今回紹介するテクニックを使用することで、合成写真とは思えないごく自然な合成が可能となりますので、ぜひ参考にしてみてください。
まだPhotoshopを持っていない方は、合わせてこちらもご覧ください。
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合成した画像をなじませる方法【色合い・トーンの調節】
合成画像を作る上で一番手間をかけるべきは、合成した素材を背景になじませる作業になります。 まずは、色合いや全体的なトーンをなじませるテクニックについて見ていきましょう。
人物に色を被せることで色合いをなじませる
合成した人物が明るすぎる場合、「背景画像の平均色」を、人物に被せることで背景との明度の差を近づけることができ、より自然になじませることができます。⬇︎
明るさを合わせることで、合成した画像に浮かび上がる境界線が消え、合成感を解消することに繋がります。
「背景とする画像の平均色」はPhotoshopで簡単に作成が可能です。
まず合成した状態で、背景としている画像のレイヤーをAltを押しながらドラッグ(※)することで複製し、人物レイヤーの上へ配置します。
※Macの場合はCommandキーを押しながらドラッグ
人物の上へ複製した背景レイヤーを選択した状態で、メニューバーより「フィルター」→「ぼかし」→「平均」と選択します。
すると単色のレイヤーが作成されます。
単色化したレイヤー上で右クリックから「クリッピングマスクを作成」を選択します。⬆︎
これにより、人物の境界内側だけに単色を充てることができるようになります。
次にレイヤーパネル内から、「通常」となっている描画モードを「ソフトライト」に変更し、すぐ右にある不透明度をお好みに調節します。⬆︎
これで人物のみに背景の平均色を被せることができ、色合いを合わせることができました。このテクニックは合成画像ではかなり使えるテクニックなので、ぜひ毎回取り入れてみてください。
合成画像全体に色を被せることで全体のトーンをなじませる
合成した人物の色合いを調整してもまだ違和感が残る場合、Photoshopでは合成写真全体に対して特定の色を被せることで、トーンをなじませることができます。
このテクニックも合成画像を作る際には、毎回使えるお手軽な色調補正方法です。
まずレイヤーパネル内にある「塗りつぶしまたは調整レイヤーを作成」ボタンから「ベタ塗り」を選択して、単色レイヤーを追加します。
明るい合成画像の場合は、明るいカラーも試してみて、より自然なほうを使用しましょう。
あとは、できた単色レイヤーを選択した状態で、描画モードを「ソフトライト」に変更し、不透明度を適切な値に調節することで完成です。⬆︎
合成した画像をなじませる方法【境界線の処理】
画像を切り取る際に少し内側を切り取る
Photoshopで人物画像などを切り取る際、切り取るラインが広すぎると元画像の背景などによる「縁」が境目に表示されてしまうことがあります。
これを避けるめには、切り取るラインをやや狭く絞るテクニックを使うことで自然な仕上がりに近づきます。
まず、人物を画像から切り取る際に使う「被写体を選択」をクリック後、「被写体を選択」のすぐ右にある「選択とマスク」をクリックします。⬇︎
すると、右側に現れるオプションパネル内に「エッジをシフト」というスライドバーが表示されます。
こちらで選択範囲を広げたり狭めたりできるので、「マイナス100%」に設定して選択範囲を狭めましょう。これにより、切り取る境界線を縮めることができます。
そもそも境界線の処理する手間は、画像の綺麗な切り取り方法をマスターして減らしていきませんか?
「被写体選択で一瞬で切り取る方法」をまとめた記事を用意していますので是非ご覧ください!
合成した画像をなじませる方法【ぼかしの活用】
人物を切り取る際に境界線をぼかすテクニック
切り取った画像は境界線がはっきりしているため、合成した際に境界線がシャープになりすぎるなど少し違和感が残る場合があります。
そういったとき、切り取る際の選択範囲に「ぼかし」を入れることで、より自然な合成が可能となります。
画面左のツールバーより「オブジェクト選択ツール」を選択した状態で、画面上の「被写体の選択」をクリックして切り抜く対象を自動選択します。⬆︎
選択範囲が表示されている状態で、メニューバーより「選択範囲」→「選択範囲を変更」→「境界をぼかす」とクリックすると表示されるダイアログにて、ぼかしの半径を入力します。⬆︎
この状態でレイヤーパネルより「マスクを作成」をクリックすることで、境界線がぼやけた切り抜きが完了です。少し境界線がぼやけた素材を使うことで、境界がシャープで違和感がある合成画像を、より自然になじませやすくなります。
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画像を合成した後に境界線をぼかすテクニック
Photoshopでは上の画像のように、合成した後に境界線に白い縁が残ることがあり、これを「フリンジ」といいます。以下の手順で境界線をぼかすことで、より自然な仕上がりに近づけることができます。
まずレイヤーパネルにて、レイヤーマスクを選択し、ツールバーより「ブラシツール」を選択、モードを「ソフトライト」に変更します。
Photoshopで合成した画像をなじませるときに注意すること
今回紹介したテクニックで、背景となじませる方法は問題なく作業可能ですが、そもそもPhotoshop上の操作では調整できない要素もありますので、あらかじめ適切な素材を選ぶことが大切です。
Photoshop合成の注意点①|光が当たっている方向が同じ画像を選ぶ
合成させる画像を選ぶ際に、「光が当たっている方向を合わせる」という点を意識して選びましょう。
光量は上で紹介した色合い・トーンの調節である程度の調節が可能ですが、光の当たっている方向は必ず合わせるようにしましょう。
下の合成画像のように、光の刺す方向と光が当たっている方向が合っていないと、物理的に違和感を感じる写真となってしまいます。
Photoshop合成の注意点②|背景と光量が同程度の画像を選ぶ
前述した通り、ある程度の光量の違いは色合いの補正で違和感を解消できますが、切り取る素材と背景素材との光量差がありすぎると、やはり違和感の残る合成画像になってしまいます。
合成テクニックだけに頼るのではなく、物理法則や自然さを意識して相性の良い画像を選ぶようにすると、合成技術がより際立つ仕上がりとなります。
Photoshop合成の注意点②|解像度が高い画像を選ぶ
切り抜く画像は解像度が高いものを選ぶようにしましょう。
合成する際に、人物画像を小さくして遠くへ配置することは可能ですが、元々小さな画像を大きくした場合は画像が荒くなり、下の画像のように違和感のある合成写真となります。
この状態では色調や境界線を自然にするテクニックも役には立ちません。
Photoshopで合成した画像をなじませて自然な仕上がりに!
今回は合成写真の馴染ませ方についての解説でした。
馴染ませる際に行うことは、主に「色調の調節」「境界線の処理」の2つです。これらを適切に調節することで、合成写真とは分からない仕上がりとなります。
フォトショップの切取機能である「被写体を選択」や「選択とマスク」にある各項目をより細かい点まで微調節することで、より高いクオリティの合成写真となるのでぜひ試してみてください。
色調の調整や境界線の処理の詳しい方法が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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