一般的に、画像編集ソフトといえば、皆さんもご存知の「Photoshop」です。
しかし、近年ではPhotoshop以外にもさまざまな種類の画像編集ソフトが登場しており、その一つが今回紹介するGIMPです。今回は、GIMPでできることや使い方、Photoshopとの違いについて解説していきます。
GIMPとはどんなソフト?
GIMPは画像編集ソフトの一つです。まずはGIMPの特徴について詳しくみていきましょう!
GIMPとは
GIMPとは、GNU GPLというフリーソフトウェア財団が配布している画像編集や写真加工用のソフトウェアです。
1996年に提供が開始され20年以上も多くのユーザーから利用されているため、安全性も申し分ありません。
GIMPの大きな特徴の一つが、無料で使える点です。画像編集ソフトはAdobe社が提供している有料ソフトのPhotoshopが有名ですが、「有料のソフトをいきなり使うのは不安…」という人の多くが無料ソフトのGIMPを代わりに使用しています。
GIMPで使える画像編集の便利な機能
GIMPは無料ソフトですが、以下の画像編集機能を使うことができます。
このように、基本的な画像編集機能はPhotoshopと同じくらい使うことができます。詳しい機能やそれぞれの使い方は、後ほど紹介します。
GIMPが選ばれる理由
GIMPが選ばれる大きな理由の一つが、無料ソフトにもかかわらず有料と同じようなさまざまな機能を使える点です。
Photoshopをはじめ多くの画像編集ソフトがサブスクリプションタイプや買い切りタイプの有料ソフトですが、GIMPはどの機能でも制限なしに無料で使えます。
保存や書き出しも可能なので、画像編集のコストを削減したい人にはGIMPは非常におすすめのソフトだと言えます。
GIMPの基本的な使い方
ここからは、魅力いっぱいのGIMPの基本的な使い方について解説していきます。
GIMPのダウンロード方法
まずは、GIMPをダウンロードしていきます。GIMPの公式ホームページにアクセスし、「Download 2.10.34」のボタンをクリックしましょう。↓
ダウンロードページに切り替わると、GNU/Linux・macOS・Microsoft Windowsを選べるボタンがあるので、該当のものを選んでオレンジの「directly」と書かれた方のボタンを押します。
macOSの場合は、Appleシリコン搭載かIntelプロセッサ搭載かでクリックするボタンが異なるため気をつけましょう。↓
ダウンロードが完了したら、通常のソフトと同じようにインストール処理をして完了です。
GIMPの画面の見方
GIMPのさまざまな機能を使うためには、操作画面の使い方を把握しましょう。操作画面は、大きく4つのパーツに分かれています。↓
①ツールボックス:画像編集のための便利な機能ボタンが並ぶ
②ツールオプション:①で選択した機能の設定画面が表示される
③ウィンドウ:編集中の画像が表示される
④ドック:ツールオプションや作業履歴を操作できる
①のツールボックスのアイコンは、上にカーソルを数秒おくと説明が表示されるので初めての人でも安心です。
これら4つのパーツを使いこなすことで、さまざまな画像編集を行うことができます。
GIMPで画像ファイルを開く方法
トリミングや文字入れ、写真加工など既存の画像を修正する場合は、GIMPで画像ファイルを開いてから操作を始めます。
まずはGIMPを開き、画面上部のメニューバーから[ファイル]→[開く/インポート]をクリックしましょう。↓
左にあるファイルから該当のものを選び、好きな画像を選んで右下の[開く]ボタンをクリックします。↓
上記の操作だけで、簡単に目的の画像を開くことができます。↓
GIMPで新しい画像を作る方法
イラストやGIFアニメなどを作成する場合は、新しくキャンバスを作りましょう。GIMPを起動させ、画面上部のメニューバーから[ファイル]→[新しい画像]をクリックします。↓
好きなキャンバスサイズを選び、[OK]を押すと白いキャンバスが開きます。↓
上にあるテンプレートのタブを開くと、30種類以上の固定サイズから選ぶことも可能です。↓
GIMPで画像を保存する方法
画像編集が完成したら、保存を行います。
GIMPには、オリジナルのxcfファイルとして保存する方法と画像として保存する方法の2種類の保存方法があります。作業中の画像を一旦保蔵する場合はxcfファイル、完成した画像を保存する場合はJPEGやGIF形式で保存しましょう。
xcfファイルで保存する場合は、画面上部のメニューバーから[ファイル]→[保存]をクリックするだけで簡単に保存できます。↓
左のファイルから保存先を選び、[名前をつけて保存]ボタンをクリックします。↓
JPEGやGIF形式で保存する場合は、画面上部のメニューバーから[ファイル]→[エクスポート]を選択します。↓
左のファイルから保存先を選び、下の「ファイル形式の選択」をクリックして該当のファイル形式を選びましょう。↓
細かい設定を決めたら、該当の形式でファイルが保存できます。
GIMPでできること・方法【便利な機能紹介】
GIMPでできることは上記で紹介しましたが、ここからはよく使われる便利な機能とその使い方について見ていきましょう。GIMPの画像編集でよく使われる機能には、以下の5つが挙げられます。↓
GIMPでできること・使い方①|画像の切り抜き
GIMPでできることでよく使われる機能の一つが、画像の一部を切り抜くことです。↓
写真に不要なものが写っていたり背景を消したりしたい場合に、画像の切り抜きは効果的です。
GIMPには、不要なものを選択するためのさまざまな方法がありますが、今回はオーソドックスな「自由選択ツール」を使った画像の切り抜き方を紹介します。まずは該当の画像を開き、左のツールボックスから「自由選択ツール」を選びましょう。
カーソルが投げ縄の形になったら、切り抜きたいものに合わせてマウスをクリックしながら囲んでいきます。↓
すべて選択できたら、画面上部のメニューバーから[編集]→[消去]を選ぶだけで、対象物を切り取ることができます。↓
GIMPでできること・使い方②|写真加工
GIMPを使うと、写真の色味や明るさ、トーンを変える写真加工をすることも可能です。画像全体を加工するのはもちろん、画像の一部だけを加工することもできます。↓
画像全体の色味を加工したい場合は、画面上部のメニューバーから[色]を開くとさまざまなメニューが表示されます。
たとえば彩度を下げてモノクロ風に加工する場合は、[色]→[彩度]を選び、表示されたウィンドウの[Scale]を下げるとモノクロのような仕上がりになります。↓
画像の一部を加工したい場合は、加工したい部分を選択した後に写真加工を行いましょう。
選択方法はさまざまありますが、先ほども紹介した定番の「自由選択ツール」を使います。左のツールボックスから「自由選択ツール」を選び、加工したい対象物をマウスでクリックしながら囲みます。↓
その状態で画面上部のメニューバーから[色]を選び、好きな加工方法を選択しましょう。
今回は[カラーバランス]を選択し、パソコンの画面の中を赤っぽく加工しました。↓
GIMPでできること・使い方③|文字入れ
SNSのサムネイルやブログのアイキャッチに欠かせない文字入れは、GIMPでも簡単に行うことができます。↓
文字を入れたい画像を開き、左のツールボックスから「テキスト」ツールをクリックしましょう。↓
その状態で画像の上にマスクを動かし、クリックすると文字を打ち込むことができます。↓
左下のツールオプションで、画像のサイズやフォントを変えることも可能です。↓
GIMPでできること・使い方④|モザイク処理
GIMPのできることの一つには、写真の一部にモザイク処理加工をすることも挙げられます。
画像を開き、モザイクをかけたい部分を選択しましょう。
その状態で、画面上部のメニューバーから[フィルター]→[ぼかし]→[モザイク処理]を選択します。
詳細ウィンドウが出てくるので、[Block width]と[Block height]の数値を変更させ好みのモザイクの形にしましょう。
GIMPでできること・使い方⑤|イラスト作成
GIMPは既存の画像編集だけでなく、ゼロから簡単なイラストなどを作ることも可能です。
左のツールボックスから「ブラシで描画」ツールを選ぶと、好きなイラストを自由に描くことができます。↓
ブラシ以外にも鉛筆やエアブラシなどさまざまなツールがあるので、好きなものを選んでイラストを作りましょう。
GIMPとPhotoshopの違いは?
GIMPは無料で使える高クオリティの画像編集ソフトですが、画像編集ソフトと聞くとPhotoshopを思い浮かべる人の方が多いのではないでしょうか。ここからは、GIMPとPhotoshopの違いについて解説していきます。どちらの画像編集ソフトを使うべきかお悩みの人は、ぜひ参考にしてください。
Photoshopとは
Photoshopとは、全世界1.5億人以上のユーザーが使用する代表的な画像編集ソフトです。
写真加工やデザイン作成、イラスト作成や画像合成などさまざまな機能が使え、プロアマ問わずほとんどのクリエイターが所有しているソフトだと言っても過言ではありません。
PhotoshopはIllustratorやLightroomなどクリエイターには欠かせないソフトを提供しているAdobe社が提供しており、Adobeのコンプリートプランを契約するとPhotoshop以外のさまざまなソフトを使うことができます。ソフト同士の互換性もあるので、画像編集だけでなく動画編集や本格的なデザインをする人にもおすすめです。
GIMPとPhotoshopの比較①|画像編集機能
画像編集ソフトの比較に重要なのは、機能が充実しているかどうかです。
GIMPは無料ソフトにもかかわらず基本的な画像編集機能は網羅しており、有料のPhotoshopにも劣りません。画像編集に関する便利な機能は、GIMPもPhotoshopも変わらないと言えます。
しかし、画像の仕上がりのきれいさを比較するとPhotoshopに軍配が上がります。Photoshopは元のデータを上書きしないで編集する非破壊編集に秀でており、さまざまな加工を施した複雑な画像編集の場合はPhotoshopを使う方が安全です。
GIMPとPhotoshopの比較②|サポート体制
GIMPとはフリーソフトウェア財団が提供しているソフトのため、有志のプログラマーやボランティアによってサポートされています。一方Photoshopは世界でも有数の企業であるAdobe社が提供しているソフトのため、Adobe専属のサポートを受けられるのが特徴です。
さらにPhotoshopはユーザー数が多いため、使い方などの疑問点がインターネットですぐ解決できる魅力もあります。Adobe公式のサポートコミュニティもあるので、サポート体制はPhotoshopの方が優れていると言えます。
GIMPとPhotoshopの比較③|使いやすさ
GIMPとPhotoshopを比べると、使いやすさはPhotoshopの勝利です。
GIMPは高性能なぶん、操作画面が複雑で初心者には使いにくいといった意見が多くあります。Photoshopも機能面はGIMPと変わりませんが、Photoshopは操作性が直感的でシンプルなため初心者でも簡単に使うことができます。
さらに、GIMPは保存の際の拡張子が2つあるのも使いにくい原因の一つです。操作にストレスを感じず画像編集をしたい人は、Photoshopがおすすめだと言えます。
GIMPとPhotoshopの比較④|コスト
Photoshopはサブスクリプションタイプの有料ソフトであり、Photoshopのみの単体プランの場合それぞれの期間の金額は以下のとおりです。↓
一方GIMPは永久に無料で使えるソフトのため、コスト面だけで比較するならGIMPに軍配が上がります。↓
Photoshopにも7日間の無料体験版があるため、まずはどちらも無料の状態で試してみて比べてみるのがおすすめです。
GIMPとPhotoshopの比較⑤|柔軟性
GIMPの大きなデメリットの一つが、紙の印刷で必要なCMYKに対応していないことです。
印刷物などの製作で画像編集が必要な場合は、GIMPではなくPhotoshopを利用しましょう。
さらに、GIMPはスマホやタブレットのモバイル版で使うことができません。Photoshopにはモバイルアプリが提供されているため、外出先などでも画像編集ができます。そのため、柔軟性はGIMPよりもPhotoshopが優れていると言えます。
GIMPで画像編集を始めよう
GIMPとは、無料で使える画像編集ソフトです。
基本的な画像編集の便利な機能が揃っており、画像の切り抜きや写真加工などたくさんのできることがあります。今回は基本的な使い方を紹介しているので、この記事を参考にさまざまな使い方を試してみましょう。
画像編集ソフトはPhotoshopが有名ですが、Photoshopは有料ソフトなので無料体験中に比較してみるのがおすすめです。