この記事では、Photoshop(フォトショップ)で簡単にカスタムブラシを作る方法をご紹介します。
Photoshopにはいくつかのブラシが標準でインストールされていますが、自分でカスタムブラシを作れる様になると表現の幅が広がり、Photoshopを使うのがさらに楽しくなります。作り方はとても簡単なので、初心者の方も安心して読み進めてください。
Adobeが提供しているオリジナルブラシを簡単にダウンロードする方法についての記事も後半で紹介していますので、是非そちらもご覧ください!
Photoshopのカスタムブラシとは?
Photoshopのブラシとは
Photoshopのブラシとは、描画のための基本的なツールです。
キャンバス上に様々な絵具を載せていくような表現が可能で、線画やイラストなどにも使用できます。
デフォルトの状態でもPhotoshopにはいくつかのブラシが標準でインストールされています。
2つのカスタムブラシ
カスタムブラシを作ることでブラシでの表現の幅が広がります。
このカスタムブラシを作るには2つの方法があります。
① ブラシツールなどを使って自分でデザインしたブラシを登録する方法。
② 画像を用意してその画像を加工してブラシに登録する方法。
今回はこちらの2つの方法をご紹介します。
カスタムブラシでできること
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今回の記事では、まず、雪のような表現を作る方法をご紹介しています。
また、画像からカスタムブラシを作る方法では、雲の画像からブラシを作り、霧のような表現や煙のような表現を作る方法をご紹介しています。
カスタムブラシは、Gペンのような表現や、イラスト、線画などの作成にも役立ちます。
Photoshopのブラシの作り方①|ブラシ設定から登録する
ステップ1:Photoshopで新規ドキュメントを作成する
まずは、Photoshopで新規ドキュメントを作成します。
今回はサイズ1000×1000、解像度72dpiとしています。背景は白にします。
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ステップ2:ドキュメント内にブラシをデザインする
今回は雪のような表現ができるブラシを作りたいと思います。
ブラシツールを選択し「ソフト円ブラシ」でひとつ大きめな短い線を描き、複数の小さな円を適当に散りばめます。
不透明度や流量は好みで調整します。今回は不透明度を79%に設定しています。
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ステップ3:カスタムブラシを定義(登録)する
「編集」→「ブラシを定義」で、ブラシを登録します。
左の四角い枠の中に白くブラシの形が表示されていることを確認し、好きなブラシ名(今回は「雪」としました)を入力し、「OK」をクリックして登録します。
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ステップ4:ブラシ設定を変更する
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このままでは、まだ雪のような表現はできません。
「ウィンドウ」→「ブラシ設定」を開き、今回は以下のような設定をしました。
「ブラシ先端のシェイプ」→「間隔」を「60%」
「シェイプ」→「サイズのジッター」を「100%」
「角度のジッター」を「100%」,「真円率のジッター」を「20%」
「散布」→「散布」を「300%」,「両軸」にチェックを入れる。
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好みの設定に変更できたら「新規ブラシ」→「名前を設定してOK」
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ステップ5:ブラシの作り方がわかったら実際に使ってみる
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では、実際に加工したい画像をPhotoshopで開いて、雪の表現を追加してみましょう。
今回は、冬っぽい雰囲気のフリー画像を使用します。
ブラシのサイズを小さめにすると人物に雪がかかっているイメージを表現できます。
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ブラシのサイズを大きくすると撮影者(カメラ)の近くに雪が降っているイメージを表現できます。
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ブラシのサイズや「ブラシ設定」をいろいろと試して表現の幅を広げましょう。
自分で好きなカスタムブラシを作るときは、プレビューを見ながらいろいろな設定を変更し、自分が行いたい表現ができるようにしましょう。
Photoshopのブラシの作り方②|画像から作成する-1
ステップ1:Photoshopでブラシを作成したい画像を開く
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まずは、ブラシの元となる画像を用意し、Photoshopで開きます。
今回は一回作成しておくと便利な、雷の画像を利用してブラシを作成していきます。
画像はご自身で撮影された写真やフリー素材を使うといいでしょう。
ステップ2:ブラシを作成したい部分を切り抜く
今回の画像の場合は必要ありませんが、元となる画像に雷以外にも建物や木など、ブラシに登録したくないものが写ってしまっている場合は、雷の部分のみをなげなわツールなどで選択し、マスクを作成します。
ステップ3:画像を白黒にする
マスクではなく元画像を選択した状態で「イメージ」→「色調補正」→「彩度を下げる」(Command+Shift+U)を実行し、彩度を下げます。
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また、画像の黒い部分がブラシになるため、「イメージ」→「色調補正」→「階調の反転」(Command+I)を実行し、色調を反転させます。
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白と黒のコントラストが低い場合、「イメージ」→「色調補正」→「レベル補正」(Command+L)でレベル補正の画面を開き、各ポイントを動かして、背景が完全に白になるように調整します。
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ステップ4:カスタムブラシを定義(登録)する
「編集」→「ブラシを定義」を実行し、ブラシを登録します。
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左の四角い枠の中に白くブラシの形が表示されていることを確認し、好きなブラシ名(今回は「雷」としました)を入力し、「OK」をクリックして登録します。
なお、ブラシを定義する際に、画像のサイズが大きすぎると実行できない場合がありますので、その場合は画像の解像度を2500px x 2500px以下に下げてから実行してください。
ステップ5:ブラシの作り方がわかったら実際に使ってみる
では、実際に加工したい画像をPhotoshopで開いて、雷の表現を追加してみましょう。
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先ほど作った「雷」ブラシ の色を白、サイズや不透明度を調整して雷の表現を作ります。
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Photoshopのブラシの作り方②|画像から作成する-2
画像からブラシを作成する方法をもう一つご紹介します!
ステップ1:Photoshopでブラシを作成したい画像を開く
汎用性の高い雲のブラシを作りたいと思います。
まずは好みの画像をPhotoshopで開きます。
ステップ2:画像を白黒にする
「調整レイヤー」→「白黒」と選択し、画像を白黒にします。
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空はもともと青いので、プロパティからシアン系、ブルー系を小さくしていきます。
するとコントラストが強まり、雲がよりくっきりとします。
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ステップ3:階調を反転する
まず、「レイヤー」→「表示レイヤーを結合」と選択してレイヤーを一体化させます。
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レイヤーが一体化できたら「イメージ」→「色調補正」→「階調の反転」と選択します。
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ステップ4:ブラシとして整形する
ここまで出来たらブラシとして使用するための調整に入ります。
黒い部分がブラシになるのでブラシツールで白く塗ることで形を整えます。
まずはトリミングツールで必要な箇所のみをトリミングします。
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次にレイヤーを一枚追加して、周りを白く塗っていきます。
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ステップ5:ブラシを定義する
最後にブラシとして登録します。
「編集」→「ブラシを定義」と選択して完成です!
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ステップ6:ブラシを実際に使ってみる
好きな画像にブラシで雲を描いていきます。
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オリジナルブラシを作るためのアイデア!
2025年の現在では、「Photoshop」や「Illustrator」内でもハイクオリティな生成AIを使うことができますよね。
今回の記事ではネット上で入手したフリー画像を使ってブラシを作成しましたが、
今後は生成AIを使いこなすことでさらに手軽に、よりオリジナリティの高いブラシを作ることができるようになりますね!
線画やイラストに使えるブラシを簡単に入手する
Adobeが提供するカスタムブラシをダウンロード
自分でブラシを作成するのも楽しいですが、プロのデザイナーが既に作ってくれているブラシを使わないのも勿体無いですよね!
https://www.adobe.com/jp/products/photoshop/brushes.html
こちらのAdobe公式サイトから1000種類もの豊富なブラシがダウンロードできるので、ぜひお試しください!
ダウンロードしたブラシの使い方についてはこちらの記事をご参照ください。
【無料商用化】Illustratorで使えるブラシ素材10選と追加法|おすすめを厳選!
Photoshopのブラシの作り方を覚えよう!
今回はPhotoshopでのカスタムブラシの作り方をご紹介しました。
自分で作ったカスタムブラシは、その後の財産になります。
今回ご紹介した方法で、線画用のブラシを作成したり、イラストをブラシに登録することも可能です。
いろいろなカスタムブラシを作って、Photoshopでの表現の幅を広げていきましょう。