社がホームページ等で提供している無料のテンプレーを利用すると、依頼時の注意事項等も記載されており安心できます。

point

無料テンプレートの多くは、冊子作りにおける基本的なデータの作り方などが盛り込まれているので初心者の方はこうしたテンプレートの注意事項等を確認するだけで冊子作りの知識を得る事ができます。

InDesignで冊子を作る際のフォント添付できるものを使用

InDesignで冊子を作る際には使用するフォントにも注意が必要です。冊子の印刷を印刷会社等に依頼する場合は、出力側のフォント環境を確認をしておく必要があります。ローカル環境での印刷を予定しているときでも、オンラインフォントやあまり出回っていないようなフォントはできるだけ使用しないことで、環境が変わった際のフォントによるトラブルを防ぐ事ができます。

caution

どうしてもオンラインのフォントや、あまり使われていないフォントを使用したいときは印刷前にアウトラインをかける等トラブル防止対策を行う必要があります。

使用した画像はひとつのフォルダにまとめる

ドキュメント上で使用した画像等のリンク素材は、ひとつフォルダ内にわかりやすく纏めておくことで、入稿時のトラブルを防ぐ事ができます。

複数ページにわたる冊子のデザインは、配置素材も多くなり素材の管理が大変になります。

InDesignには「パッケージ」(下記参照)と呼ばれる素材収集機能も搭載されていますが、データの管理面なども考え、はじめから分かりやすく纏めておくのがおすすめです。

InDesignで作った冊子の入稿はパッケージ機能を使う

InDesignには冊子を作る際に使用した、フォントや画像などの添付漏れを防ぐパッケージといった機能があります。これはドキュメント上に使用されたフォントや画像などのパーツを自動でひとつのフォルダにまとめてくれる機能です。

パッケージの作り方は「ファイル」→「パッケージ」を選択します。

パッケージダイアログでエラーがないことを確認し、右下の「パッケージ」をクリックします。

次の画面は入稿時に必要な場合は入力し「継続」をクリックします。(必要がなければ入力しなくても問題はありません)

フォルダー名と保存する場所を決め、次に

  • フォントをコピー
  • リンクされたグラフィックのコピー
  • パッケージ内のグラフィックリンクの更新

の3つにチェックを入れます。

右下の「パッケージ」をクリックすると、指定した場所にパッケージフォルダがつくられます。

【番外編】InDesignで中綴じ冊子を作る方法

InDesignで制作した冊子データを自宅や会社のプリンターで印刷して仕上げたいといった方には、InDesign内で面付けができるブックレットといった機能がおすすめです。

ここでは、ブックレット機能を使って、実際に中綴じの冊子を作る方法を解説いたします。

中綴じ冊子のサイズは使用するプリンターの印刷可能最大サイズの半分

ブックレットの機能を使って中綴じ冊子を作る手順は、通常の印刷手順とほとんど変わりません。

ただし使用するプリンターの用紙サイズに注意が必要です。印刷した用紙を半分に折り真ん中で綴るため、作れるサイズは最大印刷可能サイズの半分までです、例えばA4の中綴じ冊子をつくるにはA3の両面プリントが可能なプリンターが必要になります。

caution

一般的なA4のプリンターでは半分のA5サイズの中綴じ冊子までしかつくることはできませんので注意が必要です。

InDesignのブックレット印刷は通常の印刷の手順で

先ずは「ファイル」→「ブックレットのプリント」を選択します。

ダイアログのぷるダウンメニューでは、様々な中綴じの他、無線綴じや3面付け等様々な製本形式を選べますが、今回は中綴じ冊子をつくるため「中綴じ」を選択します。

プリンターの設定が必要な場合は「プリントの設定」からそれぞれのプリンターの設定ダイアログを開き設定します。

設定が完了したら「OK」をクリックしプリントを行います。

プリンターに製本機能がある場合

プリントが終わったら製本を行います。

中綴じ製本機能がついているプリンターの場合は、プリンター内で製本まで行い仕上がった状態で出力されますが、お手持ちのプリンターに中綴じ機能がない場合は、手作業で製本を行う事になります。

中綴じが難しい場合はホチキスを使わず二つ折りのページを重ねたスクラム製本(新聞製本)での仕上げもおすすめです。

InDesignを使いこなして冊子を作ろう!

複数ページのレイアウトを得意するInDesignですが、その分雑誌やパンフレットなど本格的な商業印刷に対応するために専門的な表記も多くなり、Illustrator等と比べ敷居が高い感じがします。InDesignの機能はかなり奥が深く今回の記事の中ご紹介できたのもInDesignでの冊子の作り方のほんの一部です。

しかし使い方を深く覚える事で簡単に確実に、そして綺麗なレイアウトをつくることができるようになっていきます。

今回の記事をきっかけに、様々な場面で必要となる複数ページのデザインにInDesignを活用し2歩も3歩も先の冊子作りに挑戦してみてください。