Illustratorでは印刷するときの領域をアートボードと呼びます。CS4から複数のアートボードを設定できるようになりました。このアートボード、Photoshopにも用意されています。
Photoshopのアートボードの追加方法
アートボードの追加方法1|アートボードの新規作成
Photoshopのアートボードは、レイヤーパネルから作成します。まずアートボードとして使いたい画像を開きます。
レイヤーパネルを開いて、オプションメニューから[アートボードを新規作成]を選択します。画像のカンバスサイズでアートボードが作成されます。
メニューバーの一番上には移動ツールが置かれていますが、ここを開くとサブメニューからアートボードツールを選択できます。アートボードツールで任意の位置をドラッグすると、新しくアートボード[アートボード 2]が追加されます。
アートボードの追加方法2|レイヤーから作成
画像内に複数のレイヤーがある場合、レイヤーを選択して、アートボードを作成することができます。レイヤーパネルでアートボードにしたいレイヤーを選択し、オプションメニューから[レイヤーからアートボード]を選択します。
レイヤー内画像のサイズでアートボードが作成されます。すでにアートボードか作成されているときは、新しいアートボードが追加されます。
アートボードの追加方法3|アートボードの複製
Photoshopで作成したアートボードはそのままのサイズで複製することができます。複製の方法は二つ。
一つはアートボードツールにして、アートボードを選択します。アートボードのテキストをクリックするか、レイヤーから複製したいアートボードを選択します。アートボードの天地左右にまる囲みの[+]が表示されます。このマークをクリックすると、マークのある方向にアートボードが複製されます。
この方法では簡単にアートボードを追加できますが、アートボードのみが複製されて、レイヤー内の画像は複製されません。
レイヤー内の画像のみを複製するには、まる囲みの[+]マークをクリックするとき、OptionキーもしくはAltキーを押しながらクリックします。アートボード内のレイヤー画像も含めてアートボードが複製されます。
またアートボードを選択して、オプションメニューから[アートボードの複製]を選択すると、レイヤーも含めてアートボードが追加されます。
photoshopのアートボードでできること
アートボードでできること1|マルチデバイス
理由の一つとして、同じ素材から複数のレイアウトを作成することが挙げられます。
Illustratorのマルチプルアートボードは、同じ素材を使用する印刷物—フライヤー、ハガキ、名刺など一つのファイルに集約するためのものでした。Photoshopでも同じように同じ素材の画像でデザイン・レイアウトするためのものがアートボードです。
一つのデザインを、複数のデバイスの画像サイズに合わせて調整するのです。スマホでもタブレットでも、最適化したデザインを再現するために、一つのPhotoshopのファイルにサイズの異なるデザインを揃えることが可能です。つまりマルチデバイスのためのアートボード機能です。
もちろん解像度を上げれば、印刷用にも利用できます。基本的には複数のデバイス用の画像を作成するための機能でしょう。
◆[アートボードをプリセットに設定]を開く
アートボードでできること2|バリエーション
アートボードのもう一つ便利なところは、複数のデザインバリエーションをフォトショップの一つのファイル内で処理できることです。
たとえばプレゼンテーションでウェブサイトのバナーを三つ提案するとします。バナー内の素材で共通するものもあれば、そうでないものあります。そうしたとき、バナーを三つ並べ一覧して作業ができます。
Photoshopのアートボードの書き出し方法
アードボードの書き出し1|画像書き出し
アートボードを追加したとき、アートボードのみを選択して書き出すことができます。
アートボードを使用して、ファイルメニューから[書き出し—書き出し形式]を選択します。書き出し形式ウインドウの左カラムにアートボードがリストされます。ここで[書き出し]すると、選択したアートボードのみが、画像として書き出されます。
ファイル設定で画像の[形式]を選択して画像フォーマットを選択します。画像内の透明を反映するときは「PNG」を選択してください。なお、[PNGとしてのクイック書き出し]はレイヤーパネルのオプションメニューからもできます。
アードボードの書き出し2|PDF書き出し
ファイルメニューから[書き出し]から[アートボードからPDF]を選択すると、アートボードをPDFとして書き出せます。
特定のアートボードのみをPDFとして書き出したい場合は、まず、レイヤーパネルでアートボードを選択しておきます。次にアートボードからPDFウインドウで[選択したアートボードのみを書き出し]をチェックして書き出します。
複数のアートボードをPDFのページに変換したい場合は、アートボードからPDFウインドウで[複数ページドキュメント]を選択します。レイヤーの上の階層から下の階層の順でページ化されます。
[一つのアートボード当たりのドキュメント]を選択して書き出すと、一つのアートボードが一つのPDFとして書き出されて、アートボードの数だけのPDFファイルが書き出されます。
アードボードの書き出し3|ファイル書き出し
特定のアートボードをそのままPhotoshop形式(PSD)で書き出したい場合はどうすればいいでしょうか。その場合は[アートボードからファイル]を使用します。
まずレイヤーパネルで書き出したいアートボードを選択します。次に、ファイルメニューから[書き出し]から[アートボードからファイル]を選択。ここでファイル形式で「PSD」を選択します。[書き出しオプション]をチェックすると、書き出しの仕様を選択できます。
書き出すファイル形式は、Photoshop形式以外でも可能ですが、Photoshop形式として書き出すには、この機能を使用します。
Photoshopで追加したアートボードの解除方法
アートボードの解除方法1|アートボードを解除
アートボード設定の解除は、レイヤーパネルで行います。まず、レイヤーパネルで解除したいアートボードを選択します。オプションメニューを開き、[アートボードを削除]を選択します。
ここで「アートボードのみ」を選択すると、レイヤーで選択したアートボードの設定のみが削除されてアートボードが解除されます。アートボード内に含まれるレイヤーのデータはそのまま保持されます。
アートボードの解除方法2|アートボードを削除
アートボードを丸ごと削除するには、レイヤーパネルでアートボードを選択し、オプションメニューで[アートボードを削除]を開きます。[アートボードとその内容]を選択します。これで、アートボードに含まれるレイヤーも合わせて削除されます。
もう一つの方法はツールパネルでアートボードツールを選択し、削除したいアートボードを選択する方法です。アートボード名のテキストを選択して、あとはdeleteキーを押すだけです。アートボードそのものが削除されます。
便利なPhotoshopアートボードを使いこなそう!
フォトショップのアートボード機能は、1つのPhotoshopファイルの中で、複数の書き出しをサポートするものです。デザインやレイアウトを1ファイル内で行い、複数の書き出しサイズや異なるデザインを1つのファイル内に集約できます。
デメリットは、ファイルサイズが肥大化することです。しかし使わなかったデータも1つのファイル内にすべてありますから、あとから探すのは簡単。データ管理がスッキリするのが便利なところです。