InDesign(インデザイン)で行う作業は、作業量が多かったり同じことの繰り返しだと大変ですよね。
そんな時はスクリプトの出番です。スクリプトを利用することで自動化できるようになったりと、作業効率を上げることができます。
InDesignでのスクリプトの使い方 | 追加
InDesignでスクリプトの追加①|スクリプトパネルを開く
今回は、例として法規書籍印刷株式会社様のホームページで公開されているスクリプトを例にさせていただき、説明を行っていきます。
まずは、当ホームページから「モノルビをまとめて編集する」をクリックしてスクリプトが入ったzipファイルをダウンロードします。
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Copyright (c) 2017 法規書籍印刷株式会社
ダウンロードしたスクリプトは、ダウンロードしただけではInDesignで使うことができず、指定のフォルダにファイルを移動させる必要があります。
まずはInDesignを開いて、上部のメニューバーから「ウィンドウ」→「ユーティリティ」→「スクリプト」を選択します。
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InDesignでスクリプトの追加②|スクリプトを指定フォルダに移動する
スクリプトパネルを開いたら、右上のメニューをクリック、または「ユーザー」を右クリックします。
すると、「エクスプローラーで表示」(Macの場合は「finderで表示」)という項目が出てきますので、それをクリックします。
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スクリプトの保存場所となっているフォルダが表示されますので、ダウンロードしたスクリプトのファイルを表示されたフォルダに移動させます。
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InDesignでスクリプトの追加③|スクリプトが使えるか確認
スクリプトパネルを開くと、先ほど移動したスクリプトが追加されていることが確認され、使用できるようになっています。
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実際にダブルクリックしてスクリプトを起動すると、ルビの設定画面が現れますので、説明書に従ってルビを入力します。すると指定通りにルビをつけることができ、問題なくスクリプトが実行できていることが確認できます。
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InDesignでのスクリプトの使い方 | 編集
InDesignに最初から搭載されているスクリプトや、ダウンロードしたInDesign用のスクリプトはそのまま使いやすいように作られているものばかりですが、自分の使い方により合ったものに編集することもできます。
InDesignでのスクリプトの編集①|Adobe ExtendScript Toolkit CCをインストール
InDesignでスクリプトの編集を行う場合には、Adobe ExtendScript Toolkit CC(ESTK)というAdobeのアプリを使います。
InDesignのスクリプトパネルを開き、適当なスクリプトを選んで右クリック、またはメニューバーをクリックして「スクリプトを編集」をクリックします。
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すると、直接的な表示は出てきませんが、PC内を検索するとインストールされていることが確認できます。
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このESTKを起動すると、スクリプトを編集できるようになります。
InDesignでのスクリプトの編集②|InDesignと連携したESTKの使い方
続いてESTKの使い方について説明していきます。
ESTKを起動すると以下のような画面が出てきます。
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この画面に編集したいInDesignのスクリプトを表示させて実際に編集していくため、その準備を行っていきます。
画面右側にある「スクリプト」から「Adobe InDesign 2021」を選択します。
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先ほどInDesignの方で表示したスクリプトパネルと同じような構成の画面に切り替わりますので、「ユーザー」→「Scripts Panel」→「モノルビをまとめて編集する.jsx」の順にダブルクリックすると、ソースコードと呼ばれるスクリプトの中身が表示されます。
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この状態になっていれば、スクリプトを編集できる状態です。
InDesignでのスクリプトの編集③|スクリプトを書き換える
今回は例として、パネルの表示を「設定」から別の文字にしていきます。
ルビを入れる際に表示されるパネルは、画像の真ん中にある4行のコードで作られ、その機能設定が下に続いています。
そのため、「設定」と書かれている箇所を別の文字に書き換えて保存すれば、パネルの文字だけ変えることができます。
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文字を変えたらメニューバーから「ファイル」→「保存」とクリックすれば書き換えたものが反映されます。
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実際にスクリプトを起動してみると、スクリプトが編集されて、パネル上の文字が変わっていることが確認できます。
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InDesignでのスクリプトの編集④|ESTKが使用できない
Windowsでは現在問題なく利用できるESTKですが、macOS Catalina(10.15)以降のバージョンでは対応しておらず使用できない問題があります。
macOS Catalina以降で編集を行いたい場合は、Visual Studio Codeをインストールして、ExtendScript Extensionをインストールする必要があります。
・問題
macOS 10.14 以前のバージョンで、InDesign のスクリプトパネル(ウィンドウ/ユーティリティ/スクリプト)でスクリプトを編集すると、ExtendScript Toolkit が表示されます。このツールキットは 32 ビットアプリケーションです。macOS 10.15(Catalina)は 64 ビットアプリケーションのみをサポートするため、ExtendScript Toolkit は起動しません。
・解決策
ExtendScript Toolkit は ExtendScript Debugger 1.1.0 に代わりました。
macOS 10.15 以降で JavaScript の編集またはデバッグを行うには:
/Applications フォルダーに Visual Studio Code をダウンロードしてインストールします。
Visual Studio Code アプリケーションの Extensions にある ExtendScript Extension(ESTK)をインストールします。
https://helpx.adobe.com/jp/indesign/kb/indesign-and-macos-catalina.html
InDesignで使えるスクリプト配布サイト
InDesign用のスクリプトを配布している法人サイト
・法規書籍印刷株式会社
今回使用したスクリプト以外にも多数InDesign用のスクリプトが配布されています。
・タクトシステム
https://www.tactsystem.co.jp/applescript/script_list.html
InDesignやIllustratorなど様々なソフト向けにスクリプトが掲載されています。一部有料で配布されているものもあります。
InDesign用のスクリプトを配布している個人サイト
・shock the blog
https://cat.adodtp.com/category/dtp/indesign-script
各種スクリプトに加え、使用上のトラブルについても解説してくれています。
・車車車く本牛勿 -Rollin’ Real-
http://ajabon.catfood.jp/?cat=5
スクリプトについて画像付きで解説してくれており、使い方が非常にわかりやすい形で公開されています。
・インデとかイラレとか(ぼんぷろぐ)
文字列に関する作業用のスクリプトを中心に掲載されています。
作業を自動化してくれるスクリプトの配布サイト
・OPEN SPACE
http://www.openspc2.org/book/InDesignCC/
プログラムの書き方から各種作業を自動化してくれるサンプルスクリプトまで掲載されています。
・InDesign Hacking with JavaScript
InDesignだけでなくIllustratorやPhotosopで使えるものも置かれているなど、非常に数多くのサンプルスクリプトが配布されています。
・ShowTime + one
PDFの書き出しなどドキュメントに関する自動化用のスクリプトが掲載されています。
InDesignでスクリプトを使いこなそう!
今回はInDesignでスクリプトを追加・編集する方法について解説しました。
スクリプトは、プログラミングに慣れていないと難しく感じてしまうかもしれませんが、作業効率を上げるには非常に役立ちます。
スクリプトを使いこなせるようになって、InDesignをさらに便利に使えるようにしましょう。