Illustrator|画像・手書きのイラストをパスに変換する方法!【超簡単】

Illustrator(イラストレーター)で画像を使う際、使用したい範囲より画像サイズが小さかったり、画像の一部を修正したいのに修正できるデータが無かったりして困った経験はないでしょうか。

そんな問題を解決するのが、Illustratorでの画像のパス化。手書きのイラスト画像をトレースする時にも使える方法です。今回は、Illustratorを使って簡単に画像をパスに変換する方法を解説していきます。

Illustratorで画像をパス化する方法!

Illustratorを使って画像をパス化すると画像にアウトラインがつくられるので、画像のサイズ変更や修正などそのままの画像ではできなかったことができるようになります。

さらに、以下のような特徴を持つ画像のトレースをすることも可能です。

画像トレースを使用すると、ラスタライズ画像(JPEG、PNG、PSD など)をベクターアートワークに変換できます。この機能を使用すると、既存のアートワークの一部を基にして、これをトレースすることで、新規のアートワークを簡単に描画できます。例えば、紙に鉛筆で描いたスケッチの画像を、画像トレースを使用して、ベクターアートワークに変換できます。一連のトレースプリセットから選択して、目的の結果をすばやく得ることができます。

参考 画像トレースAdobe公式サイト

トレースとはつまり、画像を元にイラストや柄をデジタルのデータに変換すること。手書きしかない画像や、解像度が低くデザインに使えない画像をトレースすることで、ベクターデータに変えることができます。

それでは、Illustratorを使った基本的な画像をパスにする方法を見ていきましょう。

画像トレース機能を使う|Illustratorを使った基本のパス化

まずはIllustratorでパス化したい画像を開きます。今回はPNGデータのアイコン画像をパス化していきます。

画像を開くと、上部のオプションバーに「画像トレース」という表示が出てきます。⬇︎

それをクリックすると、画像がパスのようになります。ボヤけていたシルエットが、はっきりしたのがお分かりでしょうか。⬇︎

アウトライン化する|Illustratorを使った基本のパス化

画像トレースのボタンを押すと、「拡張」というボタンが出てきます。

拡張ボタンを押すと、画像が完全にパス化されました。画像のそれぞれのパーツごとにアウトラインがついています。⬇︎

それぞれのアウトラインを触ることで、サイズの変更や画像の修正を簡単に行うことができます。

【簡単】Illustratorで線をアウトライン化する方法!できない時の対処法も解説!

このように、簡単に画像をパスにすることができました。

Illustratorで手描きの画像をパス化する方法

では次に、手描きのイラスト画像をパスにする方法を説明していきます。

自分の描いたオリジナル画像をわざわざペンツールでトレースする必要なく、すぐにパス化してデータとして利用することができる便利なテクニック。イラストをデザインに使いたい方は特に、ぜひマスターしてくださいね。

caution
イラストをパス化する場合は、線が細すぎたり潰れたりしていると綺麗にパス化できないケースもあるので、注意しましょう。

イラストを開く|Illustratorで手描き画像のパス化

基本方法と同じように、Illustratorでパス化したい画像を開きます。今回は、手書き風のフリー素材で説明していきます。

しきい値を設定する|Illustratorで手描き画像のパス化

今回はオプションバーからの画像トレースではなく、画像トレースウィンドウを開きます。上部のメニューバーから[ウィンドウ]→[画像トレース]をクリックしてウィンドウを表示させてください。

設定を変えずに画像をトレースすると、リンゴの輪郭が消えてしまいます。⬇︎

このように、線が薄すぎたり濃すぎたりしたら綺麗なトレースができないため、ウィンドウの中の「しきい値」の数値を調整していきます。⬇︎

しきい値の説明は以下の通り。

元の画像から白黒のトレース結果を生成するための値を指定します。「しきい値」の値より明るいピクセルはすべて白に、しきい値より暗いピクセルはすべて黒に変換されます (このオプションは、「カラーモード」を「白黒」に設定した場合にのみ利用できます)。 参考 ライブトレースの使用Adobe公式サイト

今回の画像は輪郭部分がしきい値より明るいため、白色で表示されてしまいます。プレビューで確認しながらしきい値を多くすると、綺麗なトレースができました。

アウトラインをつける|Illustratorで手描き画像のパス化

基本の方法同様、上部のオプションバーの拡張ボタンを押して、画像をアウトライン化します。

画像のパーツ全てにアウトラインがかかると、画像を修正することが可能です。元のイラストにあった光の反射を無くし、リンゴの中の点を減らしました。⬇︎

全体の色を変えることもできるので、好きな色や大きさのイラスト画像を作ることができます。⬇︎

【応用編】Illustratorで複雑な画像をパス化する方法!

ここまでは、シンプルなアイコンや画像のパス化を解説してきましたが、色の多い写真やイラスト、形が単純ではない画像をパス化することもできます。

解像度の低い画像をトレースしたい場合や、元のイラストから風合いを変えずパス化したい場合はこの方法がおすすめ。主なやり方は基本の方法と大きく変わらないので、簡単に操作することができます。

オプションバーからパスにする方法と、画像トレースウィンドウからパスにする方法の2種類あるので、どちらも解説していきましょう。

オプションバーから画像をパス化する方法|応用編①

まずはIllustratorで画像を開きます。

画像を選択した状態で、上部オプションメニューにある「画像トレース」の右側にある▽をクリックすると画像トレースの種類が出てくるので、[写真(高精度)]を選択。⬇︎

同じように「拡張」ボタンを押すと、画像がパス化されます。⬇︎

画像のパーツごとにアウトラインがかかっているので、大きさや位置を変えたり、画像を変形させたりすることが可能です。

画像を修正する際は、全体のグループ化を解除したあと背景を削除するとやりやすいですよ。

ウィンドウから画像をパス化する方法|応用編②

次は画像トレースウィンドウを使った方法を説明します。まずはIllustratorでパス化したい画像を開いてください。

手描きイラストのパス化で説明した方法と同様、画像トレースウィンドウを開きます。⬇︎

ウィンドウが開いたら、カラーモードを「カラー」に設定。⬇︎

すると、イラストチックな画像トレースが完成します。

よりリアルにしたい場合、パレットを「フル階調」にすることで、使用されるカラーの数が増え写真と同じような仕上がりになります。

カラーの場合はしきい値の代わりにカラーの数を決められるので、好みの仕上がりになるように調整してください。カラー数が少ないとイラストっぽさが強まり、カラー数が多いとリアルな仕上がりになります。⬇︎

Illustratorで簡単に画像をパス化しよう!

Illustratorでの画像のパス化のテクニックを覚えると、解像度が小さい画像を大きく使えたり、画像の一部を修正したり、デザインの幅が広がります。

さらに、アナログにしかない手描き画像をペンツールでトレースすることなく、一瞬でトレースすることのできる便利なツールです。手描きの文字をデータとして使いたい時にもおすすめの画像のパス化。

この記事を参考に、イラレで簡単に画像のパス化を試してみてくださいね。