イラレでデザインをしていると、テキストの配置や間隔を細かく調整したくなることがあります。「ここはこのくらい詰める!広げる!」と思っても、なかなか思うようにいかないことはありませんか?
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Illustratorで文字間隔を調節する方法
Illustratorで文字間隔を調節①|カーニングで詰める・広げる
イラストレーターで文字間隔を調整する際、一番よく使われるのが「カーニング」と呼ばれる機能です。文字の間隔を詰めるときや、広げるときにも使います。専門用語のようで難しく感じるかもしれませんが、とても簡単かつシンプルな機能です。
まずはテキストを入力し選択している状態で、画面右側にあるパネル「プロパティ」を選び、文字パネルを選びます。
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いくつかの設定項目がありますが、そのうち、文字の大きさ(ポイント)を変更するメニューのひとつ下に、カーニングの設定があります。「V/A」と書かれ、Aの下に左向き矢印のアイコンのあるメニューです。
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実際にカーニングを使う際には、調整したい文字と文字の間にカーソルを持っていき、クリックします。このとき、文字を選択している状態にはしません。
今回は一行目「Illustratorの使い方」の「r」と「の」の間にカーソルを置きました。
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この状態で、先程のカーニング設定メニューに、数字を入力してみましょう。今回は文字間隔を詰める・広げるのがわかるよう、大きめの数字を入れます。
「500」と入力すると、このように「r」と「の」の文字間隔が大きく広がりました。
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次に、「-500」と入力すると、今度は文字間隔は詰まり過ぎてしまいました。
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数字や英字とひらがな・カタカナの文字間隔が気になるときには、カーニングを用いると良いでしょう。
Illustratorで文字間隔を調節する②|トラッキングで等間隔に詰める・広げる
カーニングは文字間隔を一つずつ調整できますが、すべての文章を一気に、等間隔で調整したいと思うこともあります。そんな時に役立つのが「トラッキング」機能です。「字送り」とも言います。
トラッキングは、先程の文字パネルでカーニングのすぐ右隣にあるメニューです。
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イラレのトラッキング機能の使い方は、まず調整したいテキストを選択し、その状態でトラッキングメニューに数値を入れていくだけです。
カーニングとは異なり、選択しているテキストの文字間隔を一気に、かつ等間隔で調整できます。
カーニングの時と同様に、まずは「500」と入力してみます。すると、文字間隔が大きく広がりました。文字はしっかり読めますが、なんとなく冗長に感じます。
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今度は「-500」と入力します。文字間隔が極端に狭まり、読みづらい印象を受けるようになりました。
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Illustratorで文字間隔を調節する③|自動調整機能で等間隔にする
カーニング機能、トラッキング機能について紹介しましたが、もっと簡単な方法があります。それが「自動調整機能」です。
まずは上部メニュー「ウィンドウ」から、「書式」→「文字」を選択します。
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すると、小さな文字パネルが出てきます。このパネルの中から「段落」タブを選択しておきます。
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ここで、調整したいテキストを選択し、「文字組み」を「なし」に変更します。すると、それまで少し文字間隔の開いていた「r」と「の」の間が詰まってくれました。
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さらにテキストを選択した状態で、「OpenType」タブから、「プロポーショナルメトリクス」にチェックを入れます。これによって、さらに文字間隔が調整された状態になりました。
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制作物にもよりますが、こうした自動調整機能を使ってから、カーニングやトラッキングでさらに調整する、という方法も効率的です。
Illustratorで文字間隔を調節する方法④|ショートカットキーを使う
カーニング・トラッキング(字送り)にはショートカットキーがあります。
カーニングは、文字と文字の間にカーソルを置いた状態で、
- Altキー+「←」キー で、文字間隔を詰める
- Altキー+「→」キー で、文字間隔を広げる
トラッキングは、テキストやテキストボックスを選択した状態で、
- Altキー+「←」キー で、文字全体の間隔を詰める
- Altキー+「→」キー で、文字全体の間隔を広げる
- 文字パネルの表示は、Ctrlキー+「T」キー
カーニングは、文字と文字の間にカーソルを置いた状態で、
- Optキー+「←」キー で、文字間隔を詰める
- Optキー+「→」キー で、文字間隔を広げる
トラッキングは、テキストやテキストボックスを選択した状態で、
- Optキー+「←」キー で、文字全体の間隔を詰める
- Optキー+「→」キー で、文字全体の間隔を広げる
- 文字パネルの表示は、commandキー+「T」キー
ショートカットキーを駆使して、作業をどんどん効率化していきましょう。
Illustratorで行間を調節する方法
Illustratorで行間を調節する①|テキストボックスを分けて詰める・広げる
文字間を調整したら、次に気になるのが行間の調整方法です。
もっともシンプルな方法は、一行ずつテキストボックスを分けて調整することです。元々ひとつのテキストボックスにまとまっていた文章を一行ずつバラバラにするには、「テキストばらしAI」などのスクリプトが便利です。
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とはいえ、制作物によってはひとつのテキストボックスの中に文字をまとめておきたい、と思うことも少なくありません。
Illustratorで行間を調節する②|行送りの設定で行間を詰める・広げる
Illustratorではテキストボックス内の行間を調整する「行送り」という機能があります。
行間を変更したいテキストボックスを選択した状態で、画面右側「プロパティ」タブの文字メニューから、行送りのメニューを選びます。
小さく、(131.2…)という数字が見えていますが、これはイラレ側が自動で算出した行送りの数値が入っている状態です。文字のフォントやサイズによって変わります。
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ここに、カーニングやトラッキングの時と同様、数字を入力してみましょう。
まずは、「200」と入力します。大きれば大きいほど、行間を広げることができます。
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カーニングやトラッキングとは異なり、行送りの値には負の値(マイナス)を入れることができません。値が0に近いほど、行間の間隔が狭まります。
「50」と入力すると、行間がほとんどなくなるほど狭まってしまいました。
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フォントサイズにもよりますが、長い文章をひとつのテキストボックスにおさめたい場合は、行送りの調整はほぼ必須です。
Illustratorで行間を調節する方法③|ショートカットキーを使う
行送りにも便利なショートカットキーがあります。
Windowsの場合
テキストボックスや段落を選択した状態で
- Altキー+「↑」キー で行間を2pt詰める
- Altキー+「↓」キー で行間を2pt広げる
Macの場合
テキストボックスや段落を選択した状態で
- Optキー+「↑」キー で行間を2pt詰める
- optキー+「↓」キー で行間を2pt広げる
Illustratorでカーニングができない!原因と対処法は?
カーニングができない理由①|文字や文字全体が選択されている
イラレでカーニングができない場合、最初に気にかけたいのが「文字や文字全体が選択されていないかどうか」という点です。
文字を選択してカーニングをしようとすると、下の画像のようなエラーメッセージが出ます。
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ものすごく簡単に言うと「選択していると文字間隔の調節ができないから、トラッキングを使ってください」という意味なのですが、専門用語が多くて混乱してしまいがちです。
カーニングを行う際は、文字を選択するのではなく、調整したい文字と文字の間にカーソルを置くだけ、と覚えておきましょう。
カーニングができない理由②|キーボードのショートカットの設定
作業を効率化したくてカーニングをショートカットキーで行いたいのに、なぜか反応してくれないという場合があります。
この場合、ショートカットが初期設定になっているかどうか確認してみましょう。
画面上部メニュー「編集」から、「キーボードショートカット」を選択します。
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クリックすると、キーボードショートカットのウィンドウが開きます。
ウィンドウの一番上、セット「Illustrator初期設定」になっていればOKです。
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カーニングができない理由③|環境設定の初期化
キーボードのショートカットキーが「初期設定」なのにうまくいかない場合は、環境設定の初期化を行うと良いでしょう。
画面上部メニュー「編集」から、「環境設定」→「一般」を選択します。
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環境設定ウィンドウが開きますので、ウィンドウ右下にある「環境設定をリセット」をクリックし、イラストレーターを再起動すれば完了です。
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Illustratorで文字や行の間隔を調節して見やすく!
制作物によっては、テキストの読みやすさや目の引きやすさにとことんこだわる必要も出てきます。
カーニングやトラッキングを効率よく使って文字間隔を調整し、スムーズに作業ができるようにしていきましょう。