Illustratorの自由変形を使うと、奥行きのない平面や立面に遠近感をつけることができます。
この記事を読めば、簡単に遠近感を表現する方法や、lllustratorの自由変形ツールの基本すべてが理解できるようになります。ぜひ活用してみてください。
まだIllustratorを持っていない方は、合わせてこちらもご覧ください。
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Illustratorで画像に遠近感をつける方法!【平面】
①対象の平面図形を選択する
まず、遠近感をつけたい平面図形を選択ツールで選択します。
②自由変形ツールで「遠近変形」を選択する
ツールボックス内にある「自由変形ツール」を選択すると、自由変形ツールのボックスが表示されます。その中から、「遠近変形ツール」を選択します。
自由変形ツールが見当たらないときは、ショートカットの「E」を押すことで自由変形ツールが選択された状態になります。
③下辺のアンカーポイントを広げて奥行を表現
下辺のアンカーポイントを左右に広げ、上辺のアンカーポイントを狭めることで、オブジェクトが台形に変形します。
Illustratorの遠近変形を使用することで、遠近感のない平面図形に奥行きをつけることができました。
Illustratorで画像に遠近感をつける方法!【立面】
①対象の立面図形を選択する
最初に、遠近感をつけたい立面図形を選択ツールで選択します。
②自由変形ツールで「遠近変形」を選択する
ツールボックスから「自由変形ツール」を選択すると、自由変形ツールのボックスが表示されます。その中から「遠近変形」を選択します。自由変形ツールが見当たらない場合はショートカットの「E」を押すことで自由変形ツールが選択された状態になります。
③右辺または左辺のアンカーポイントを上下に広げて遠近感をつける
右辺または左辺のアンカーポイントを上下に広げることで、広げた辺が近く、反対の辺が遠いという一点透視図法の遠近法が表現されます。
Illustratorの遠近変形で、平坦な立面図形に遠近感をつけることができました。
Illustratorの遠近変形で角を表現する遠近法
二点透視図法と呼ばれる遠近法で立面に遠近感をつける方法を解説します。
これまで解説した平面や立面の遠近法は、奥行きの最終点である「消失点」が一つなので、一点透視図法といいます。
①右側と左側をそれぞれグループ化
立面の右側と左側をそれぞれグループ化します。ショートカットは以下の通りです。
- Windows:Ctrl + G
- Mac :⌘(Command) + G
②右側と左側をそれぞれ遠近変形で変形
右側と左側それぞれで、Illustratorの遠近変形で内側の辺を広げ、外側の辺を狭めます。
遠近変形を使うことで、二点透視図法による遠近法を表現できました。
部屋の角を表現するときなどは、外側が最も手前側で、内側になるに従い奥行きが広がっていきます。そうした内側に奥行きが広がるパターンの二点透視図法は、内側の辺を短くすることで表現できます。
先ほどと同様、右側と左側をそれぞれグループ化します。遠近変形で外側を広げ、内側を狭めます。
二点透視図法による遠近感で部屋の角を表現できます。
遠近感を出す自由変形ツールの3つの使い方とは?
自由変形⇒辺を伸縮させ変形
自由変形は、オブジェクトを伸縮させたり、斜めに歪ませたりすることができます。頂点のポイントをドラッグするか、辺のポイントをドラッグするかで変形の仕方が変わります。
頂点をドラッグさせると、辺を伸縮できます。
辺をドラッグすると、辺の傾きはそのままで自由に移動できるので、長方形を平行四辺形に変形できます。
基準点を中心に回転させることもできます。
この基準点はドラッグで移動させることができます。
Alt(Option)を押しながらドラッグすると、オブジェクトの真ん中を中心として伸縮できます。
- Windows:Alt + ドラッグ
- Mac :Option + ドラッグ
自由変形を選択し、縦横比固定にすると、高さと幅の長さが固定された状態になります。また、回転はできない状態になります。
遠近変形⇒台形で奥行を表現
遠近変形はこれまで解説したように、オブジェクトの一辺の長さを伸縮させて台形に変形することができます。
パスの自由変形⇒ポイントを自由に移動し変形
パスの自由変形は、アンカーポイントを自由に移動させて変形させることができます。
Alt(Option)を押しながらドラッグすると、オブジェクト中央を中心として変形できます。
- Windows:Alt + ドラッグ
- Mac :Option + ドラッグ
パスの自由変形を選択し、縦横比固定にすると、幅または高さが固定された状態で変形できます。
文字や写真を遠近変形し奥行を表現!
文字や写真はそのままでは変形できない
文字や、外部から取り込んだ画像や写真は、そのままでは変形できません。文字データや画像データなので、Illustratorで作成した図形とは違い、アンカーポイントをドラッグしても無反応で、形を変えることができません。Illustratorでこれらを遠近変形して遠近感をつけるためにはひと手間が必要です。
Illustratorで文字を自由変形する方法
そのままでは変形できない文字データは、Illustratorでパスデータ化することで変形できるようになります。パス化するためには、書式>アウトライン作成を選択します。ショートカットは以下のとおりです。
- Windows:Shift + Ctrl + O(オー)
- Mac :Shift + ⌘(Command) + O(オー)
これで、文字がパスデータ化し自由に変形できるようになります。遠近変形も可能です。
外部から配置した画像や写真を自由変形する方法
外部から取り込んだ画像や写真は、以下の手順でエンベロープ処理することで自由変形できるようになります。
①埋め込み画像にする
Illusutratorの配置画像はリンク画像のままではエンベロープ処理ができないので、埋め込み画像にします。リンクパネルの三マーク(ハンバーガーメニュー)から「画像を埋め込み」を選択します。
②エンベロープ処理する
メニューバーから「オブジェクト>エンベロープ>メッシュで作成」を選択します。
これで、外部から取り込んだ画像や写真が自由変形できる状態になりました。遠近変形も可能です。
Illustratorの遠近変形でワンランク上の仕上がりに!
Illustratorで平面や立面を遠近変形し、遠近感をもたせる簡単な方法を解説しました。のっぺりした立面図形も、二点透視図法による遠近法で角から見たような奥行のある表現ができます。
また、文字や写真もひと手間加えることで自由に変形できるようになります。
自由変形ツールは実際やってみると簡単に慣れて思い通りに変形できるようになります。
イラストレーターの自由変形ツールを活用して平坦なデザインに深みをつけ、ワンランク上のクオリティーに仕上げましょう。