動画編集ソフトEDIUS(エディウス)。
映像制作に関心がある人なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
今回は、そのEDIUSについて価格や評判を紹介、さらに他の動画編集ソフトと比較してみました。
EDIUSとは?
日本生まれのノンリニアビデオ編集ソフト
EDIUSは、神戸に本社を置くグラスバレー株式会社(旧トムソン・カノープス社)が開発・販売を行っている日本生まれのノンリニアビデオ編集ソフトです。
日本生まれという利点を活かし、日本語編集に特化し、手厚く迅速なサポートや、独特なGUIに定評があります。
※ノンリニア編集とリニア編集…リニア編集とは、「テープ to テープの編集方式」です。
ビデオテープに直線状に並んだ映像を順番にコピーをしていくことになるため、「直線的」=リニア編集と呼ばれています。
2003年にバージョン1が発売されて以降、バージョンアップを重ね、現在では国内外、様々な映像制作の現場で活用されています。
一方、ノンリニア編集とは、「ランダムアクセスが可能な非直線的編集方式」のことです。
VTRの順番通りでなく、編集したい箇所を自由に追加・削除・修正・並び替えが可能で、どこからでも出来ることから、「非直線的」=ノンリニア編集と呼ばれています。
現在は放送局や一部の制作現場以外は、ほとんどノンリニア編集が行われています。
どんな現場で使用されている?
EDIUSはAdobe Systems(アドビシステムズ)社のPremiere Pro(プレミアプロ)と並び、動画編集ソフトとして広く利用されています。
主に、放送局やブライダル関連の映像制作会社などで使用されています。
Windows専用の動画編集ソフト
多機能で高性能、評判の高いEDIUSですが、利用者層が限定される理由の一つに、Windows専用の動画編集ソフトということが挙げられます。
Final Cut ProがMacユーザー限定のソフトと同じように、EDIUSもWindowsでしか動作しないので注意が必要です。
永続ライセンス型がメイン
サブスクリプション型の動画編集ソフトが多いなか、EDIUSは一貫して買い切りの永続ライセンスをメインとして提供してきました。
最新のEDIUS Xではサブスクリプション型も用意されていますが、通常版(永続ライセンス型)に比べると、含まれていないプラグインやツールがあり、機能が制限されてしまうようです。
EDIUSの評判は?
EDIUSの評判は?|軽快な動画編集作業が可能
制作現場でEDIUSが選ばれる理由の一つは、編集作業の軽快さです。
通常、4KやHD、SDなどの解像度やフレームレートの異なるビデオは編集マシンに応じた変換作業が必要になってきますが、EDIUSの場合は様々なフォーマットを変換なしでネイティブに編集することができ、変換やレンダリングなどに関わる時間を最大限短縮できます。
さらに書き出しにかかる時間も比較的早いのが特徴です。
撮って出しなどの現場が多い、ブライダル系の映像制作や放送局の報道の現場ではこの軽快さが重宝します。
EDIUSの評判は?|ソフト単体でオーサリングが可能
EDIUSはソフト単体でDVD/Blu-ray Discオーサリングが可能です。
最新のEDIUS X Proは、従来より高速にエンコードできるようになり、リサンプリング方式を採用することで高画質なDVD制作もできるようになりました。
コンテンツ管理に対応したアプリケーション「Mync」により、素材管理〜エンコード、さらにDVD/Blu-ray Discオーサリングまでをワンパッケージで完結できます。
EDIUSはどのような人におすすめ?
それでは、EDIUSはどんな人に向いているでしょうか?
Windowsユーザー
まずは、対応しているOSの問題があります。使用するPCがWindowsであることが大前提です。
システム要件は公式サイトを参考にしてみてください。
Blu-rayやDVDを作成したい!
編集した動画をBlu-rayやDVDとして書き出したい人にもおすすめです。形のあるものとして誰かにプレゼントしたい、チャプターメニューもつけてディスクとして納品したいという目的に対応できるソフトです。
例としては、撮影してすぐに編集、DVDへのエンコードまで行うウェディグのエンドロールムービーがあります。
永続ライセンスが良い!
EDIUSは買い切り型のライセンスなので、一度購入してしまえば毎月決まった金額を支払い続けなくても良く、永続的に使用することができます。
EDIUSと他の動画編集ソフトの比較
ここでは、これから何の動画編集ソフトを使用するか迷っている方に向けて、EDIUSと他の有料動画編集ソフトを比較してみました。
1〜4までが主にプロフェッショナルな現場で使用されています。
編集ソフト | 価格 | 特徴 | |
1 | EDIUS Pro | 永続ライセンス ¥65,780 サブスクリプション ¥2,200 | Windowsのみで使用可。比較的動作が軽く、Blu-rayやDVD作成も可能なオールマイティソフト。サブスクリプション版は通常版と多少仕様が異なる。 |
2 | Premiere Pro | サブスクリプション通常価格 ¥2,728/月(税込) Creative Cloud¥6,248/月(税込) | WindowsとMac両方で使用でき、アマチュア〜プロまで幅広い層に利用されている。他のAdobe製品との連携に優れ、素材の修正にも対応しやすい。その分、高スペックのPCが必要。 |
3 | Final Cut Pro | 永続ライセンス¥36,800(税込) | iMovieの操作感に近いソフトなので初心者にも使いやすい。Mac OSのみで使用可。 |
4 | AVID Media Composer | 永続ライセンス ¥236,000(税抜) 1年間のサブスクリプション、月払い ¥2,800 (税抜) | プロ向けの編集ソフトで映画制作や放送局などで使用されている。チュートリアル動画はほとんどが英語。 |
5 | PowerDirector | PowerDirector ¥8,480/年 Director Suite 365 ¥15,980/年 | サイバーリンクが提供する動画編集ソフト。WindowsとMac両方で使用可。iStockやshutterstockなどの写真素材も使用できる。動画・写真・音声・色編集を統合したDirector Suite 365はWindowsのみ。 |
6 | Filmore | 永続ライセンス ¥9,980(税込) | Windows、Mac両方で使用可。シンプルな動画編集ソフト。 |
EDIUSと他の動画編集ソフト比較|ライセンス価格
ライセンス価格という点では、サブスクリプション型が始めやすいでしょう。
EDIUSの場合、初めて使用する際にはまとまった金額が必要になります。
その点、サブスクリプションであれば、試しに1年だけ使用してみる、ということも可能です。
EDIUSと他の動画編集ソフト比較|他のソフトとの連携
EDIUSはソフト単体でエンコードやDVD作成まで行えるオールインワンパッケージです。
しかし、動画編集ではビジュアルエフェクトを作成するAfter Effectsや、写真加工・イラスト素材の作成にPhotoshopやIllustratorといったAdobe製品を使用することも多くあります。
Premiere Proはそれらとの連携に特化しています。読み込んだ素材を修正する際には即座に反映できることも利点です。
EDIUSと他の動画編集ソフト比較|チュートリアル動画
これから編集ソフトの使い方を学んでいく時に参考にするチュートリアル。
EDIUSの場合は、公式サイトに上がっているチュートリアル動画、オンラインマニュアル、YouTube動画などがありますが、動画の数はそれほど多くはありません。
EDIUS Pro X オンラインマニュアル
https://wwwapps.grassvalley.com/manuals/edius_pro_10_manual_jp/#gsc.tab=0
AVIDの場合も公式サイトにチュートリアル動画は公開されていますが、ほとんどが英語での解説となっています。
AVID チュートリアル動画
Premiere Proの場合は、チュートリアル動画の数が豊富で日本語の解説も多いのが特徴です。
Windows・Mac両方で使用可能、相互間のプロジェクトのやり取りもしやすいうえ、幅広い層が利用しており、ユーザー数が最も多いというのも理由の一つでしょう。
Adobe Premiere Pro の概要
https://helpx.adobe.com/jp/premiere-pro/using/basic-workflow.html
EDIUSと他の動画編集ソフト比較|プラグイン・テンプレート
次に、プラグインやテンプレートについて比較してみます。
EDIUS プラグイン
https://flashbackj.com/edius-pro-plugin
AVID Media Composer プラグイン
https://www.avid.com/ja/media-composer/plugins
それぞれ公式サイトからの購入、もしくは公式サイトで紹介しているサードパーティ製のプラグインを購入する流れです。
一方、Premiere Proはサードパーティ製プラグインが豊富で、さまざまなサイトから購入することができます。
テンプレートが豊富なのも特徴です。
初心者からプロまでカバーするPremiere Proがおすすめ!
EDIUSは多機能・高性能な編集ソフトである一方、Windowsのみでの作業となり、Macとの互換性がありません。異なるOS間でプロジェクトを同時に進めていくようなチーム編集には向かないソフトです。
また、これから初めて動画編集をしようとする時に、買い切り型は敷居が高く感じます。
まずはそれぞれのソフトの無料トライアルを試してみることをおすすめします。その後、サブスクリプション型で短期間だけ試してみても良いかもしれません。
PowerDirectorとFilmoreは他の編集ソフトよりも安価ですが、シンプルな編集と画像加工や写真素材の無料ダウンロードなど独自のパッケージになっており、SNS動画などの編集に向いていると思います。目的が合えば使用してみるのも良いでしょう。
EDIUS以外のソフトも体験してみよう!
動画編集ソフトEDIUSについて紹介しました。
他の動画編集ソフトと比較しながら、はじめは無料体験版でどれが自分に合っているか試してみてはいかがでしょうか。