映像や音声が徐々に消えてフェードアウトし、徐々に次の映像や音声がフェードインする演出を見ることは多いですよね。
adobe Premiere Proではキーフレームとエフェクトという2つの方法で簡単に映像や音声をフェードアウト・フェードインさせることができます。
Premiere Proでフェードアウト・フェードインをかける方法①|キーフレーム
①フェードアウトする背景を作成
Premiere Proでフェードアウトした際に表示する背景を作成します。黒い背景に暗転させたい場合は不要です。今回はホワイトアウトさせるため、白い背景を作成します。
「ファイル>新規>カラーマット」を選択します。
カラーマットのサイズやカラーを設定します。フェードアウトした際に表示したいカラーを選択するため、ここでは白を設定します。
フェードアウトさせたいビデオトラックの下にカラーマットを挿入し、フェードアウトし始める位置に配置しましょう。
②ビデオのキーフレームを表示
タイムラインパネルの「タイムライン表示設定」ボタン(工具マーク)をクリックし、メニューから「ビデオのキーフレーム表示」を選択します。
キーフレームの操作がしやすいようにビデオトラックの高さを広げると、タイムラインパネルのビデオトラックにラバーバンド(横線)が表示されています。
③キーフレームを2箇所打つ
ラバーバンド(横線)上で以下のとおりCtrl(Command)を押しながらクリックすることで、キーフレームを打つことができます。
Windows:Ctrl + クリック
Mac :⌘(Command) + クリック
フェードアウトし始める時点に1箇所、ビデオトラックが終わる時点に1箇所の合計2箇所にキーフレームを打ちましょう。
④終点のキーフレームを下げる
ビデオトラックの終点に打ったキーフレームを下まで下げましょう。これでフェードアウトが適用されます。
プレビューで確認してみましょう。映像が徐々に白くフェードアウトします。
⑤フェードインする映像もキーフレーム操作
フェードインさせたい映像をつなげる場合も、同様にキーフレーム操作します。
Ctrl(Command)を押しながらクリックしてキーフレームを2点打ち、始点のキーフレームを下げます。
これでフェードアウト・フェードインする映像ができました。プレビューで確認してみましょう。
オーディオトラックもキーフレームでフェードアウト・フェードイン可能
ビデオトラックのキーフレームを操作して映像をフェードアウト・フェードインする例を解説しましたが、同じようにオーディオトラックでもキーフレームを使用することでフェードアウト・フェードインが可能です。
キーフレームを打つ方法は、エフェクトを使う方法よりも手間が少しかかりますが、自由な表現が可能です。キーフレームを複数打つことで緩急を付けたり、フェードアウトしたときの背景やカラーを自由に設定できたりします。
Premiere Proでフェードアウト・フェードインをかける方法②|エフェクト
①エフェクト「ホワイトアウト」を選択
前の映像が徐々に白くなってフェードアウトし、徐々に次の映像が徐々にフェードインするエフェクトを使用します。
Premiere Proのエフェクトパネルから「ビデオトランザクション>ディゾルブ>ホワイトアウト」を選択します。エフェクトパネルで「ホワイトアウト」と検索しても選択できます。
②「ホワイトアウト」を2つのビデオトラックの間にドラッグ
「ホワイトアウト」を2つのビデオトラックの間にドラッグします。すると、ビデオトラック上に「ホワイトアウト」というバーが表示されます。
このバーの長さを調節することで、フェードアウト・フェードインの長さを調節することができます。
これで前の映像がホワイトアウトしてフェードアウトし、徐々に次の映像がフェードインするエフェクトが適用されました。プレビューで映像を確認してみましょう。
映像をフェードアウト・フェードインをかける際におすすめのエフェクト
前章で解説したホワイトアウトは「ディゾルブ」のフォルダに入っています。ディゾルブとは「画面転換」という意味で、2つの映像をフェードアウト・フェードインする際のエフェクトです。
暗転|adobe Premiere Proのエフェクト
Premiere Proの「暗転」は前の映像が徐々に黒く暗転してフェードアウトし、徐々に次の映像がフェードインするエフェクトです。
クロスディゾルブ|adobe Premiere Proのエフェクト
Premiere Proの「クロスディゾルブ」は前の映像が徐々に透明になってフェードアウトし、次の映像がフェードインするエフェクトです。
次の映像は「ディゾルブ」でフェードアウト・フェードインしています。前の映像のカラーを残しながらフェードアウトするという特徴があります。
次の映像は「フィルムディゾルブ」でフェードアウト・フェードインしています。クロスディゾルブとほとんど違いはありません。
音声をフェードアウト・フェードインするエフェクト
オーディオトラックの終点に「指数フェード」をドラッグ
Premiere Proのエフェクトパネルから「オーディオトランザクション>クロスフェード>指数フェード」を選択します。
エフェクトパネルで「指数フェード」と検索しても選択できます。
「指数フェード」をオーディオトラックの終わりの時点にドラッグします。これで徐々に音が小さくなりフェードアウトします。
2つのオーディオトラックの間に「指数フェード」をドラッグ
ホワイトアウトやディゾルトと同様に、「指数フェード」エフェクトも2つのオーディオトラックの間に配置することができます。前の音声が徐々に小さくなってフェードアウトし、次の音声が徐々に大きくなってフェードインします。
Premiere Proでフェードアウト・フェードインをかけよう!
adobe Premiere Proで映像や音声をフェードアウト・フェードインするための方法として、キーフレームを使う方法とエフェクトを使う方法の2つを解説しました。
エフェクトを使う方がより簡単で、短時間で適用できます。Premiere Proにはいくつかのディゾルブエフェクトが搭載されており、演出に合わせて選ぶことが可能です。
一方、キーフレームを使用する方法は少し手間はかかりますが、緩急を付けたり背景やカラーを変えたりなど細かい調整が可能です。
プレミアプロでこれら2つの方法を使いこなし、フェードアウト・フェードインを自由に表現できるようになりましょう。