Photoshopの選択範囲は非常に便利なツールであり、Photoshopの作業効率を劇的に上げてくれます。しかし、細かな描写や境目が曖昧な画像は思い通りに範囲が選択されないこともあるでしょう。
うまく選択範囲が選択できないからと言って諦める必要はありません。選択範囲の調整をすれば選択範囲の拡大・縮小・追加・解除なども簡単に行えるようになるのです。
この記事ではPhotoshopの選択範囲を調整する方法を分かりやすくまとめました。
Photoshopで選択範囲を拡大・縮小する方法
Photoshopで選択範囲を作成した後に、選択範囲自体の位置を移動したい・サイズを調整したいと思った時、いつも通り[移動ツール]や[自由変形ツール]は使用できません。
この画像を参考にしてみましょう。画像にある黄色い色のスパイスを[楕円形選択ツール]で選択しました。⬇︎
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選択範囲作成後に[移動ツール]を使用すると、選択範囲のみを移動したいと考えていても、画像も一緒に動いてしまいます⬇︎
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同様に[自由変形]を使って選択範囲自体のサイズや角度を変更しようとしても、上手くいきません。⬇︎
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Photohopの選択範囲を調整する方法①|選択範囲を解除せずに移動する
選択後の選択範囲を移動することは実はとても簡単で、メニューバーの[選択範囲]-[選択範囲を変形]を選ぶだけです。⬇︎
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選択範囲の周りにボックスが現れました。⬇︎
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このままドラッグをすれば選択範囲を解除せずに、形を保存したまま選択範囲が移動できます。⬇︎
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Photohopの選択範囲を調整する方法②|選択後に選択範囲を拡大・縮小
先ほど紹介した[選択範囲を変形]を利用すれば、選択範囲の移動と同様に選択範囲のサイズ変更や角度変更も可能です。
[選択範囲]-[選択範囲を変形]を選び、ボックス角度やサイズを変えてみましょう。⬇︎
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選択範囲の移動で画像も移動してしまう理由
実は選択範囲の移動は[選択範囲を変形]を使用しなくてもできます。
しかし、Photoshop上の他の作業の癖で選択範囲を移動するときに[移動ツール]を使用してしまう人が多いため、選択範囲と一緒に画像も移動してしまうのです。
移動のみであれば[移動ツール]ではなく使用した選択ツールを選んでいる状態で、選択範囲内を選んでドラッグすれば可能なのです。⬇︎
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ただし[クリック選択ツール]で作成した選択範囲はこの方法での選択範囲の移動ができませんので、[選択範囲を変形]を利用してください。
Photoshopで選択範囲や境界線を調整する方法
Photoshopに用意されている[選択範囲を変更]を使うと、より細かな選択範囲の調整ができます。ここからは[選択範囲を変更]で可能な代表的な選択範囲の調整方法を紹介しましょう。
[選択範囲を変更]はメニューバーの[選択範囲]の中にあります。⬇︎
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[境界線][滑らかに][拡張][縮小][境界をぼかす]です。
Photoshopの選択範囲を調整:境界線
[選択範囲を変更]の[境界線]を使用すれば、選択範囲の境界線を縁取ることが可能になります。
[選択範囲を変更]の[境界線]を選ぶと、境界線の幅を指定できるので、希望の太さを指定します。⬇︎
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このように選択範囲の周りが指定した太さで縁取られました。⬇︎
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分かりやすいように選択範囲を透明の背景にペーストして保存してみます。⬇︎
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これが[選択範囲を変更]で作成された境界線です。
Photoshopの選択範囲を調整:滑らかに
[選択範囲を変更]の[滑らかに]ではゴツゴツとしてしまった選択範囲を滑らかな状態に変更できます。
この画像の選択範囲を、滑らかにしてみましょう。⬇︎
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[選択範囲を変更]の[滑らかに]を選ぶと、滑らかにする半径の入力画面になります。入力する数値が大きいほど、より滑らかになるということです。
ここでは少し極端ですが、結果が分かりやすいように30pixelを指定しましょう。⬇︎
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このように、選択範囲が滑らかになりました。⬇︎
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Photoshopの選択範囲を調整:拡大・縮小
先ほど紹介した[選択範囲を変形]でも選択範囲を拡大・縮小できますが、[選択範囲を変更]の[拡大・縮小]では直接数値を指定して選択範囲のサイズ変更が可能です。
この画像の選択範囲のサイズを変更してみましょう。⬇︎
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[選択範囲を変更]の[拡大]を選択すると、拡大したいサイズを直接入力できる画面になります。⬇︎
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ここでは選択範囲を30pixel拡大してみましょう。
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⬆︎選択範囲が指定した値の分だけ拡大されました。
Photoshopの選択範囲を調整:境界をぼかす
[選択範囲を変更]の[境界をぼかす]では選択範囲の境界線を指定した数値にぼかすことが可能です。
まずは先ほどまでと同様[選択範囲を変更]の[境界をぼかす]を選び、数値を入力します。数値が大きくなるほどぼかしが強くなりますので、自分の好みの数値を調整してください。
境界をぼかしたものとぼかしてないものを並べて見ると、このような違いがあります。⬇︎
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Photoshopで選択範囲の追加・(一部)削除する方法
Photoshopの選択範囲は境界線が曖昧な画像では選択範囲が思い通りに作成できないことがあります。このような場合には選択範囲に画像の一部を追加・削除を自分でして、調整する必要があるでしょう。
ここからはPhotoshopの選択範囲の追加や削除をしながら調整する方法をお伝えします。
Photoshopで選択範囲を追加する方法
この画像では、2つのオレンジが選択されていますが、もう1つのオレンジも選択範囲の追加を用いて選択範囲に追加してみましょう。⬇︎
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選択ツールを選んだ状態で[Shift]を押し、追加したい箇所をクリックします。
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⬆︎選択範囲が追加されました。
一度で上手くできなくても、追加と削除を繰り返して丁度良い選択範囲をつくりましょう。
Photoshopで他の選択範囲を保存したまま一部を削除する方法
先ほどは選択範囲に希望の範囲を追加いたしましたが、ここからは不要な部分が選択されてしまっている場合の選択範囲を一部削除する方法をお伝えします。
先ほど選択範囲を追加した画像ですが、3つのオレンジの中心にある陰まで選択範囲に含まれてしまいました。この部分を削除してみましょう。⬇︎
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[Option]を押しながら選択範囲から省きたい部分をクリックしましょう。選択範囲の一部が削除されました。⬇︎
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一度の選択で選択範囲の調整がうまくいかない場合は、選択範囲の追加と同様、理想の形になるまで追加と削除を繰り返してください。
選択範囲の追加・一部を削除はメニューバーからも操作できる
[Shift][Option]キーを使用して選択範囲を追加・削除する方法をお伝えしましたが、この方法はツールバーからも選択できます。
[クイック選択ツール]を選び、ツールバーの部分で+マーク・−マークを選択すれば[Shift][Option]キーでの選択範囲の調整と同じことができます。⬇︎
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Photoshopで選択範囲を操れるようになる!
フォトショップで選択範囲をつくるときの微調整の方法をお伝えしました。Photoshopの選択範囲はとても簡単に調整できると感じられたのではないでしょうか?
せっかく用意されている便利なツールである選択範囲を使用しないのでは、Phostoshopを活用できません。
選択範囲の微調整をマスターすれば、今まで以上にスムーズに業務が進められるでしょう。