Photoshop | 画像内の輪郭や境界線をぼかす方法を解説!

画像編集の定番、Adobe Photoshopには、輪郭や境界線をぼかすといった便利な機能があります。

ぼかしをうまく使うことで、見せたいものをより印象的に表現できたり、余計なものを目立たちにくくするなどの表現が簡単にできるようになります。

今回の記事では次の2つのぼかし方について操作画面の画像を用いてご紹介していますので、ぜひご活用ください。

1. 選択範囲の境界線をぼかす方法

2. オブジェクトの輪郭・境界線をぼかす方法

まだPhotoshopを持っていない方は、合わせてこちらもご覧ください。

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Photoshopで選択範囲の境界線をぼかす方法

最初に「境界線をぼかす」機能を使った方法をご紹介します。
こちらの画像のような完成イメージになります。

1|境界線をぼかす選択範囲を指定する

境界線をぼかす方法はいくつかありますが、まず基本的な方法として選択範囲を決めてぼかしを設定する方法を解説します。

はじめに、加工したい写真を用意します。

ツールバー上の「選択ツール」を使用し、レイヤー内の残したい部分を選択します。
(「選択ツール」を左クリックすると長方形選択ツールのほか、楕円形選択ツールなどその他の形状を選択できます。)

次に、メニューから「選択範囲」→「選択範囲を変更」→「境界をぼかす」を選択します。↓

ぼかしの半径を指定するウィンドウが出てくるので、数字を指定して「OK」をクリックすると選択範囲の輪郭がぼかされた状態になります。(ぼかしの半径は数値が大きいほど、ぼかしの範囲が大きくなります)↓

caution

ぼかしを入れた後に追加で選択範囲を加えると、後で追加した部分にはぼかしが入らなかったり、ぼかしのサイズが違ったりと、同じぼかし具合にならない事があるので、後から選択範囲を変更したい場合は注意が必要です。

2|Photoshopのクイックマスクモードでぼかし具合を確認

境界線をぼかし加減は基本的に半径の大きさに比例しますが、同じ数値でも画像全体のサイズなどによってぼかしのイメージに違いが生まれることがあります

そのため、初めのうちは何度も半径の値を変更しながら確認することになってしまうかもしれません。

ここで便利なのがクイックマスクモードです。

「選択範囲」→「クイックマスクモードで編集」と選択すると
画面がクイックマスクモードに変わり選択範囲外がカラーリングされ、ぼかし具合の確認ができます。

初期設定のマスクは赤色ですが、画像の色によって見づらい場合は変更することが可能です。

ツールパレットの「クイックマスクモードで編集」をダブルクリックするとカラーパレットが表示されます。見やすい色に変更しOKをクリックするとマスク部分の色が指定した色に変わり見やすくなります。↓

3|選択範囲から輪郭をぼかした画像のみのレイヤーを作成

好みの強さで境界線をぼかすことができたら選択範囲のみを表示します。

選択範囲を指定した状態でショートカットキーの「コピー&ペースト」をすると選択範囲部分のみの新しいレイヤーが作られます。

レイヤーパネルでコピー元のレイヤーの左側にある目のアイコンをクリックしてレイヤーを「非表示」にすると、選択範囲のみのレイヤーが確認できます。↓

ぼかし具合を設定してから選択することも可能

ぼかしたいイメージに対してどの程度ぼかしたらよいかわかるようになってきたら、はじめからぼかす大きさを決めて選択範囲を設定することで手間を減らすことができます。

「選択ツール」を選択した状態で、オプションバーの「ぼかし」の部分にぼかしたい数値を入力します。

この状態で選択範囲を作成すると選択範囲の境界線に指定した大きさのぼかしが入った状態になります。

また選択範囲の追加などをする場合も、このようにぼかし量をあらかじめ設定した状態で行うことで、同じぼかし量の選択範囲が追加され、ぼかし具合を統一できます。

レイヤーマスクを使うと選択部分の追加・削除が可能

上でご紹介した方法の場合、選択範囲をコピーしたレイヤーは、選択した部分だけで新たなレイヤーをつくるため「選択部分をもう少し増やしたい」等の追加の加工がしたい場合、もう一度範囲選択からやり直す必要があります。

一方、レイヤーの機能である「レイヤーマスク」を使うことで、輪郭をぼかし画像部分の追加や削除が自由に出来るようになります。

こちらの方法でも、まずは輪郭をぼかした選択範囲を指定します。

「レイヤー」→「レイヤーマスク」→「選択範囲外をマスク」と選択すると
選択した範囲以外の場所にマスクがかかり表示されなくなります。↓

マスクの下に元画像が隠れていますので、マスク部分を加工することで輪郭部分を調整することができます。↓

・「マスクから削除」で選択した部分は見えなくなる

・「マスクに追加」で選択した部分は見えるようになる

Photoshopでオブジェクトの輪郭・境界線をぼかす方法

次に「選択ツール」で指定したオブジェクトの輪郭をぼかす方法をご紹介します。

ここでは「選択とマスク」を使う方法と「ぼかしツール」を使う方法について解説していきます。

選択とマスクで輪郭・境界線をぼかす|①オブジェクトを選択する

人やモノなど、輪郭が複雑な画像の境界線をぼかすには、クイック選択ツールを使用します。

ツールバーの「クイック選択ツール」を選択し、選択したい部分の輪郭をクリック&ドラッグします。

オプションツールの「+」ツールと「-」ツールを使い分けることで、選択範囲を調整することができます。

選択とマスクで輪郭・境界線をぼかす|②ぼかしを調整する

輪郭をぼかしたい対象が選択できたらマスクからぼかし設定を調整します。

オプションバーの「選択とマスク」をクリック。

「選択とマスク」のワークスペース上にある属性パネルからぼかしの設定をしていきます。

「グローバル調整」「ぼかし」から数値を変更すると輪郭にぼかしをかけることができます。

ぼかしツールで輪郭・境界線をぼかす|①オブジェクトを選択する

次に「ぼかしツール」を使って境界線をぼかす方法について解説していきます。

「ぼかしツール」を使用する方法は画像を直接加工することになるので、輪郭をぼかしたい対象だけのレイヤーを作ります。

先程までと同様に「クイック選択ツール」を用いてオブジェクトを選択したら、「コピー&ペースト」で選択したオブジェクトのみのレイヤーを作成します。

ぼかしツールで輪郭・境界線をぼかす|②ブラシを設定する

ツールバーから「ぼかしツール」を選択して各種設定を調整します。

ブラシぼかしに使用するブラシの直径や硬さ、種類を設定する。
ブラシ設定先端のシェイプなどブラシについてさらに詳細に設定する。
モード明るさや色相、輝度などを変更する。
強さパーセンテージを調整してぼかしの強さを変更する。
角度丸ブラシ以外で影響があるブラシの角度を調整する。
筆圧ぼかしのかけ具合を筆圧の強さで調整する。(※ペンタブレット使用時反映)

今回は分かりやすいように、[直径:30px]、 [硬さ:100%]、 [ブラシ:ハード円ブラシ]で設定しました。

ぼかしツールで輪郭・境界線をぼかす|③輪郭・境界線をぼかす

ブラシの設定ができたらぼかしたい部分に沿ってブラシでなぞるだけです。
(今回は変化が分かりやすいように背景をつけました。)

【番外編】Photoshopのフィルターで境界線をぼかす

Photoshopにデフォルトで用意されているフィルターを使うことでも画像をぼかすことが可能です。

Photoshopのフィルターで境界線をぼかす|画像全体をぼかす

まずは画像全体をぼかす方法をご紹介します。

メニューの「フィルター」→「ぼかし」から様々な種類のぼかしを選択出来ます。
今回は一般的な「ぼかし(ガウス)」を選択します。

選択した「ぼかし(ガウス)」の設定ウィンドウでぼかし具合を調整します。

選択範囲のぼかしと同じように、数値が大きくなるほどぼかし効果は大きくなります。

プレビューにチェックを入れると、実際の画像でぼかしの状態をチェック出来ます。プレビュー機能を使って、ガウス以外の様々なぼかしをチェックする事も出来ます。

部分的にぼかしを入れたい場合は選択範囲で指定

画像全体でなく部分的にフィルターをかけたい場合は、選択範囲でぼかしたい部分を選択します。

選択した状態で、全体をぼかす場合と同様に「フィルター」→「ぼかし」→「ぼかし(ガウス)」と選択します。

すると、選択範囲内だけにぼかしフィルターがかかります。

選択範囲によるぼかし効果を使うことで、一つの画像の中に種類の違うぼかしをかけることもできますね。

※フィルターを使って背景をぼかす方法については、別の記事で詳しく紹介していますのでこちらをご参照ください。
https://creators-plus.jp/photoshop-blur-background/

Photoshopを使って境界線をぼかしてみよう!

ぼかし効果は、Adobeフォトショップでもっとも使いたい機能の一つです。

一見何気ない写真も、境界線をぼかしほかの背景や画像と組み合わせたり、空いた空間に文字を入れたりと、様々な組み合わせが可能になり色々なアイデアが可能になります。

ぼかし加減を調整する事で、背景に入れた別の画像と自然と馴染む合成画像などもつくることができるようになります。

是非様々なぼかしを試してみてください!