Photoshopのアルファチャンネルとは?3分でわかる使い方の基本!

今回の記事では、複雑な画像の選択範囲を作成して画像の切り抜きや合成を行う際に便利なPhotoshop(フォトショップ)のアルファチャンネルの使い方についてご紹介します。

一度理解してしまえば、さまざまな場面で役に立つアルファチャンネル。初心者の方でもわかりやすいようにたくさん画像を使用して使い方を説明していますので、記事を見ながら実際に作業してみてください。

Photoshopのアルファチャンネルとは?

Photoshopのアルファチャンネルとは何でしょうか?

最初に、「チャンネルとは何か」を理解しておくとアルファチャンネルが理解しやすくなります。

Photoshopのチャンネルとは

ディスプレイに表示されるカラー画像は基本的に、レッグリーンブルー(RGB)の3原色から構成されています。

3つのそれぞれのチャンネルはグレースケール画像として保存されており、この3つのチャンネルを合わせるとカラーの画像が表示されます。

Photoshopのアルファチャンネルとは

アルファチャンネルとは、Photoshopで画像に追加されたチャンネルのことで、元から定義されている3原色以外のチャンネルのことです。

選択範囲や透明度をグレースケール画像のアルファチャンネルとして保存することができ、ペイントツールなどを使って後から編集することもできます。

Photoshopのアルファチャンネルでできること

Photoshopのアルファチャンネルを使うことで、複雑な画像の選択範囲を作成することができます。また、作成した選択範囲を保存したり、編集することも可能です。

アルファチャンネルを上手に使いこなせるようになると、Photoshopで高度な合成が行えるようになります。

Photoshopで複雑な選択範囲を作成して画像を切り抜ける


「選択範囲を作成して画像を切り抜くためにPhotoshopの使い方を覚えたい」という方は多いと思います。

複雑な選択範囲の作成は、画像を合成したり、不要なものを削除する際に必須の作業になりますが、初心者の方には少し複雑に感じられるかもしれません。

そこでアルファチャンネルを使うことで、複雑な選択範囲の作成や画像の切り抜きが可能になります。

作成した選択範囲を保存できる


Photoshopで作成した選択範囲をアルファチャンネルとして保存することができます。

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選択範囲はレイヤーマスクを作成するためだけではなく、作業範囲や効果を一定範囲に限定するためなどにも使用するため、アルファチャンネルに選択範囲を保存しておくと非常に便利です。

保存した選択範囲を編集できる


一度作成した選択範囲をアルファチャンネルとして保存しておくと、あとで編集することができます。

また、新たに作成した選択範囲をそれ以前に作成したアルファチャンネルに追加したり、共通範囲のみを保存したりすることもできます。

Photoshopのアルファチャンネルの使い方

ここから、Photoshopのアルファチャンネルの使い方を具体的にご紹介します。Photoshopのアルファチャンネルを利用して、実際に選択範囲を作成して新しい背景と合成してみましょう。

アルファチャンネルは、画像の切り抜きや不要なものを削除するのに非常に便利です。今回は元々あるRGBのカラーチャンネルのひとつを複製し、そのアルファチャンネルを元に2枚の画像を合成して、空の部分を差し替えていきましょう。

ステップ1:Photoshopで切り抜きたい画像のチャンネルを確認する

まず最初に、切り抜きたい画像をPhotoshopで開きます。チャンネルパネルのウィンドウを開き、「RGB」と「レッド」「グリーン」「ブルー」のチャンネルが表示されていることを確認しましょう。

もし、チャンネルパネルが見つからない場合は「ウィンドウ」→「チャンネル」を選択します。RGB以外のチャンネルが表示されている場合は「イメージ」→「モード」→「RGBカラー」を選択します。

「レッド」「グリーン」「ブルー」それぞれのチャンネルをクリックして、どのように表示されるかを確認しましょう。⬇︎

白に近い色で表示されているほどその色が濃いということを意味しており、逆に黒に近い色で表示されているほどその色が薄いということを意味しています。

今回の場合は、「ブルー」チャンネルを見てみると、木の部分が黒に近い色、空の部分が白に近い色で表示されていてコントラストが高いことがわかります。

ステップ2:チャンネルからアルファチャンネルを作成する

もっともコントラストが高かった「ブルー」チャンネルを右クリックすると表示される、「チャンネルを複製…」をクリックしてアルファチャンネルを作成します。⬇︎

ステップ3:レベル補正してコントラストを高める

さらに、アルファチャンネルを選択した上で、「イメージ」→「色調補正」→「レベル補正」(Command+L)を選択し、コントラストがより高くなるように調整します。⬇︎

ステップ4:ブラシツールを使って不要な部分を削除する

この時点ではまだ、木の部分は完全な黒ではないですし、空の部分は完全な白ではありません。

黒を完全な黒、白を完全な白にするために、ブラシツールを使用します。白くしたい部分は白のブラシを、黒くしたい部分は黒のブラシを使用し、ブラシツールのブレンドモードを「オーバーレイ」にして画像を塗りつぶしていきます。

caution
このときに、境界の部分を塗りつぶしてしまうと、自然な切り抜きができなくなってしまうので気をつけましょう。

木の部分をブラシツールで作業したら、下の残りの部分は「なげなわツール」を使用し、適当に選択して黒く塗りつぶします。⬇︎

ステップ5:マスクを作成して背景を合成する

「command」を押した状態で「ブルー のコピー」チャンネルをクリックすると選択範囲が作成できます。⬇︎

チャンネルパネルの「RGB」をクリックして、通常の画像表示の状態に戻し、「選択範囲」→「選択範囲を反転」(Command+Shift+I)で選択範囲を反転します。⬇︎

マスクしたい画像を選択した状態で「レイヤー」→「レイヤーマスク」→「選択範囲をマスク」を選択し、レイヤーマスクを作成します。⬇︎

これで空の部分が透明になりました。

さらに背景に合成したい画像を配置し、マスクした画像の下にレイヤーを移動します。⬇︎

これで背景を合成することができました。

2つの画像の色味が違う場合は「イメージ」→「色調補正」→「トーンカーブ」(Command+M)「色相・彩度」(Command+U)から色調を調整し、元画像と合成した背景がより自然になるように仕上げましょう。⬇︎

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保存したアルファチャンネルはいつでも編集できるので、切り抜きがうまくできなかった場合は、納得いくまで何度でも修正することができます。

Photoshopのアルファチャンネルを使いこなそう!

今回はPhotoshopのアルファチャンネルを使用して、画像を合成する方法をご紹介しました。

選択範囲を作成し、画像を切り抜いたり、不要な部分を削除するのに便利なアルファチャンネル。

ぜひ、使い方をしっかりと覚えて、さまざまな合成に挑戦してみましょう!