イラレで文字にグラデーションをかける方法【文字全体・一文字ずつ】

イラレ (illustrator)を使って文字にグラデーションをかける方法は大きく分けて次の2つです。

1. アピアランスを使って「文字全体」にグラデーションをかける

2. 文字をアウトライン化して「一文字ずつ」グラデーションをかける

実は文字にグラデーションを適応するには特別な手順が必要で、図形と同じように「塗り」からグラデーションを設定しても、黒いままになってしまいます。

こちらの記事では2つのグラデーション方法について実際の操作画面を用いて分かりやすく解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいってください。

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イラレで文字全体にグラデーションをかける方法|アピアランス

まずはアピアランスを使って文字全体にグラデーションをかける方法について解説します。

アピアランスを使ったグラデーションは後からテキストの打ち替えやフォントの変更が可能なので、後々変更が予想される場合はこちらの方法がおすすめです。

イラレで文字全体にグラデーションをかける|①テキストを作成

まずグラデーションをかけるためのテキストを作成しましょう。作成済みの場合はこのステップは飛ばして下さい。

画面左のツールバーから「文字ツール」を選択して任意の場所をクリックします。グラデーションをかけた際に分かりやすいように、見やすい大きさにしておきましょう。

画面右のオプションパネルから文字サイズやフォントを変更できます。

[フォント:Arial Black ポイント:100 ]

イラレで文字全体にグラデーションをかける|②アピアランス設定

次に、文字の色にグラデーションを当てていきます。

テキストオブジェクトの場合、図形と同じように単純に「塗り」を変更するだけでは色を変更することができませんので「アピアランス」を使ってグラデーション設定を行います。(※理由は記事後半で解説)

イラレ画面上のメニューバーから「ウィンドウ」→「アピアランス」と進み、アピアランスパネルを表示しましょう。↓

パネルを表示したら、アピアランスパネル内の一番下に並ぶアイコンから「新規塗りを追加」を選択して、新規の塗り設定を追加しましょう。

次に、追加した「塗り」のカラーピッカーを展開して「ホワイト、ブラック」というグラデーションを選択すると、白黒のグラデーションがテキストに反映されます。↓

point
実はアピアランスパネルから重ね順を変更すれば、最初に「塗り」を無しにしなくてもグラデーションが適応された面を前面に表示することが可能です。

しかしこの場合、印刷時に裏側にある「文字属性のアピアランス」側の塗りがはみ出してしてしまって文字が綺麗に出力されないなどのトラブルの原因になります。

ですのでやはり、文字を装飾する時は最初に「塗り」を無しにしておくことをおすすめします。

イラレで文字全体にグラデーションをかける|②グラデーション設定

白黒のグラデーションにカラーを付けていきましょう。

まず「ウィンドウ」→「グラデーション」と選択し、グラデーションパネルを表示します。↓

グラデーションパネル内にある「グラデーションスライダー」(カラーバー)に表示されている2つの「●」をダブルクリックするとカラーピッカーが展開されるので、こちらでお好みのカラーを選択します。

現状、始点と終点で2つの「●」があるので、両方のカラーを設定しましょう。このポイントはバーの下縁をクリックすることで増やすこともできます。

もし、カラーピッカーで白と黒しか選択できない場合は、同じパネル画面から「スウォッチ」へ切り替えて一旦別のカラーを選択することでカラーピッカーで選択できるカラーを増やすことができます。

グラデーションパネルには更に多くの設定項目がありますが、主に使用するのは「種類」、「角度」、「グラデーションスライダー」の3つになります。

始点と終点のカラーを選択すると、テキスト全体にグラデーションをかける作業の完了です。

point
「線」を使う場合に備えてアピアランスパネル内の塗り」と「線」の並びを上下逆に変更しておくとGOODです。

「塗り」はテキスト自体のカラー、「線」はテキスト縁のカラー設定となっており、ドラッグ&ドロップで並び替えが可能です。Illustratorのデフォルト設定の並び順で線を太くした場合、線のレイヤーが上となっているためテキスト自体が線に塗りつぶされてしまう現象が起こります。

恐らく多くのケースでは、線は下にあったほうがイメージ通りに文字を縁取れると思うので、「線」を「塗り」の下に移動させておく習慣をつけることをおすすめします。

イラレで1文字ずつグラデーションをかける方法|アウトライン化

Illustratorで文字単体ごとにグラデーションをかける方法を紹介します。

Illustratorの仕様上、「テキストオブジェクト」の状態のままでは1文字ずつグラデーションをかけることができないので、アウトライン化を実行して「図形化」させた状態で文字単体にグラデーションをかけていきます。

イラレで1文字ずつグラデーションをかける|①テキストを作成

まず、グラデーションをかけるためのテキストを作りましょう。すでに用意している場合はこのステップは飛ばして下さい。

Illustrator画面左のツールバーより「文字ツール」を選択して任意の場所をクリックすることでテキストを設置できます。グラデーションが確認しやすいように、画面右のオプションパネル内から文字サイズを大きくしておきましょう。

イラレで1文字ずつグラデーションをかける|②文字をアウトライン化

次に、作成したテキストを選択した状態で、Illustrator画面上のメニューバーから「書式」「アウトラインを作成」と進み、テキストを図形情報に変更します。↓

この操作を行うことで、テキストが持っていた文字情報が消えて図形情報となるので、文章の変更ができなくなります。

つまり、文章内容を変更したい場合は初めからやり直しとなるので、文章内容を確定させた状態でアウトライン化する必要があります。

イラレで1文字ずつグラデーションをかける|③グラデーションをかける

アウトライン化したテキストを選択した状態で、Illustrator画面左のツールバーにあるカラーピッカー部分から「グラデーション」をクリックしましょう。

ボタンが小さいのでよく探してみて下さい。これで文字単体にグラデーションがかかります。

イラレで1文字ずつグラデーションをかける|④グラデーション設定

最後に、Illustrator画面上のメニューバーより「ウィンドウ」→「グラデーション」と進んでグラデーション設定パネルを開きます。

グラデーションパネル内にある「グラデーションスライダー」(カラーバー)に表示されている2つの「●」をダブルクリックして、お好みのカラーを選択しましょう。

また、始点と終点の2箇所のカラーを変更でき、このポイントはドラッグで左右に動かすこともできます。更にバーの下端をクリックすることでポイントを増やすことも可能です。
 

これで1文字ずつグラデーションをかけることができました。

また、テキストオブジェクトをアウトライン化した場合でも「複合パス」を作成すると文字全体にグラデーションをかけることができます。

「オブジェクト」→「複合パス」→「作成」

ただし、こちらの方法の場合後から文字の打ち替えやフォントの変更はできなくなってしまうので、
アピアランスでグラデーションをかける方法とうまく使い分けましょう!

黒くなってしまう場合の対処法

グラデーションパネル内のスライダーの「●」から色を変更しようとしても黒くなってしまう方は以下の手順を踏んでみてください!

『「●」をダブルクリック』→『カラー』→『右上のハンバーガー』→『RGB or CMYK』を選択。
この画面でスライダーを動かすと色が変更されます。↓

グラデーションパネルの使い方

メニューバーの「ウィンドウ」→「グラデーション」から開くことができるグラデーションパネルから、様々なグラデーション設定を行うことができます。

設定項目は多数ありますが、以下の項目を組み合わせることでほとんどのグラデーションデザインを実装することが可能です。

グラデーションの種類を設定

まず「グラデーションの種類」について見ていきましょう。

グラデーションパネルの一番上にある「種類」から次の3パターンのグラデーションを選択することができます。

  • 円形グラデーション』 : 中心から外側へ放射状に進行するグラデーション
  • 線形グラデーション』 : 一方からもう一方へ直線的に進行するグラデーション
  • 『フリーグラデーション』 : 図形内の任意の点を中心にカラーが交わるグラデーション

グラデーションの角度を設定

グラデーション設定パネル内の角度マークがついたダウンドロップから、グラデーションが進行する角度を設定することができます。

例えば、文字に対して横のグラデーションではなく縦のグラデーションをかけたい場合、角度を「90度」に設定を変更すると縦のグラデーションを実装することができます。
進行の向きを反対にしたい場合は「-90度」を選択します。

また、ダウンドロップから選択するだけでなく、数値を直接入力することでも角度の変更が可能です。

グラデーションスライダーの調整

グラデーションをかける方法でも少し触れましたが、グラデーション設定パネル内の「グラデーションスライダー」では、グラデーションを構成する色味や色味の数、カラーの転換ポイントなどを設定することができます。

まず、丸いカラーポイントをダブルクリックすることでカラーピッカーが展開し、お好みのカラーを設定することができます。

このカラーポイントは、グラデーションスライダーの下端をクリックすることで増やすことができます。

更に、各カラーポイントは左右にドラッグすることで移動させることができ、移動することでグラデーションカラーの転換ポイントを変更することが可能です。↓

文字グラデーションの引き出しが増えるおすすめサイト

グラデーションの色味を検討する上で便利なおすすめのサイトをご紹介します。

サイト上で簡単に多くの色味を検討し、カラーコードやCSSをコピー&ペーストしてご自身のデザインに役立てましょう。

1|uigradients

URL: https://uigradients.com/

多彩なグラデーションパターンを生成できるWebサイトです。
Shiftキーを押すと、カテゴリごとに整理されたグラデーションを見ることができます。生成したグラデーションにはそのまま自分でカラーコードを設定したり、色の数を増やすことも可能です。

2|Grabient

URL: https://www.grabient.com/

カスタマイズ性の高いグラデーション作成サイトです。
カラーコード、色の数、角度、変化の位置などを細かく調整できるので、視覚的に色味を検討してグラデーションを作ることが可能です。

3|webgradients

URL: https://webgradients.com/

シンプルな2色グラデーションを大量に見ることができるWebサイトです。
PNG画像やCSSコードをワンクリックで取得可能で、デザインの助けになること間違いなしです。


グラデーションを施すためにアピアランスを使用する理由

実はテキストオブジェクトは「オブジェクト」「文字属性」の二重構造になっています。

「文字ツール」でテキストを選択しているとき、アピアランスパネルに表示されている線や塗りの情報を「文字属性のアピアランス」と言います。

「文字ツール」でテキストオブジェクトを作成すると、この「文字属性のアピアランス」によって文字の色が規定されます。

「文字属性のアピアランス」ではグラデーションの設定や項目の重ね順が変更できません。
なのでこちらのアピアランス上では最初に「塗り」を無しにしています。

「文字属性のアピアランス」に対して、「選択ツール」で文字を選択しているときに「アピアランスパネル」に表示される階層は「オブジェクト側のアピアランス」と言います。

「オブジェクト側のアピアランス」では線や塗りなど効果を加えていけたり、グラデーションをかけることも可能です。
また重ね順の変更も可能なので文字に対して縁が文字の前面にかかってくることなども調整することができます。

Illustratorで文字にグラデーションをかけてみよう!

今回はイラレ(illustrator)でテキストにグラデーションをかける方法について紹介しました。

グラデーションの解説の際にアピアランスパネルで「塗り」を追加する方法を紹介しましたが、ここで「線」を複数追加して線にグラデーションをかけることも可能です。

他にも、グラデーション設定パネルの項目を操作してみて、自分だけのグラデーションパターンを見つけてみて下さい。