『三脚』は、ビデオカメラを使用する人にとって必需品とも言えるアイテムです。映像のブレを抑え、カメラを滑らかに動かすことができる優れモノで、テレビや映画など、プロの現場でもお馴染みです。
しかし、ビデオカメラ用の三脚が欲しくても、「どんなものがあるの?」「値段によって違いはあるの?」といった疑問を抱く人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ビデオカメラ用三脚の選び方について解説し、おすすめ15選を予算別にご紹介いたします!
ビデオカメラ用三脚の選び方は?
ビデオカメラ用の三脚は、さまざまなメーカーから多種多様なモデルが発売されているため、何を基準に選ぶべきか悩んでしまう人もいると思います。
ここでは、ビデオカメラ用三脚を選ぶ際にチェックすべきポイントについて解説していきます。
【ポイント①】耐荷重をチェック
ビデオカメラ用の三脚を選ぶ際に、まずチェックしておきたいポイントが『耐荷重』です。
カメラやマイクなど、使用する機材の重量に耐えられない三脚を購入すると、ぐらついて映像が不安定になったり、最悪の場合は脚が変形してしまうなんてことも考えられます。
最近はビデオカメラや機材の軽量化が進み、三脚の強度も増してはいるものの、支えられる重量はモデルによってまちまちです。三脚を購入する前には必ず『耐荷重』をチェックし、最低でも使用する機材重量の2~3倍程度までは耐えられる三脚を選ぶと良いでしょう。
【ポイント②】素材と段数を知り、持ち運びやすさをチェック
ビデオカメラ用三脚の持ち運びやすさをチェックする際には、三脚の『素材』と『段数』について知っておく必要があります。
まずは『素材』ですが、ビデオカメラ用の三脚は、アルミ製とカーボン製のものが現在の主流となっています。どちらも軽い素材ではありますが、その特徴には違いがあります。
丈夫で軽いうえに振動減衰にも優れており、安定感のある撮影ができるため、カメラ上級者からも人気があります。それ故、値段が高いのが少し残念な点です。
カーボン製よりも2~3割ほど重いとはいえ、充分な軽さがあり、なんと言っても圧倒的に安価なのが魅力的です。ただ、カーボンに比べると振動が伝わりやすいのが難点と言えます。
次に『段数』についてですが、ビデオカメラ用の三脚は、一般的に3段と4段のものがあり、コンパクトに折りたためて持ち運びやすいのは段数が多い4段の三脚になります。しかし、3段の三脚は脚が太く重い分、撮影時の安定性は4段の三脚よりも優れています。
このように、単純に軽さや持ち運びやすさだけを重視して三脚を選ぶと、安定性に欠けて満足のいく撮影ができない可能性もあるので注意が必要です。ビデオカメラ用の三脚は、持ち運びやすさと安定性のバランスを考えて検討することをおすすめします。
【ポイント③】高さをチェック
自分の用途や目的に合わせて三脚の高さをチェックすることも失敗しない選び方の1つです。
ビデオカメラ用三脚の高さは、「〇〇cm~〇〇〇cm」のように、幅のあるサイズ表示がされており、脚を伸ばしきった1番高い状態を『最高全高』、脚を縮め開脚角度を広げた1番低い状態のことを『最低全高』と言います。
お子さんの運動会や風景などを長時間撮影したい人は、『最高全高』が目線の高さに近いものほど身体への負担を減らすことができます。反対に、ローアングルで映像を撮りたい人は、『最低全高』に注目して三脚を選ぶと良いでしょう。
【ポイント④】雲台のタイプをチェック
『雲台』とは、カメラの方向や傾きを調節してくれる三脚のヘッド部分にあるパーツのことを指します。雲台のタイプは『2WAY雲台』『3WAY雲台』『自由雲台』の3つに分けられており、自分の用途や好みに合わせて選ぶ必要があります。
水平と垂直の2軸可動ができる、一般的な動画撮影には最適なタイプと言えます。
2WAYに傾きまで可動域を加えたものです。水平・垂直・傾きが固定できる汎用性の高さが売りで、こだわりの映像が撮影できます。
ボール式雲台とも呼ばれ、台座にあるボールが全方向に動くことでその名の通り自由度の高い調節ができ、小型で持ち運びやすいのが特徴です。
一方で、水平の固定には弱く、細かい構図取りには向いてないところが難点です。
雲台の中には、パンハンドルが付いてるものや、油圧でカメラを滑らかに動かす『オイルフリュード機構』が付いてるものなど、ビデオカメラでの撮影に最適な機能を有したものもあります。ビデオカメラ用の三脚を購入する際は、雲台のタイプを必ずチェックしましょう。
【予算〜5千】ビデオカメラ用の三脚おすすめ4選
それでは、おすすめのビデオカメラ用三脚を予算別にご紹介していきます。
予算が5千円以内の三脚は、安定性や滑らかさにはやや難があるものの、持ち運びやすいモデルが多く、当然ながら映像のクオリティは上げられるので、動画撮影初心者の方が三脚デビューするには最適な製品が揃っていると言えます。
【予算~5千】おすすめ①|HAKUBA HK-836
日本において三脚のトップシェアを誇るハクバ写真産業のアルミ製お手頃モデルです。
最高全高が165cmと高く、重さも1.3kgと軽量です。ビデオカメラの撮影に適した3WAYクイックシュー雲台が付いているのが大きな特徴です。
安心の国内メーカーで価格が3千円代なのも嬉しいポイントです。
【予算~5千】おすすめ②|KING A-173EV
老舗商社である浅沼商会の写真映像用ブランドKINGのお手頃モデル。
カメラ・ビデオカメラの兼用設計になっているため、ビデオカメラ専用の雲台が付いた三脚に比べると滑らかさはやや劣りますが、ベーシックな造りで軽量コンパクトなため、入門用の三脚としておすすめです。
【予算~5千】おすすめ③|Kenko ZF-400WSH
カメラ・ビデオカメラ兼用に加え、スマホホルダーが付属しているベーシックな三脚です。
3WAY雲台で自由度の高いアングル調整ができます。ギア式のエレベーターで高さの微調整ができるなど、初心者の方にも扱いやすいモデルとなっています。
【予算~5千】おすすめ④|VANGUARD VK 203APM
30年以上の歴史があり国際的にも評価の高いVANGUARD(バンガード)のコンパクトな三脚です。3
WAY雲台を搭載しており、手ブレを抑えつつアングルの微調整ができます。また、コンパクトかつスタイリッシュなデザインを売りとしており、女性にもおすすめの三脚です。
【予算5千〜1万】ビデオカメラ用の三脚おすすめ4選
予算を少し上げれば、高機能な三脚も増えてきます。ここからは、まだまだ初心者の方でも手の出しやすい予算5千〜1万の三脚をご紹介していきます。
【予算5千~1万】おすすめ①|Velbon EX-447
国内有数の三脚ブランドVelbon(ベルボン)のファミリー向け三脚。
サイズは軽量コンパクトながら、特殊グリスを採用したオイルフリュード機構でビデオカメラを滑らかに動かせます。価格はリーズナブルですが、スマホホルダーやリモコンも付いており、コスパに優れた三脚と言えます。
【予算5千~1万】おすすめ②|Manfrotto MKCOMPACTACN
イタリアの人気ブランド、Manfrotto(マンフロット)の軽量モデル。
カメラ・ビデオカメラ兼用の雲台は、人間工学に基づいて設計されたジョイスティック型のハンドルが付いており、直感的に操作できるのが特徴です。イタリア製らしくデザインがスタイリッシュなのも魅力的です。
【予算5千~1万】おすすめ③|SLIK GX-m6400 LE
機能性と軽量化を追求した国内メーカーSLIK(スリック)のファミリーモデルです。
クイックシューと呼ばれるパーツを採用しているため、カメラの取り外しも簡単にできます。クイックシューにはスマホホルダーが標準搭載されており、スマホでの動画撮影でも活躍できます。
【予算5千~1万】おすすめ④|SLIK GX-m7500
こちらもSLIKのファミリー向け三脚GXシリーズのモデルですが、GX-m6400よりも最高全高が20cmほど高く、やや大型なタイプです。
それでも5段式の脚でコンパクトに折りたためるため、持ち運びやすさは充分です。もちろん、ビデオカメラ用雲台で滑らかにカメラを動かせます。
【予算1万〜2万】ビデオカメラ用の三脚おすすめ4選
予算1万~2万の三脚は、高機能でコストパフォーマンスの高いモデルが多く揃っています。
【予算1万~2万】おすすめ①|Manfrotto MK290LTA3-V
Manfrottoらしい洗練されたデザインの軽量でコンパクトな4段式アルミ製三脚です。
ヘッドはビデオフルード雲台を搭載しているため、滑らかな操作を実現しています。また、カメラを前後にスライドできるスライディングプレートが付属しているのも大きな特徴です。
【予算1万~2万】おすすめ②|Panasonic VW-CT45
日本屈指の家電メーカーPanasonicのビデオカメラ用三脚。
持ち運びやすい4段式の三脚でありながら、耐荷重は3kgもあるタフ仕様で、安定性にも定評があります。パンハンドル付き雲台はワンタッチで取り外し可能なので、カメラの装着も楽々です。
【予算1万~2万】おすすめ③|Velbon EX-647
最高全高が173cmもあるVelbonのファミリー向けモデルです。
ファミリー三脚でありながら雲台が取り外し可能となっており、クイックシュー搭載でカメラの取り外しも簡単。ビデオカメラの撮影に最適なオイルフリュード機構も搭載しており、運動会などの撮影にはおすすめの三脚です。
【予算1万~2万】おすすめ④|JOBY JB01562-BWW
アメリカに本社のあるJOBY(ジョビー)が開発したゴリラポッドという名の革新的な三脚です。プロ用フルードビデオヘッドで滑らかな撮影ができます。
なんと言っても、自由自在に動かせる脚部が特徴的で、脚を木やポールに巻き付けて固定することも可能です。サイズは一般的な三脚より遥かに小さめですが、自由度は群を抜いて高いです。
【予算2万〜】ビデオカメラ用の三脚おすすめ3選
それでは最後に、機能性・安定性ともに優れた予算2万円以上のおすすめ三脚をご紹介します。
【予算2万~】おすすめ①|Libec TH-X
国産ビデオ三脚ブランドLibec(リーベック)のカメラ・ビデオカメラ兼用モデルです。
ポール三脚とフラットベース三脚の両方に取り付け可能なデュアルヘッドが特徴的で、滑らかでブレの少ない安定性、水平の取りやすさなどの機能性から、プロからの支持も高い三脚です。
【予算2万~】おすすめ②|Manfrotto MVKBFRTC-LIVE
Manfrottoのカーボン製ビデオカメラ用三脚。トラベル向きの軽量コンパクトかつ頑丈なボディと、イタリアらしいお洒落なデザイン、ビデオフルード雲台やレベリング機構が充実しているのが特徴です。
さらには、3段階に調節できる開脚角度セレクターで低いアングルからでも安定した撮影が可能なのも魅力的な三脚です。
【予算2万~】おすすめ③|SONY VCT-VPR1
日本が誇る世界的家電メーカーSONYのビデオカメラ用三脚です。
SONYのビデオカメラをお持ちで三脚選びに迷っている方は、SONY純正の三脚が特におすすめです。リモコンでカメラを操作できるうえ、クイックシューや水平器、3WAYオイルフリュード雲台などを搭載している高性能な三脚です。
ビデオカメラ用の三脚を使用して動画を撮影しよう!
ビデオカメラ用の三脚を使用すれば、間違いなく映像のクオリティは向上し、撮影の幅も広がります。
今回ご紹介した選び方やオススメ製品を参考に、自分に合ったビデオカメラ用三脚を使用して素敵な動画を撮影しましょう!