【Premiere Pro】クロップの使い方とは?映画風の余白やワイプが作れる!

Premiere Proクロップとは、映像を切り取ってトリミングする機能です。複数映像を自由に配置したり、ゲーム実況や解説動画のワイプを簡単に作ることができます。

この記事を読めば、クロップの基本的な使い方や、クロップのマスクやアニメーションを使用した応用的な方法を理解できます。

また、クロップを使ってシネマスコープのサイズに加工して映画風にしたり、様々なワイプを作ることができるようになります。

Premiere Proのクロップを使う手順

Premiere Proでクロップを使用する基本的な手順を解説し、さらにクロップのマスクやアニメーションを使った応用的な使用方法を紹介します。

Premiere Proのクロップを使う手順

最初に、Premiere Proでクロップを使用する基本的な手順を解説します。一度やってみると、とても簡単ですよ。

①エフェクトパネルで「クロップ」を検索

クロップを適用したいビデオトラックを選択した状態で、エフェクトパネルにて「クロップ」を検索します。

エフェクトパネルに表示された「クロップ」をダブルクリックすることで、エフェクトコントロールパネルクロップを編集する項目が追加されます。

②クロップで切り取る範囲を調整

クロップの項目には上下左右があり、それぞれのバーを調整することで、切り取り範囲を設定できます

境界にラインを入れる方法

切り取った映像同士の境界に何もないと、不自然で雑な印象になってしまうことが多いです。そんなときはラインを入れて境界を明確にすることで、自然なレイアウトにすることができます。

メニューバーから「ファイル>新規作成>レガシータイトル」を選択します。

レガシータイトルを編集するダイアログボックスにて、境界部分のラインを編集します。編集が完了したら×ボタンでダイアログを閉じましょう。

作成したレガシータイトルをタイムラインパネルに追加してトラックの長さを調節することで、境界にラインを入れることができます

クロップのマスク効果で自由な形にトリミング

Premiere Proでクロップのマスク効果を使うと、マスク範囲のみクロップを適用させて切り取ることができます

マスクの形状は自由に変形できるので、上下左右の切り取りだけでなく、斜めの線や星形、円形など自由な形に切り取ることができます。また、角を丸めたり、境界をぼかしたり、透明度を設定したりすることも可能です。

「反転」にチェックを入れることで、クロップのマスク範囲を反転させてマスク範囲でトリミングすることもできます

クロップでアニメーションも作れる

切り取り範囲が徐々に移動するようなクロップのアニメーションも作れます

エフェクトコントロールパネルクロップに表示されているストップウォッチボタンをクリックし、キーフレームを打っていきます。

Premiere Proでクロップのアニメーションを使うと、例えばこのように複数映像を使用したレイアウトが簡単に作れます

Premiere Proのクロップで映画風にする方法

Premiere Proクロップを使うと、通常サイズの映像を簡単にシネマスコープのサイズに変更し、映画風にすることができます。

シネマスコープのサイズとは?

シネマスコープとは、映画館で映像を見る際の横長のスクリーンのことです。

テレビ画面や写真など通常の映像は16:9の比率で作られていることが多いです。一方、シネマスコープのサイズは2.35:1の比率で作られます

16:9の映像をシネマスコープサイズ(2.35:1)にして映画風に

Premiere Proで16:9の映像に黒帯(レターボックス)を付けてシネマスコープサイズ(2.35:1)に加工する方法を紹介します。クロップを使うと、すでに編集完了した後のシーケンスでも簡単に加工できます

①調整レイヤーを追加

クロップを適用するトラックの範囲を設定するため、調整レイヤーを追加します。この調整レイヤーを使用すれば、複数トラックにエフェクトを適用することができます

プロジェクトパネルの新規項目ボタンをクリックし、「調整レイヤー」を選択します。

作成した調整レイヤーをタイムラインパネルの一番上のレイヤーに配置し、調整レイヤーの長さをビデオトラックに合わせて伸ばします。

②クロップで上下を12.2%に設定

調整レイヤーを選択した状態でエフェクトコントロールパネルクロップを追加し、クロップの上下をそれぞれ12.2%に設定します。これで、16:9の映像をシネマスコープのサイズ(2.35:1)にすることができました。

すでに編集完了した後のシーケンスでも、トラックごとの編集やシーケンス設定などせずに簡単に映画風にできます

上下の映像は切り取られるので注意!

クロップで上下を切り取りシネスコサイズにすることで、切り取られた箇所は黒帯(レターボックス)になり映らなくなります。モニターでプレビューを見て問題ないか確認しましょう。

映したいものが切り取り範囲にある場合は、映像の位置や切り取り範囲を上下で調整する必要があります

Premiere Proのクロップでワイプを作る方法

ゲーム実況動画や解説動画、バラエティー番組などでよく使用されるワイプも、Premiere Proクロップを使用することで簡単に作成できます。様々なパターンのワイプを作る方法を紹介します。

Premiere Proで四角ワイプを作る方法

単純に四角ワイプを作る場合は、クロップで上下左右幅を設定して切り取ってもよいですが、クロップのマスクを使うことで、ワイプデザインの幅が広がります。

ワイプを入れたい映像を選択した状態で、四角マークのマスクをクリックし、切り取りたい範囲をドラッグで選択します。

上下左右どれでもいいので、クロップを調節し四角いワイプ部分が切り取られるようにします。下のレイヤーにワイプトラックを配置することで、簡単に四角ワイプが作成できます。

今回はメイン映像を上のレイヤーに置いてクロップの四角マスクで切り取り、ワイプ映像を下のレイヤーに置く方法を使いましたが、逆にワイプ映像を上のレイヤーに置いて、クロップの四角マスク反転でワイプ映像をトリミングする方法もできます。

Premiere Proで円形ワイプを作る方法

円形や楕円形のワイプを作りたい場合は、円形マークのマスクをクリックし、切り取りたい範囲をドラッグで選択します。

上下左右どれでもいいので、クロップを調節し円形のワイプ部分が切り取られるようにします。下のレイヤーにワイプトラックを配置することで、簡単に円形のワイプが作成できます。

今回もメイン映像を上のレイヤーに置いてクロップの円形マスクで切り取り、ワイプ映像を下のレイヤーに置く方法を使いましたが、逆にワイプ映像を上のレイヤーに置いて、クロップの円形マスク反転でワイプ映像をトリミングする方法もできます。

ワイプの境界をぼかしたり、角を丸くするには?

ワイプの境界をぼかしたり、角を丸くしたりして柔らかい印象にすることもできます。

エフェクトコントロールパネルで「マスクの境界のぼかし」でぼかし具合を調整することで、ワイプの境界をぼかすことができます。

また、モニターに表示されているポイントをドラッグしてもぼかし具合を調節できます

角が尖ったワイプを丸めて柔らかい印象にしたい場合は、エフェクトコントロールパネル「マスクの拡張」を調整することで、ワイプの角を丸くすることができます。

また、モニターに表示されているポイントをドラッグしても角の丸みを調節できます

星形など自由な形のワイプも作れる

四角のマスクで範囲選択した後、マスクの形状を自由に加工することができます。頂点を移動したり追加したりすることで、例えば五角形や星形、ギザギザなど自由な形のワイプにすることができます。

ワイプのアニメーションも作れる

エフェクトコントロールパネルクロップのキーフレームを打つことで、ワイプのアニメーションも作れます

ワイプの形状を変えたり、透明度を変えたり、移動させたりするアニメーションができます。

Premiere Proでクロップのアニメーションを使うと、例えばこのようなワイプが簡単に作れます。

Premiere Proのクロップを使いこなそう!

クロップの基本的な使い方や、クロップのマスクやアニメーションを解説しました。また、Premiere Proのクロップを使ってシネマスコープのサイズに加工し映画風にする方法や、様々なワイプを作る方法も解説しました。

ご紹介した方法でPremiere Proのクロップを使いこなすことで、「ここをちょっと切り取りたいな」というときも簡単、自由に加工できるようになります。

プレミアプロで複数動画を使ったレイアウト編集やワイプ作成などに活用してみてください。