一眼レフやミラーレスカメラで動画撮影を行う中で一番の敵と言っても過言ではないものが、「手ブレ」です。歩いたりカメラを動かしながら撮影すると映像が安定せず、見る側にも乗り物酔いの様な症状が出る事も。
そんな手ブレをほぼゼロにしてしまうのが、「ジンバル」という道具です。
今回は一眼レフやミラーレスカメラで使えるジンバルの効果や、おすすめのジンバルをご紹介します!
ジンバルがあると何が違う?ジンバルの効果とは?
そもそも「ジンバル」とは? 「手ブレ補正」とどう違うの? そう思う方も多いかと思います。まずはそういったジンバルが持つ基本的な効果や使い方についてご説明します。
一眼レフ・ミラーレスカメラの向きを固定できる
ジンバル最大の効果とは、カメラの向きを常に一定に保つ事にあります。
その為「安定させる」という意味でスタビライザーと呼ばれる事もあります。手ブレや歩いたり走ったりした時の振動に合わせてカメラを微妙に上下させる事で、振動を吸収してスムーズな映像を撮影する事が出来ます。
一眼レフ・ミラーレスの上下移動やピント調整も電動でスムーズに
「カメラの向きを保つ」というのは、何も前向きだけではありません。
ジンバルを使えば、上下左右に角度を電動で変える事や、角度を変えた状態で固定する事はもちろん、機種によってはカメラと連動してピント送りも操作できてしまいます。
電動モーターを使って一定のスピードでカメラ移動が出来る為、手持ちで撮影するより滑らかな映像が撮影できます。
画角が狭くならない
最新の一眼レフやミラーレスカメラには強力な手ブレ補正機能が付いていますが、実はその機能を使うと多くの場合撮影できる画角が狭くなります。
特に自撮りする場合、腕いっぱいに伸ばしても顔しか映らない、なんて事も起こります。
ジンバルを使うとカメラ本体の手ブレ補正機能を使わなくて良い為、広い画角で撮影できます。また元々自撮り棒の様な形もしているので、自撮りそのものも楽に行えます。
タイムラプスに動きを加える
少し応用ですが、おすすめの使い方が「タイムラプス動画」です。
タイムラプスとは1点にカメラを固定し、雲や車の流れを一定間隔で撮影する事で長い時間をかけて起こる変化を撮影する方法です。
通常タイムラプスではカメラを動かす事が出来ないのですが、ジンバルを設定すれば撮影の感覚に合わせて少しずつカメラを動かしてくれるので、景色を変えたり被写体を追いかけたりしながらタイムラプス撮影が出来ます!
一眼レフ・ミラーレス用のジンバルの選び方は?
他にはないスムーズで印象的な撮影ができるジンバルですが、数あるものからどのように選べばよいのでしょうか。ここでは自分にあったジンバルを選ぶ中で注意する点をいくつかご紹介します。
最大積載量(ペイロード)に注意!
何よりも優先して注意する必要があるのが「最大積載量」です。「ペイロード」とも言い、ジンバルが対応できるカメラの重さを表しています。
カメラだけでなく、レンズの重さも最大積載量に含まれます。またジンバルによってはレンズの長さに制限があるものもあるので、どの様な機材で撮影するのかを確認する必要があります。
本体の重さにも気をつける
カメラやレンズの重さはもちろん、ジンバルそのものもずっしり重たい場合があります。特に自撮り目的で使う場合、すこしでも軽い方が撮影も楽になります。
少し大掛かりにはなりますが、オプションでハンドルがつくジンバルというものもあります。左右からガッチリジンバルを支えられる様になる為、重くて振り回せないと感じたら検討してみましょう。
スタビライザーが電動式のものを選ぶ
ジンバルには大きく分けて、スタビライザーが電動で動くものと重石で動くものの2種類があります。
重石で動くものは安価でコンパクトではありますが、設定が難しい上に角度を変えたりタイムラプスに対応したりは出来ず、あまりおすすめではありません。
これからジンバルを探す場合は、電動式の物を選びましょう!
+αで出来る事とは何か比較する
ジンバルそのものの基本的な機能は同じでも、電動でのピント調整や縦横切替、スマホ連携といった「+α」の機能を持ったジンバルも増えてきました。
特におすすめはジンバルに液晶が付いていて、設定変更や撮影中の映像確認まで出ててしまう物。他にもオプション品が豊富な物もあり、悩ましい所です。
一眼レフ・ミラーレス用のジンバルの人気メーカーを紹介!
ここからは一眼レフ・ミラーレスカメラ用のジンバルメーカーの中から、おすすめを3社ご紹介します。あまり聞いた事のないメーカーかもしれませんが、世界的に実績もあり有名なメーカーばかりです!
おすすめジンバルメーカー1:DJI
まず最も有名なメーカーが、中国のDJIです。ドローンやアクションカムのメーカーとしてご存知の方も多いのではないでしょうか。
ドローンの姿勢安定技術を活かした高性能なジンバルを数多く出しており、ジンバルを探す上で避けては通れないメーカーと言えます。
おすすめジンバルメーカー2:ZHIYUN Tech
同じく中国のメーカーからZhiyuin techをご紹介。
ジンバルに特化した比較的新しいメーカーではありますが、大型ディスプレイ付きのジンバル等、DJIにも引けを取らない高性能な製品を多く発売しています。
おすすめジンバルメーカー3:Feiyu Tech
またしても中国から、Feiyu Techというジンバルメーカーがあります。
ZHIYUNと同じく新興メーカーですが、一眼カメラ向け以外にもスマホ向けはもちろん、アクションカム向けのジンバル等幅広い製品群を有しています。
【DJI】一眼レフ・ミラーレス用のおすすめジンバル
ここからは各メーカーごとにおすすめの一眼レフ・ミラーレス用のジンバルをご紹介。まずは有名なDJIから、おすすめ機種を3種類ご紹介します。
RONIN-SC
DJIから出ているジンバルの中で、最もベーシックな機種が「Ronin-SC」です。
軽量でコンパクトながら激しい動きにも対応しており、アクセサリを追加する事でピント調整や外部モニタ代わりのスマホを装着する事も出来ます。
DJI RSC 2
Ronin-SCより更に多機能になり、最大積載量も増加し一眼レフにも対応したのが「RSC 2」です。
ピント調整機能が最初から付いている他、手元で撮影モードが確認・変更ができる1インチの小型タッチスクリーンも搭載しています。
DJI RS 2
RS 2はプロの現場でも活躍する程の、DJI最強のジンバルです。
カーボン製で非常に軽いのに一眼レフにも対応、スタビライザー機能も強化され、距離を計測してピントを自動調整してくれる機能まで付いた優れものです。
【ZHIYUN Tech】一眼レフ・ミラーレス用のおすすめジンバル
続いておすすめジンバルメーカー・ZHIYUN Techのジンバルを3種類ご紹介します。小型軽量のものから大型ディスプレイ付きの物まで、様々な用途に対応出来ます。
CRANE M3
ZHIYUN Techが出すジンバルで、最も軽量でお手軽なのがCRANE M3です。
ミラーレスカメラでこれからジンバル撮影を始めたい人におすすめの機種で、自撮り用に顔を照らしてくれるライトが付いているのも、この機種の特徴です。
CRANE 2S
プロフェッショナル用でありながら比較的お手軽な価格で手に入るのが、CRANE 2Sというジンバルです。
一眼レフにも対応し、手元でのズームやピント調整も可能。追加機器の拡張性も高く、あらゆる撮影に対応できます。
WEEBILL 2
プロの現場でも活躍するZHIYUN Tech最強のジンバルが、WEEBILL 2という機種です。
ピントのみならず露出やISO感度も手元で操作できる他、2.88インチの大型タッチディスプレイが搭載されており、操作性の高さが最大の特徴です。
【Feiyu Tech】一眼レフ・ミラーレス用のおすすめジンバル
おすすめジンバルメーカー・Feiyu Techからも、一眼レフ・ミラーレス用のジンバルを2種類ご紹介します。費用を抑えたい方向けのジンバルもあり、最初の1台としてもおすすめです。
AK2000C
Feiyu TechのAK2000Cは、小型軽量で基本的な機能やタッチディスプレイまで搭載しながら、他には無い低価格で購入できるジンバルです。
ミラーレスカメラでVlogを始めたいという方には特におすすめです。
AK4500
Feiyu Techのジンバルでより本格的な動画撮影を行いたいなら、AK4500がおすすめです。
一眼レフに対応できる最大積載量で、手元でのピント操作も可能。最初からアクセサリーが豊富に付いているのも、この機種の特徴です。
【その他】一眼レフ・ミラーレス用のおすすめジンバル
ここまでに挙げた3社以外のメーカーから出ているジンバルの中からも、おすすめのものを3種類ご紹介します。
MOZA MINI-P
MOZAというメーカーのMINI-Pというジンバルは、コンデジや小型ミラーレス用ではあるものの他と比較してコンパクトに折り畳める為、どこにでも手軽に持ち出して撮影ができるジンバルです。
もちろんジンバルとしての性能も十分に有しています。
MOZA Air Cross 2
MOZAからもう1台、Air Cross 2という機種をご紹介。
一眼レフにも対応しカメラの操作も手元から行えるのはもちろん、本体が950gと非常に軽い為持ち運びや撮影のしやすさが他より優れています。
Libec TH-G3
ここまで全て中国のメーカーでしたが、日本にもLibecというジンバルメーカーがあります。
TH-G3は他社の高機能機種にも等しい性能を持ちながら、バッテリーが最長18時間も保つ為、長回しでの撮影にもおすすめです。
あなたの一眼レフにあったジンバルを見つけましょう!
ジンバルを用いる事で、手持ち撮影では出来なかった映像表現が可能になります。単に手ブレを抑制するだけではなく、激しい動きや繊細な操作を求められるシーンを撮影する再には、ぜひジンバルの導入を検討してみてください!