複数ページのレイアウトデザインを行う際には欠かせないインデザインですが、ページデザインなどを進めていく上で、長方形などの図形や配置した写真に、角丸などの加工を加えたい場合も多いのではではないでしょうか。
InDesignで角丸の長方形を作成する場合
InDesingで角丸の長方形を作る基本は長方形ツールから
InDesignにはIllustratorのように、角丸の長方形をつくるための「角丸長方形ツール」はありません。はじめに普通の長方形を作り、その後で角丸に加工するといった手順で角丸の長方形を作ります。
先ずは、ツールパネルから長方形ツールを選び、ページ上の任意の場所に長方形を作ります。
次にサイズやレイアウト位置などを調整します。(角丸を作ったあとでも調整は可能ですので、おおよそでも大丈夫です)
角の形状とサイズの設定はコーナーオプションで
角丸を作りたい長方形を選択した状態で【オブジェクト→コーナーオプション】を選択します。
コーナーオプションダイアログが表示されるので、次に各項目の設定を行います。
先ず、コーナーの形状を設定します。
今回は一般的な角丸を作るので、プルダウンメニューから「角丸(外側)」を選択します。
次に角丸の大きさを入力します。
この際ダイアログ左下にある「プレビュー」にチェックを入れておくと、加工後の角丸のサイズを、実際に確認しながら作業することができます。
プレビューで作りたい角丸が確認できたら「OK」をクリックして、角丸の加工は完了です。
設定通り角丸の長方形ができていることを確認します。
InDesignのコントロールパネルを使いこなして角丸を簡単に作成
InDesignのワークスペース上部にあるコントロールパネルを使うことで、角丸の長方形を簡単に作ることができます。
先ずはドキュメント上に角丸を作るための長方形を作成します。
作成した長方形を選択した状態で、コントロールパネル右上部にあるコーナー形状のプルダウンメニューから「角丸(外側)」を選びます。
プルダウンメニューの上にある、ボックスに任意の角丸サイズを入力して完成です。
もう一つ便利な使い方として、コントロールパネルを使うことでIllustratorの角丸長方形ツールのように使用することもできます。
先ずツールパネルで「長方形ツール」を選択します。
コントロールパネルのプルダウンメニューから「角丸(外側)」を選択します。
そして次に作りたい角丸のサイズを入力します。
通常の長方形を作ると同じようにドキュメント上でクリック後、作りたい長方形のサイズを入力すると、設定した大きさの角丸で長方形が出来上がります。
ドキュメント上で、任意の大きさにドラッグすることで、角丸の長方形を作ることもできます。
InDesignで画像を角丸にする場合
InDesignに配置された画像の角丸も基本は図形と同じ
Adobe InDesignでは、ドキュメント上に配置された画像も、図形と同じように簡単に角丸にすることができます。
先ずは、角丸を作りたい画像を配置します。
画像を選択した状態で、【オブジェクト→コーナーオプション】を選択します。
表示された、コーナーオプションダイアログの各項目を設定します。
先ずは、コーナーの形状を選択します。
プルダウンメニューから「角丸(外側)」を選択します。
次に角丸の大きさを入力します。
ダイアログの右下の「プレビュー」にチェックを入れておくと、実際の角丸のサイズを確認しながら角丸の大きさを決めることができます。
画像への角丸作りはプレビューができるコントロールパネルが便利
InDesignで画像に角丸を作る場合も図形のときと同じように、ダイアログではなくコントロールパネルを使用して角丸を作ることができます。
画像を確認しながら、角丸のサイズを確認できるので必要な部分が欠けるといったトラブルを防ぐことができます。
コントロールパネルを使い、画像に角丸を作る場合も図形のときと同じ手順で行います。
作業中に詳細を設定するため、コーナーオプションダイアログを表示する必要がでてきた場合は、コントロールパネルのコーナーアイコンを「option(alt)押しながらクリック」することでコーナーオプションダイアログを表示できます。
コーナーオプションでコーナー毎にサイズの違う角丸長方形を作成
InDesignで角丸を作る際、Illustratorなどには無い優れた機能があります。
それは、コーナー毎にサイズを変えられる機能です。特に画像を重ねて表示するようなレイアウトデザインをする際には便利な機能です。
先ずは、角丸を作りたい(または設定済み)の長方形を選択し【オブジェクト→コーナーオプション】でコーナーオプションダイアログを開きます。
4つのコーナーに対する設定の真ん中にあるリンクボタンのチェックを外します。
これで、コーナー毎に違うサイズの角丸を設定できるようになります。
任意の数値を入れ「OK」をクリックします。
コーナー毎にサイズの違う角丸の長方形ができたことを確認します。
角丸以外の形状も簡単に作れるInDesignのコーナーオプション
InDesignのコーナーオプションには、角丸以外の形状も用意されています。
用意されているコーナーの形状は、角丸のほか「飾り」「面取り」など全部で5種類。コーナーサイズと同じように、各コーナー別にそれぞれ別の形状に設定することもできます。
角丸と同じく、図形、写真どちらにでも設定可能です。デザインのバリエーションを簡単に増やすことができ、とても便利な機能です。
InDesignをバージョンアップした際の注意点
CS3以前のデータのバージョンアップには注意が必要
InDesignのCS4からの有名な現象で、データをバージョンアップした際に、角丸のサイズが変わってしまうというバグがあります。
これは、CS3以前のバージョンで作成したInDesignのデータをCS4以降へバージョンアップした際、長方形などに設定した角丸が大きく変更されてしまうといった現象です。設定したサイズによっては、ひと目でわかるほど大きく変わってしまう場合があり注意が必要です。
InDesignで作った角丸が正確でないといった問題はCC2020で解消
InDesignにはリリース当初から、角丸が正確に描画できないといった問題がありました。
これは、角丸の丸い部分が正確な円の4等分でなく歪んでいるため、4つの角の部分をつなげても正丸にならず、正確な図形等と重ねると微妙にズレてしまうといった問題です。正確な角丸の長方形が必要な場合、Illustratorなどで正確な角丸を作り配置するなどの手間が必要でした。
この問題は、InDesignCC2020から解消されており、InDesignCC2020以降のバージョンで作成された角丸ついては正確に表示されるようになっています。
InDesignできれいな角丸を作成しよう!
Adobe InDesignには文字のレイアウトだけではなく、図形や画像をレイアウトする際にも役立つ、便利で強力な機能が多く存在します。
角丸をきれいに作るための「コーナーオプション機能」もその一つです。
このコーナーオプションには、IllustratorやPhotoshopにはない、レイアウトデザインに特化した便利で注目すべき機能が搭載されています。今回の記事を参考にしていただき、ぜひInDesignできれいな角丸作りに挑戦してみてください。