Illustratorでパスを結合する方法!できない時の対処法も解説します

Illustrator(イラストレーター)でパスを結合する方法について解説します。一括でできる結合法についても紹介しています。

パスの結合において重要な概念である「オープンパス」「クローズパス」の概念を理解した上で、パスを結合する方法を見ていきましょう。また、通常の操作でパスを結合できない場合に、マニュアル操作でパスを連結する方法などについても解説していきます。

Illustratorの「オープンパス」「クローズパス」とは?

まずIllustratorにおけるパスの状態「オープンパス」「クローズパス」について簡単に把握しておきましょう。

「オープンパス」とはパスが結合されていない状態

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Illustratorにおける「オープンパス」とは、パスが閉じず、オープンになっている状態を指します。つまり、線が繋がっておらず、途中で空いている状態のことです。

「オープンパス」の例としては、線が繋がっていない円や四角形などの図形のほかにも、直線など「線」も始点と終点が繋がっていないという意味で「オープンパス」という扱いになります。

「クローズパス」とはパスが結合されている図形

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オープンパスに対して「クローズパス」とは、パス(線)が途中で途切れることなくすべて繋がっている(クローズ)状態を指します。こちらが正常な図形の状態です。

長方形ツールなどで図形を配置した場合などは基本的にクローズパスの状態ですが、図形ツールを使用せずにペンツールなどで図形を手書きで描いた場合に、パスが閉じられていない図形ができてしまう場合があります。

Illustratorでパスを結合する方法!

早速、Illustratorでパスを結合する手順について見ていきましょう。

Illustratorでパスを結合する手順①|連結されていないパスを確認

まず図形のどの部分のパスが繋がっていないか確認しましょう。

円と四角形で仕上がりに違いが出るため、今回は「長方形」「円」の2つの場合に分けてパスの連結を行っていきます。

Illustratorでパスを結合する手順②|パスを連結する

まず、パスが繋がっていない図形をクリックして選択した状態で、Illustrator画面上のメニューバーより「オブジェクト」→「パス」→「連結」と進みます。

これでパスが連結の完了です。

パスの結合をよく使用する場合はショートカットキーを活用しましょう。
図形を選択した状態で、

  • Windowsの場合はCtrl + Jキー
  • MacOSの場合はCommand + Jキー

でパスを結合することができます。

また、別の方法として、「連結ツール」を使用してパスを連結する方法もあります。

Illustrator画面左のツールバーより「連結ツール」を選択しましょう。ツールバーに連結ツールが見当たらない場合は、「shaperツール」に折りたたまれて見えなくなっているので、shaperツールを右クリックして展開メニューを開き、連結ツールを選択しましょう。

連結ツールを選択した状態で、繋がっていないパスをドラッグするだけで、離れたパスを連結することが可能です。

Illustratorでパスを結合する手順③|連結したパスを整える

四角形や多角形などの直線部分の場合は問題なくパスが連結しますが、円などの曲線部分のパスを連結した場合、綺麗な円に戻らない場合があります。

「ダイレクト選択ツール」「ハンドル付きのパス」「アンカーポイントをドラッグ」

パスから左右に派生している線で繋がったパスのようなものを「ハンドル」といい、このポイントをドラッグすることでも曲線のRを調節できます。

アンカーポイントについて詳しく説明している記事はこちらです。

【初心者向け】Illustratorのアンカーポイントの移動・追加方法!

Illustratorでパスを結合する手順④|パスの連結を確認

パスが連結できたら、完全にパスが閉じられたかどうか確認しましょう。

Illustrator画面上のメニューバーより「ウィンドウ」→「ドキュメント情報」と進むと、ドキュメント情報パネルが表示されます。

次に、ドキュメント情報パネル内の右上からメニューを開き、「オブジェクト」にチェックを入れましょう。

この状態で、パスが閉じたか確認したい図形を選択すると、ドキュメント情報パネル内の「パス」の項目に情報が表示されます。

まだオープンパスが残っている場合は「1オープンパス」などと表記されるので、目視で確認するよりも確実かつ手軽に確認することが可能です。「0オープンパス」と表示されていればパスは閉じられています。

オープンパスが完全に閉じられたことが確認できたら、パスの結合作業の完了です。

 Illustratorでパスを一括で結合する方法はある?

Illustratorでは、ひとつの図形に含まれる複数のオープンパスを2回のステップで結合することができます。

その2回のステップも、ショートカットキーを活用すると一瞬で完了するのでその方法を紹介します。ちなみに、複数の図形に渡るオープンパスを一括で結合することはできません。

ひとつの図形の複数のオープンパスを2ステップでつなげる方法

ひとつの図形に2つ以上の離れたパスがある場合、図形が分割された状態となります。

この状態で全てのパーツを同時選択し、パスの結合を行います。

  • Windowsの場合はCtrl + Jキー
  • MacOSの場合はCommand + Jキー

を2回続けて押しましょう。

ショートカットキーを変更している場合は、Illustrator画面上のメニューバーより「オブジェクト」→「パス」→「連結」と進む作業を2回続けて行って下さい。

2回同じ操作をする理由は、1回だけでは一番最後のパスが閉じられない仕様ため、2回続けて行うことでパスを完全に閉じることができるからです。

複数の図形のオープンパスを一括でつなげる方法はない

Illusratorでは、複数の図形の意図したパス同士を一括で繋げる方法はありません。というのも、ユーザーが結合したいパスと結合したくないパスをIllustrator側が判断できないからです。

なので画像を複数選択してパスの結合を行うと、意図しないパス同士が結合されてしまう事になります。

下の図では茎と葉の部分が繋がっていないオープンパスの状態ですが、すべての図形を選択してパスの連結を行った場合、意図しないような繋がり方となってしまいます。

なのでパスを結合したい図形が複数ある場合は、ひとつずつパスを繋いでいくようにしましょう。

Illustratorでパスを結合できない時の原因と対処法は?

Illustratorでパスの結合ができない場合の原因と、その対処法について見ていきましょう。

結合できないケース①|意図しないパスまで選択している

パスを連結したい図形をクリックして選択したり、ドラッグによる範囲選択というかたちで図形を選択した場合に、意図しないパスまで選択していることがあります。

意図しないパスとは、拡大するとほぼ同じ場所にパスが重なり合ったように存在している場合などです。そういった場合は「ダイレクト選択ツール」を使用して、連結させたいパス2つを直接指定して連結することで解決できます。

Illustrator画面左のツールバーより「ダイレクト選択ツール」を選択し、パスを接続したい図形をクリックして全てのパスを表示させましょう。

次に、繋ぎたいパスのうち1つ目をクリック、2つ目をShiftキーを押しながらクリックして同時選択し、右クリックから「連結」を選択します。この方法で、いわゆるマニュアル操作で特定のパス同士を接続することが可能です。

結合できないケース②|長方形を「連結ツール」でパス連結しようとしている

Illustratorでは、なぜか長方形に対して「パスの連結」ツールを使用してパスを繋げようとしても反映されない仕様となっています。

この場合、長方形を一旦回転させて角度を付けた状態にすると連結ツールが効くようになるので、回転させてパスを連結した後に、もう一度角度を戻すという工程を踏むことでパスを連結することができます。

しかし「オブジェクト」→「パス」→「連結」で繋いだ方が早いでしょう。

結合できないケース③|アンカーポイントがグループ化されている

アンカーポイントがグループ化されて重なってしまているケースもよくあるパターンの一つです。

グループ化されているオブジェクトを選択して「右クリック」「グループ解除」
ダイレクト選択ツールで結合させたいアンカーポイントだけを選択してからパス結合を行いましょう。

結合できないケース④|連結したいパスが複合パスになっている

パスが「複合パス」になっている場合も「連結ツール」は使えません。

右クリックで複合パスを解除してから、パスを連結しましょう。

結合できないケース⑤|連結したいパスに複雑な情報が含まれている

連結したいパスを含むオブジェクトに「効果」「マスク」などが適用されている場合もうまくパスを結合することができません。

パスの結合はオブジェクトにアピアランス情報を加える前に済ませておきましょう!

Illustratorでパス結合する方法をマスターしよう!

今回はイラストレーター(イラレ)でオープンパスを結合してクローズパス化する方法について紹介しました。

イラストレーターでは、クローズパスに対してしか行えない操作などもあり、意図しないオープンパスは思わぬトラブルを招くこともあります。

ペンツールを使用した場合などは、今回紹介した確認方法でオープンパス状態のオブジェクトがないか確認するよう心がけましょう。