無料でダウンロードすることのできるInkscape(インクスケープ)は、どのようなソフトなのでしょうか?有料のAdobe Illustratorとどのような違いがあるのでしょうか?今回の記事では、Inkscapeの解説と使い方をご紹介します。
Inkscapeってどんなソフト?
Inkscapeは、無料でダウンロードすることのできる多機能なグラフィックソフトウェアです。Illustratorの代わりに使われることもあるInkscape。このソフトを使うとどのようなことができるのでしょうか?
ベクター形式での画像作成が可能
InkscapeはAdobeのIllustrator同様、ベクター形式での画像作成ができます。ベクター形式で保存された画像は、拡大縮小をしても劣化が生じません。
ベクター形式のほかに、ラスター形式という画像ファイル形式がありますが、ラスター形式は一定数のピクセルで構成されているため、拡大をすると画像が荒くなってしまいてしまします。
一方、ベクター形式は、 線と数式で構成されているため、画質を落とさずに拡大縮小が可能となっています。
Illustratorの代わりに使われるInkscape
先述した通り、Inkscapeの画像形式がAdobe Illustrator(イラストレーター)と同じベクター形式のため、プロの現場でもIllustratorの代わりに使われることもあるようです。
Inkscapeは、無料でダウンロードすることができるため、有料のIllutratorを導入するほどでもないけれど、ベクター形式で画像を作りたいという時に便利です。
操作には慣れが必要
Adobe Illustratorも同様ですが、ベクター形式のグラフィックソフトはパスの扱いや画像をトリミングする際にマスクを使うなど慣れるまでは操作が難しいかもしれません。
ただ使い方に慣れてしまえば、画像の劣化を気にせず、作りたい絵や図を自由に描くことが可能です。
なんといっても無料で使える
Inkscapeの一番の特徴は何といっても無料で使えるということです。
無料でありながら、Illustratorに引けを取らない機能を備えているので、有料ソフトを導入する前にベクター形式での画像作成を試してみたい方や、有料ソフトを導入するほどのことではないけれど、ベクター形式での画像作成が必要な時などに活用できます。
危険性はないのか
無料で使えるというと、何かウイルスが仕込まれていたりして危険なんじゃないかと心配になる方もいるかもしれません。
インターネット上からダウンロードするものなので、一定の危険性は否定できませんが、Inkscapeの公式サイトからダウンロードしたものであれば、基本的には問題ありません。
公式サイト以外のまとめサイトのようなところかでは、不要なアプリまでダウンロードされてしまう危険性があるため注意してください。
Inkscapeの基本的な使い方
ここではInkscapeのインストール方法から基本的な機能の使い方をご紹介します。
Inkscapeの基本的な使い方①|ダウンロードする
Inkscapeを使うためには、まずInkscapeの公式サイトからご自身のOSのソフトをダウンロードします。
Inkscapeの基本的な使い方②|インストールする
ダウンロードしたmsiファイルをダブルクリックすれば、自動でインストールウィザードが開きます。表示される指示に従ってインストールを進めてください。
Inkscapeの基本的な使い方③|Inkscapeを開く
ダウンロードが完了すると、Inkscapeを使用できるようになります。
Inkscapeの基本的な使い方④|図形を描く
左に縦に並んでいるのがツールバーで、ここから使いたいツールを選んで操作をします。図形を描くには四角や丸、星型のツールを選び、図形を配置したい場所でドラッグをすると図形を描くことができます。
図形の塗りの部分は「フィル」、線は「ストローク」と呼ばれ、一般的な画像制作ソフト同様それぞれ設定することが可能です。
Inkscapeの基本的な使い方⑤|線を描く
線を描くときには、ベジエ曲線を使って描くペンツール、フリーハンドで線を描ける鉛筆ツールやブラシツールを使います。
ベジエ曲線は、使い慣れるまで操作が難しいものですが、Illustratorなどでも使うツールで、使い慣れるとフリーハンドよりもきれいに線を描けるため、ペンツールの使い方になれると良いでしょう。
Inkscapeの基本的な使い方⑤|文字を入力する
文字を入力する時には、「A」のマークのテキストツールを選択します。
テキストツールを選択すると、上部にフォントやサイズ、文字間隔などを設定できるメニューが出てきます。
日本語フォントも使用可能です。
Inkscape公式サイトでは使い方も学べる!
もっと詳しく詳細な使い方を学びたい方は、ぜひInkscapeの公式サイト(https://inkscape.org/ja/learn/)をご活用ください。英語での解説にはなってしまいますが、自動翻訳などを使えば日本語で公式の情報を見ることが可能です。
また、動画でのユーとリアルなども紹介されているので、実際にソフトを触りながら使い方を学ぶことができます。
InkscapeとIllustratorの違いは?
無料のInkscapeでもいろいろなことができますが、有料のIllustratorとどのような違いがあるのでしょうか?
一番の違いは無料か有料化
InkscapeとIllustratorの一番の違いは「無料か有料か」です。
Illustratorにも無料体験期間がありますが、無料期間を過ぎると課金されてしまいます。Inkscapeは完全に無料で、有料プランはありません。
初心者でも使いやすいのはInkscape
Inkscapeはできることの機能がIllustratorよりも少ないので、インターフェースなどもIllustratorに比べてシンプルです。
そのため、今までベクター形式での画像作成をやったことがない方、Illustratorを使ったことがない方にとっては、Inkscapeの方がわかりやすいでしょう。
有料でもIllustratorが人気の理由
無料で使えて、十分な機能のあるInkscapeですが、それでもデザインツールといえばAdobe Illustratorが人気です。その理由の一つとしては、InkscapeだとAIファイル、JPEGファイルでの書き出しができないところにあります。
実務でデザインデータを扱う場合、AIファイル、JPEGファイルは高頻度で使うデータ形式になるため、これがInkscape内の機能として書き出しができないとなると不便です。
またIllustratorはAdobeの様々あるツールの一つであり、Illustratorを利用することで、Adobeの他のソフトとの親和性も高く、クリエイティブの幅を広げることができるのもポイントです。
Inkscapeを使ってみよう!
Illustratorに比べると機能がシンプルなInkscapeですが、無料で使えるという点では、一度は試してみる価値があるでしょう。
ベジエ曲線やベクターでの画像作成については、IllustratorとInkscapeで共通しているので、その操作性や機能面での自分の使用目的に合ったものを選ぶためにも、どちらも使ってみるのがおすすめです。