【InDesign基本講座】マスターページとは?使い方を超簡単に解説します!

  

Adobe InDesign(インデザイン)は、Adobe Phothoshop、Adobe Illusratorに並びAdobeのデザインソフトとして使われています。特にInDesignは、冊子やカタログなど複数ページの印刷物を得意としているデザインツールです。

  

操作感などはほかのAdobeソフトに近いのですが、InDesignの特徴ともいうべき機能が「マスターページ機能」です。今回はそのマスターページについて、その作成方法と注意点まで解説します。

  

※2021年10月のアップデートにより「マスターページ」は日本語でのUIにおいて「親ページ」と置き換えられました。

InDesignのマスターページとは?

  

まずInDesignのマスターページとはどういったものなのか、どんなシーンで使うと良いのかを解説します。

  

InDesignのマスターページ①|マスターページとは

  

InDesignのマスターページは、複数のページに同じレイアウトを適用できるようにする機能です。パワーポイントのスライドマスターを利用したことのある方はイメージがつきやすいかもしれません。

  

複数ページに同じデザインを配置する場合、何か修正が発生したときに、すべてのページを一枚一枚修正し直すのは大変ですよね。それを解決してくれるのがマスターページという機能です。

  

InDesignのマスターページ②|使用目的と活用方法

  

では、どんな時にマスターページを使用すると便利でしょうか?

マスターページは、ロゴやページ番号(ノンブル)、ヘッダー、フッダーなど全ページに同じ配置をしたいときはもちろん、複数のマスターページを制作することができるため、第一章はこのデザイン、第二章は別のデザインという時にも使用できます。

  

ロゴやページ数のようなパーツだけでなく、空のテキストフレームやグラフィックフレームを配置することもできるので、複数ページにわたって同じレイアウトを適用させることができます。 

  

point

マスターページで制作したレイアウトは、マスターページに変更を加えるだけで、適応したすべてのページに反映されます。

  

InDesignのマスターページの使い方

  

それでは、どのようにマスターページを作成、編集、適用するか順を追ってご説明します。

  

マスターページを作成する

  

マスターページを制作するには、まずInDesign起動後、新規ファイルもしくは既存ファイルを立ち上げます。

  

  

立ち上がったら、ページボタンをクリックしましょう。

  

  

ページボタンが表示されていない場合には、メニューバーの「ウィンドウ」→「ページ」にチェックを入れることで「ページ」が表示されます。

  

  

「ページ」をクリックすると、上記のような表示になり、最初はAと書かれたページが選択されています。この状態で、「A-マスター」をダブルクリックします。

  

  

見開きの表示に変わり「A-マスター」と書かれたページが青く変わると、マスターページの編集が行える状態です。

  

マスターページを編集する

  

では実際にマスターページを編集していきましょう。基本的にマスターページの編集は、通常のドキュメントページと変わりません。レイヤーも使用可能です。本文はページごとに変わるので、基本的にマスターページはワイヤーでレイアウトを作っていきます。

  

ページ番号(ノンブル)の挿入

マスターページの基本となるのがページ番号の挿入です。

  

  

まずはページ番号を入れたい箇所にテキストでフレームを作ります。 

  

  

作成したテキストフレームが選択された状態で、「書式」→「特殊文字の挿入」→「マーカー」→「現在のページ番号」を選択。テキストフレームに「A」と表示されますが、これがページ数を表す特殊文字です。

フォントやサイズなどは通常と同じように変更可能です。

  

  

左ページにページ番号の配置ができたらそのまま、右ページにもコピーを配置しておくと簡単です。この時段落を「小口揃え」にしておくと、左右対称になって綺麗です。

  

マスターページの編集

  

  

同じレイアウトのページを作りたい場合は、文字ツール長方形フレームツールなどを使ってフレームを組んでいきます。

  

  

マスターページを何種類か作りたい場合には、マスターページが選択された状態で、下部の「ページを挿入」ボタンを押すと新規のマスターページが追加できます。

  

マスターページを適用する

  

マスターページの編集が完了したら、マスターページをドキュメントページへ適用させましょう。ドキュメントページへの適用はとても簡単です。

  

  

ページウィンドウ上で、適用させたいマスターページをドキュメントにドラッグ&ドロップするだけ。

適用を取りやめたいときは、マスターページの上にある[なし]をドラッグ&ドロップすると白紙ページを適用させることができます。

  

InDesignでマスターページを使う際の注意点

  

同じレイアウトのページが続く冊子などを制作する際に便利なマスターページ機能ですが、いくつか注意点もあります。InDesignでマスターページを使う際の注意点を解説します。

  

マスターアイテムのオーバーライド(上書き編集)

  

基本的にマスターページの仕様上、ドキュメントページでマスターページのオブジェクトを変更することはできません。

  

そのため、レイアウトはそのままで、文言を変更したり、マスターページで組んだテキストフレームを利用したりするためには「オーバーライド(上書き)」が必要になります。

  

「オーバーライド」をするには、Macの場合はCommand+Shift、Windowsの場合はCtrl+Shiftを押しながら、オーバーライドしたいオブジェクトをクリックします。

  

オーバーライド後のマスター変更

  

オーバーライドで変更を加えた部分について、オーバーライド後にマスターページに変更を加えてもマスターページの変更は反映されません。ただし、変更を加えなかった部分については、引き続きマスターに変更を加えると更新されます。

  

例えば、文字の変更をオーバーライドで加えた後、マスターページで同じ個所の文字を変更、位置の移動を行った場合、文字の変更は更新されませんが、位置の変更は反映されます。

  

マスターアイテムから完全に分離する

  

マスターに変更を加えると、マスターページを適用している全ページが変更されるのは便利な機能の反面、マスターと同じように変更したくないという場合も出てくるかと思います。その場合は、ドキュメントページをマスターページから分離させる必要があります。

  

  

親アイテムから分離をするには、分離させたいアイテムを選び、ページパネルから「マスターページ」→「選択部分をマスターから分離」を選択することでマスターから分離することが可能です。

  

caution

分離をしてしまった後は、完全にマスターページとの連動性がなくなるのでご注意ください。

  

マスターページを再適用する

  

オーバーライドをした後に、マスターページを再適用する場合には、オーバーライドの削除を行います。

  

  

オーバーライドを削除するには、戻したいオブジェクトを選択し、ページパネルから「マスターページ」→「指定されたローカルオーバーライドを削除」を選択します。

  

point

すべてのオーバーライドを削除したい場合には、オブジェクトが何も選択されていない状態で、ページパネルから「マスターページ」→「すべてのローカルオーバーライドを削除」を選択することで、すべて削除できます。

  

InDesignでマスターページを活用しよう!

  

複数ページの冊子やカタログを制作する際、InDeignのマスターページ(親ページ)機能を使いこなせるととても便利です。今まで1ページ1ページIllustrator等でデザインをされていた方は、ぜひInDesignのマスターページを活用して、効率的な作業をマスターしましょう!